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じゅうに
闇夜の森を独り闊歩
道端の小枝を踏みながら
小気味よい音を奏でる
立ち入り禁止の保護区
自然がそのまま生きている
自死のための行動にはあらず
映像を世界に届けるため
自身を見世物にするようだ
芯がなければ
自我がなければ
管理困難な技術である
優柔不断な迷い人も
誰かのためならと急かされるように
危険を顧みない行動に走る
見定めるような呻き声が響く
気付いた頃には悲鳴を上げる暇もない
沈黙ののちに咀嚼音
個性のない獣の餌
承認欲求の成れの果て