『第十二都市ドワーフランド』
p46、第十二都市ドワーフランド
■概要
別名、鍛治都市。
鉱山が各地に生えている都市。多くのドワーフの名匠がおり、多種多様な武器をつくってくれる。ただし、エルフの客だけはNG。鍛冶師になりたい人はここへ弟子入りすることが多い。
異世界「ドワーフランド」から来訪したドワーフにより発展した都市であり、現在でも異世界からドワーフがやって来ている。
ドワーフは主に武器を製作しているが、職人気質な者が多く、建築や発明、裁縫や家具職人、塗装や庭師、彫金師や刃物職人、楽器職人や陶芸家など、幅広いモノづくりジャンルに挑戦している。
魔導具メイドや魔法鍛冶師など、魔法導具関連の製作をしている者は以前からいた。その質が急激に上昇したのはドワーフが来訪した以降である。ドワーフは新たな技術をもたらすとともに、これまでの技術を大きく底上げした。
よって現在の魔導具関連は、高性能なものが数多く産み出されている。
■歴史
〈2700年〉異世界「ドワーフランド」からドワーフが来訪。高品質・高性能の魔法武器を作れることで、人気を博す。
〈2706年〉ドワーフが継承してきた「武器に魔法を刻む技術」がエルフに渡ったことで、ドワーフとエルフの関係が悪化。
〈2710年〉第十二都市ドワーフランドを建設。
〈2750年〉ドワーフ内抗争勃発。ドワーフの優れた技術に目をつけたギルドや冒険者パーティー、その他各都市や企業などが、ドワーフの独占を狙っていた。買収などによってドワーフ内にも派閥が生まれ、様々な組織や都市に流入していた。
最終的にドワーフ界隈でも伝説としてのみ信じられていたヴィルヘルムが来訪したことで、金銭や組織への執着を捨て、どこにも媚びず、職人としての腕を磨くことに意識を集中させた。
〈2833年〉ドワーフは自分たちが最も優れた技術を持ち、人間はそれに匹敵する技術を持ち得ないと考えていた。だが人間の中にも優れた技術を持つ者がいたことで、人間にも興味を持ち、師弟制度の導入が決定した。これにより人間もドワーフの弟子になることができる。
〈2970年〉ドワーフとエルフの戦争が起こりかけるが、伝説ヴィルヘルムによって阻止された。
■産業
優秀な作り手がいるため、職人派遣事業を行っている。建築や鍛冶を始め、あらゆる分野で技術者を派遣する。
冒険者等に武器・防具を積極的に生産している。見習いが製作した「不完全武器」は値段が安いため、駆け出しの冒険者が多く購入する。「固有武器」は値段が高いが、希望にあった武器を高品質で提供してくれる。
この土地は過去に巨大隕石が降った地であり、名産品に「隕石の欠片」がある。わずかに引力を引き起こす。
その他、強い引力を持つ「引力樹」、100㎏級の「ヘビーアント」、宙に浮く「無重力水」、「岩餅」や「岩塩」などがある。
■地理
過去に巨大隕石が降った地であり、その大穴の中にできた都市。今でも巨石が都市近郊に転がっている。
都市は四つのエリアに分かれている。国宝級職人だけが暮らせる国宝特区、名匠級職人以上が暮らせる名匠特区、親方級職人以上が暮らせる親方特区、誰でも暮らせる一般区がある。
国宝特区は優れた建物ばかりが並んでいる。
この都市には自然と鉱物等が生成される「資源湧き場」が存在する。金や銀、魔鉱物や木など、潤沢な資源がある。
その他、強い引力が発生している大森林や、底に向かって強い引力が発生している湖などがある。
■文化
年に一度、「ゲシュタルト崩壊祭」が行われる。この祭りでは、一年間でつくった武器の中で、最も不出来な物を奉り、破壊する。二度と品質の悪い物ができないようにと、祈る祭り。優れた者ほど、奉る武器が一級品になっていく。
「龍と神の異世界アマレイズ」と「ドワーフランド」を製作した神が一緒のため、言語が同じである。ただ、ドワーフはこの世界に伝わらない言語「ドワーフ言語」を編み出している。濁点が多く、語尾のアクセントが上がることが多い。
