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じゅうさん
微笑んだ口角が不自然に見えたのは
瞳の漆黒がくすんでいたから
手を振る腕がぎこちないのは
神経が連動していないから
味覚が舌から消えたのは
存在が意義を失ったから
鼓膜がさざめくのは
張力が怯えて緩んだから
上唇が浮腫むのは
負債が一挙に集うから
片眼から涙が出るのは
異物が感情を蝕んだから
心臓が唸るのは
血液が体を慌てて巡るから
肺が酸素で満たされるのは
無意識が自我を守るから
朝日が拝めるのは
太陽が地球を見捨てなかったから