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にじゅうはち
袋一杯の酒瓶は重い
購入前より重く感じる
向き合っているつもりでも
酩酊した気持ちの軽さに踊らされて
またまとめて酒を買って帰る
何故かこの時と荷物は軽い
素面の自分は別人で聖人のよう
赤い自分は意地悪で情けなくて
周りの人も金も逃げていった
風で簡単に散る落ち葉のようだった
僕はそうしてハリネズミになったのだ
寂しい顔して何も寄せ付けない
そのくせ、ますます針を育てている矛盾に心を痛めながら
いつかこの剣は諸刃となって僕を刺すのだろう