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にじゅうなな
深夜の月は際立って見えた
山の中で眠った日の輝きは格別だった
意識が絞られ、その他の存在が霧のように消えていった
しなやかな美しさに魂が吸い込まれそうになった
街中で雑多の干渉を受ける月はどう見える
文明に存在が飲まれていくように錯覚するが、
過去の個人は尊重されていたのだろうか
詳細な規則に、拡大する監視は抑圧感を生むが、
かえって個性にアクセントが生まれるのだろうか
いずれも相対の先の絶対的自我には無縁の戯言
都会の月も綺麗に思える強さが欲しい