表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/11

勇者と患者

「あなたは勇者となるのです」


・・・狂っちゃったの、母さん

声には出さずに母を見つめる。

母はいつもと異なる重みのある声で答えた。

「わが一族は16歳になると剣を受け継ぎ『運命人』を助けに行くのです」


聞き覚えある設定だね

本音としては一生聞きたくなかったな


冷蔵庫が電子音を鳴らしだしたが開け放したまま無視をする。

近くで見ると母は美しかった。

比較的若い母は黒がよく似合うすらっとした女性だ。

まあ、台所にはふさわしくないけど


「さあ剣を受け取りなさい」

突然声を張り上げ母は滑るように近づいてくる。

本気で怖い

「ちょっ来ないでよ。気持ち悪いって」

目の前に母の顔、生まれた時ぶりに向かい合っている。


「何が勇者よ、あんたが患者なんじゃないの」

うわっ あたしって奴は親になんてことを

しかし冷や汗は背中を伝う。


母は何も聞こえなかったように剣を差し出した。

あたしが素直に受け取るとでも言うように微笑みながら。

お生憎さまっ


もちろん剣に触れもしなかった。

代わりに鞄と上着をつかみ冬の世界に飛び出した。


扉が閉まる瞬間座り込んだ母の姿が目に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