にじゅうきゅう
彼女の目が忘れられない
私は友達が少ない
いも女と男子にも馬鹿にされた
クラスメイトはそれを静止してくれていたが
口元が笑っていたのは薄気味悪かった
彼女はとても優しい人だった
心から心配してくれている声色で、
本心で男子に怒ってくれる子だった
それが尊いと思いながら、憎くも感じていた
ある事件があった
内容は語らないが、私は彼女を陥れることにした
彼女は私がこんなことをしたなんで夢にも思わないだろう
彼女は学校へ来なくなった
もともと頭も良い子で有名な私立高校に転校したと
ソースもわからない情報が学校で流布されていた
最大の寒波とニュースで話題になったあの日
私は彼女と交差点ですれ違った
マスクもして厚着をしていたから確信はない
ただすれ違う時に彼女と目が合ってしまった
目元が垂れたかわいい目をしていた
あの頃と変わらない慈愛に満ちていた
一瞬私に気付いたように瞳孔が開きゆっくり閉じるのが分かった
私は咄嗟に顔を伏せて交差点を足早に渡り切った
振り返ると彼女はいなくなっていた
私の罪を許すような優しい目が
眠っていた罪悪感を一気に押し上げる
彼女の目が私を許したことで、私は私を許せなくなった