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似合わぬ声
「あなたが勇者じゃな?」
女の子にしか見えなかったんだけどな・・
ああ、妖精は歳とらないっていう設定ね 納得
「さあ、この石を受け取りなさい」
母と被ってると思った。
『石』は本当にただの石だった。
予算が足りなかったのか じゃギャラも期待できないね
「姿形にあってない声が気味悪いっての」
あたしは温厚じゃないから剣を投げつけた。
今気がついたのだが、傍から見ればカッキーに投げつけてる?
「ああっぶないなあ、沙理」
避けてくれてありがとっ埋め合わせはいつか
カッキーを置いてまた走った。
変な妖精の悲鳴が聞こえるかと思ったら
耳障りな甲高い笑い声が耳に響いた。
少女のような・・・
「キャハハハ、逃げられる訳ないじゃない」
とっさに耳を覆う。だが骨に声は届く。
「運命はきまってるのよ、勇者っ。キャハハハ」