第3-2話
ようやく訪れたゲラルトにリーヴァ、若しくはエルくんへの伝言を伝え、事情聴取に向うダバ。
「では、しっかり話してもらうぞ」
防衛部隊隊長のゲラルトが言う。
『理解できないと思いますけどね』
そう言ってダバは世界樹での経緯を話す。
木の声を聴いたこと。主に悲鳴に近いが。
中の人の事。弄れ者の事だが。
最後には呆れて大人しくなった事。家出したそうだった事。あることない事、着色して洗いざらい喋った。
「…………」
『ね?理解できないでしょ?』
思案顔のゲラルトに向けて放つ。
「むぅ…何を言ってるんだコイツはって、そんな気分になるの」
顎に手をかけ悩むゲラルト。
『だから言いたくなかったんだよ。それを無理矢理…』
「む、むぅ。だが、黙っててもいい事でも無い。話が真実であるなら、ヨミがお主の中にいるのであろう?この事はかなりの問題なのだ。伝説級の災悪。そう言えばわかるかの?」
『へ?アレが?』
本人?も言っていたが敵対者らしいから、散々痛い事やらかしたんだろうな…
「そうだ。伝承によれば種族問わず戦争を仕掛け、全世界を相手に戦ったそうだ」
た、たちの悪い奴だなぁ…。自分の存在意義を掛けて本気で取り組んだんだろうな。
『て、最後は負けたんですか?』
「ああ、我が国の妖精王がトドメを刺した」
妖精王いるんだな。亜人の国なのに妖精王…?
『ん?ちょっとまって、妖精王って何歳?ヨミが暴れてたのも伝承って言うぐらいだから、結構昔じゃないんですか?』
「たしか…150年程前だったかの?妖精王は代替わりされたから、先代の方じゃ。現王は30歳位のはずじゃ」
『そうなんですね。もっと昔かと思ってました』
「まぁこの国は時間の流れと言うか、概念が緩いからの。で、お主の話を王に話してくるぞ。儂では判断に困るからの」
『え〜、いきなり処刑とかないっすよね?』
中の人の為に殺されるとか、絶対ヤダ。と、ダバ。
「それは無い。儂が止めるし、王はそんな事はしないぞ」
中々の王の様だ。どこぞで恐怖政治を敷く独裁者とは違う模様。
『なら良いですけど…ガチでヤバくなったら逃げますよ?』
命大事。最優先事項なのは当然。
「心配性だの。そうなったら儂が逃がしてやるわい」
ニヤリとするゲラルトは、笑みを残したまま馬房を後にする。
『ふぅ…何とかなるのかな?』
ゴチるダバ。
『ダバさん。大体聞こえてたけど自分達はどうしまふ?』
『逃げるならさっさと出る?』
セツラン、ペンちゃんコンビが聞いてくる。
『オメー等は、ストーカー行為で捕まったんだから大人しくしとけ』
『くっ…冤罪なのに』
『くっ殺』
『誰得やねん。まー、あの感じだと大丈夫だろ。一緒に解放してもらう様に頼んどくわ』
『『アザース!』』
舞台は変わり首都アルフレイムの王宮アルベリヒ。
絢爛豪華な王宮…ではなく、深緑の中、光立ち込める神域と言った方が良いだろう。清浄を思わせる空気と水。枯れることを知らない緑あふれる木々。その全てが調和された神域。それが王宮アルベリヒ。
その神域に妖精王オベロンはいた。
「退屈だ…」
葉のベッドに腰掛け、天を仰ぎながらゴチる。
その傍らには王女ティターニアがいる。
「うるさい。聞き飽きた。仕事でもしろニートが!」
相手するのも面倒と言わんばかりに突き放す王女。
「冷たいなー。少しは構ってくれても良いだろ?」
「うるさい」
取り付く島もなしといった状態の二人。
そんな二人の元にネタがやって来る。
そう、ゲラルトだ。




