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じゅうご
ベンチで雨風に打たれながら
大きく揺れる木々を霞んだ視界で眺める
枝は靡き、葉が擦れては音を奏でる
泣きたくなるほど悲しいことを
重ねるたびに何かが擦り減っていく
それが何かもわからないまま
波のように押し寄せる仕事に
感情にもマスクをしながら
持ち堪え、向かわなければならない
与えられた僅かな余暇も
落ち着かず、心がざわつくからと
予定を埋めては休んだような気になっていた
脳内に霧がかかって思考が整理できない
ただただ心を無にしてみると案外これが心地よい
私は傷ついては埋めようとしていたのだ
きっと無為は無為のままで
それは空白は空白のままで
・・・
それでも自分は自分のままで
一歩ずつ、一歩ずつ