伝統的な料理法に、重力岩を使った「圧力調理」がある。
■交通
移動手段は100種類以上ある。人気なのは飛行可能な「ベガバイク」や「歩く石像」など。
危険なものは、短距離を超音速で移動する「短距離移動式ロケット」や爆発の推進力で移動する「爆弾船」で、何度か建造物を破壊している。このような実験的な道具は親方特区以下で製作されることが多く、親方特区以下の地域では実験事故が日常茶飯事。
優れた職人ほど移動手段となる導具は自分で製作する。というより、料理道具なり家具なり、自分で製作できる範囲は全て自分で製作して生活する。
■教育
この都市内で子供を産めるのはドワーフのみ。そのため児童教育はドワーフのための教育しかなく、職人になるための知恵や技術を学ぶ。鍛冶技術は必修科目であり、その他裁縫や建築などは選択科目となっている。
15歳まで必修教育だが、それ以降は専門学校に通うこともできる。ただし飛び級制度があり、極めて優れている者は必修教育課程を終えたものと見なされる。
代表的な学校は、全てのドワーフが通う「ヴィルヘルムアカデミー」。必修教育を行う学校で、学費は無料。将来職人となったドワーフが都市の稼ぎ頭となるため、都市全体が学費をまかなう。
■政治
特に政治団体や議会などはない。ドワーフの世界では優れた技術を持っているほど崇拝されるため、現在のドワーフたちにとって最も崇拝されているヴィルヘルムが、緊急時等に政治の旗向きを指導する。
■対外関係
第一都市ギルド都市に鍛冶技術や武器を提供している。代わりに魔法資源やギルド冒険者の協力を得ている。
第九都市ソードを目的とする者の多くが刀剣を必要とするため、出張製作をすることが多くある。
異世界「ドワーフランド」出身者のドワーフばかりのため、常に異世界「ドワーフランド」と行き来をしている。
■観光
一般区には観光客向けに観光街が建築されている。観光街は様々なドワーフが個性豊かに作成した建造物ばかりで、売られている物も個性的な物ばかり。
中にはお仕事体験の施設もあり、友好的なドワーフが様々なお仕事を教えてくれる。
■職業
【魔法鍛冶師】魔法を使って鍛冶をする。また、武器に魔法を刻む。ドワーフの中で最も多い職業。
【解体師】あらゆる道具や機器を分解し、内部構造等を解明する。リバースエンジニアリングを専門とする。
【魔法地質調査員】魔法を用いて地質調査を行う。土地の性質上、隕石調査や自動生成される鉱物等を調査している。
【魔法義肢装具士】魔法を宿した義肢を作成する。現在では翼や尻尾などの義肢も開発されている。
【魔法塗師】建物や物体を塗装する職業。武器の模様を変えたい冒険者に人気。
【あらいわ織職人】岩餅からとれる岩糸を使って織物をする職人。粘性がある糸のため、織物をつくるのは難しい。熱を加えると粘性が消える。
【流星藍染職人】隕石からとれる藍炭を用いて布などを染めていく。藍炭には体内魔力の流れを円滑にする効能がある。
【引力樹細工職人】引力が発生する木材を加工し、商品を作成する。
【隕石太鼓職人】隕石や引力樹からつくられる太鼓。ドワーフの中で太鼓は最も主流な嗜好品として流行。一家に一台はある。
■ドワーフ技術
【武器に魔法を刻む技術】
マザーパーツを中心に、チップやスロット、コネクタやファイル、リンクやディスク、コードやユニットなどを組み合わせることで作成する。マイクロ製造技術が必要となるため、ドワーフの中でも一握りの人材だけが可能。
【マギアリバースエンジニアリング】
物体が空気中のマギア原子を自動で取り込み、魔力へと変換する技術。
【魔力ウェーブモータ】
入力する魔力の魔力周波数に比例した速度で回転する魔力式モータ。魔力周波数が高いほど高速回転する。
