17/100
じゅうなな
色彩に富んだ世界を
美しいとは言いながら
自室は白黒、二色のみ
暗い部屋に浮き出る液晶の光
ライトアップされた無表情
何故か感じる心の安らぎ
洞窟で灯した仲間と篝火
寝静まりかえった小さな空間
火の揺らぎと軽やかな捻髪音
遺伝子に刻まれた安堵の記憶
電子の送受信と人間の交流
表現できるのは氷山の一角
距離が生み出す心の狭間
吹き出る噂に翻弄されながら
憎し憎しと喚いたとて
盃交わして黙々と語れば
心の琴線はおのずと通ずる
瞳の奥を覗くまでは
沁みだす空気を感じるまでは
待ってみようと、ふと思った夜