第1-2話
「はい?」
いきなり言われて困惑する男。
「キチンと説明しますんでよく理解してくださいね」
チャチャの説明はこうだった。
一、異世界での活動報告が欲しい部署がある。
二、前世での罪や後悔が少ない。
三、上記が多いと記憶の継承が難しい。
四、人間での転生は入り込みにくい。
五、その点動物だと簡単。記憶の継承が可能。
「部署については後程説明します。罪や後悔ってのは貴方の服を見ればわかるんです。普通の人は亡者用の死装束。更に三途の川で濡れて動けません。罪で重たくなるんです。なぜスーツ姿なのは良く分かりませんが…」
(火葬の時にスーツだったのかな?死んで転生してまで働きたくはないが…動物かぁ…確かに人はもういいかも)
深妙な顔をしながら思う男。
「また、異世界で人に転生する際、現地の担当者に許可が必要になり手続きが面倒なのです。その点動物でしたら規約も少なくて簡単なのです。前例もありますので危険はありません。…多分」
(………多分かよ)
「さて、如何でしょう?概ね合意でしたら部署の方に移動し、打ち合わせをしたいのですが?無論断るのも構いませんが、断ればそのまま輪廻転生の手続きに入ります。その場合は記憶は消えて人として再スタートになりますが…」
「うーん…わかりました。断る理由も無いですし、動物ってトコが面白そうではありますんで。」
このまま人生をリセットして、再び人生をスタートさせるのも面白くないなと思い承諾する。80歳迄生きて人生にはほぼ満足していたのだ。
「ありがとうございます。では、転生庁へ移動しましょうか。」
丁寧な物腰で答え、移動していく。
従業員?の鬼達と川辺から転生庁へ移動していく。
「そう言えば、転生する動物ってどの種類なんですかね?」
何が良いかなーと考えながら聞いてみる。
「以前の例では、イヌ、ネコ、サル、カニ、ヘビなどがいたそうです。無論それぞれの方が選ばれてなりましたよ。こちらから強制ではないです。」
「はぁ………カニて」
(何考えてんだ?ヘビもそうだけど…愛着あったのかなぁ。)
「今もその世界でいてるんですか?」
「どうでしょう?その辺は担当者に聞かないとわかりませんね。あ、見えましたよ。あの建物です。」
「……………派手だ」
何というかキャバクラ?上りが何本も付いてて『転生はコチラ!』とデカデカと書いてある。
これで良いのか転生庁よ…客寄せじゃないんだから…。
「見た目はアレですが実務はしっかりしてますのでご心配なく。私は担当者を呼んできますんで、しばらく客室でお待ち下さい。
そこの君、この方を客室へ案内してくれ。」
そう言いながらチャチャは建物奥に消えていく。
「どうぞこちらへ。」
別の鬼に案内され客室で待つ男。
部屋はフツーの会議室の様だなぁと思いながら、転生後の事を考えてみる。
何に転生するかは決めている。
どんな世界か?何が出来るのか?剣と魔法のファンタジーの世界なのか?生きていけるのか?
疑問符が大量に付くが一つだけ確かなことがある。男は満面の笑みを浮かべて
「楽しみだ!」
と。
読んでいただき感謝<(_ _)>




