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にじゅうさん
更迭された心臓を拷問器具にかけながら
滴る赤い液体をお盆に几帳面に溜めて
また心臓へ漏斗を使って流し込む
拍動して全身に血液を送っていると
勘違いしている哀れな臓器は
ただただ誰のためでもなく生かされ続ける
夢から覚めたと眼を開くと
人間が歯車のように張り付けられて回っていた
何千何万といたものだから
初めはそれが人であると認識できなかった
これは社会の縮図であると思った
そしてこれはまだ夢なんだと思うようにして
再び目を閉じた、思考を閉じた
かく言う私も夢に逃げるわけである