【魔力方向転換器】
魔力の進行方向を変える装置。
【Rv910Mチップ】
蓄積した魔力をリバースし、自身の魔力として補充できる性能を持つチップ。
【Aq450Mチップ】
冷却チップ。
【ダブルブレインコア】
マザーパーツ。二つの魔法を同時使用できる処理性能を持つ。
【アクセラコード】
接続した機能を加速させる。
【ディレイコード】
接続した機能を減速させる。
■ドワーフの産んだ武器
【エーデルシリーズ】
細剣、防具、ドレス、ブーツ、アクセサリーがある。
装備中、魔力量と魔力出力が上昇する。あらゆる魔法の効果を受けない。
【ヴェネツェアシュテーラ】
三千トン級の駆逐艦。いくつもの機能が搭載されており、「対空撃墜砲」「追尾魚雷」、防衛システム「絶壁」、透明化システム「彩」がある。
駆逐艦の甲板にはミニチュアサイズの美しい街が広がっている。全て防衛システム。
【ブリッツ】
電気を放つ剣。この剣先から出た電気で空中絵画をすることができる。絵画した電気はそのまま滞空する。
【アンネリーゼ・ミラキス】
かつてその剣は、一人の弟子を救うために。初代所有者は、この剣に思いを込めた。やがて思いは波及し、この剣は他者を救える者のもとにのみ受け継がれる。それ以外の者が触れれば死に至る。
この剣の制作者はヴィルヘルムという噂がある。
■出身者
●クライノート
宝石加工の国宝級職人。自宅は宝石、家具も宝石、車も宝石、嫁も宝石でつくった。
●シュヴァルツ
国宝級職人。
「黒炎シリーズ」の武器を作成している。過去にダンジョンを冒険中、龍に襲われ、右腕を灼かれた。右腕は今でも激しい熱を持っており、その熱で武器を製作している。
●フリーデン
建築の名匠級職人。
完成させた建物をすぐに爆破したくなる破壊衝動を持っている。これまで建てた百軒以上の建築物をあらゆる手段で破壊した。批判が殺到したため引退し、現在は指導者としての道を歩んでいる。
●リューゲ
自らを国宝級職人と嘘をつき、多くの見習いから金銭を騙し取った詐欺師。現在でも行方をくらませている。
●ヴィルヘルム
伝説のドワーフとしてしか信じられていなかった。五百年前から生存している。ドワーフの中でも最高傑作の技術をあらゆる分野で有しており、星を一から建築したという伝説まである。
●エンデ
ドワーフ都市の破壊者。これまでの発明を凌駕する発想の発明をするが、そのどれもが危険なものであり、何度も都市が滅びかけた。
特に「エンディングシリーズ」と名付けられた魔導具は全て禁忌として都市の地下深くに封印されている。もし一つでも世に放たれれば世界は滅ぶ。
■主な事件
【サンシャインエンディング未遂】
ドワーフランドの危険女エンデがエンディングシリーズの一つ「サンシャインエンド」を発明した。この魔導具は上空に巨大な光球を出現させる。
ある日の夜、実験的に使用した。空には二階建ての一軒家ほどの大きさの光球が出現し、夜が照らされる。10分ほどで光球を消そうとしたが、この魔導具は出現させることしかできない。よって、光球は消えない。
光球にはエンデも意図しない機能があった。空気中のマギア原子を取り込み、巨大化していく。一時間もした頃には都市を覆えるほどの大きさの光球になっていた。
多くのドワーフが魔導具などで光球を消失させようとするが、逆に魔力を吸収して巨大化していく。なす術なしと思われた矢先、ヴィルヘルムが現れ、ダンジョン領域まで蹴り飛ばした。
【ドワーフ地下荘襲撃事件】
とある凶悪冒険者パーティーの一団が名匠のドワーフを武器で脅し、オーダーメイドをつくらせようとした。そのドワーフは地下に家をつくっていたため、誰も襲われていることに気付かず、ドワーフはオーダーメイドで武器をつくるしかなかった。
武器作成後、凶悪冒険者パーティーが名匠のドワーフ達を殺傷しようとしたが、そこでエンデがミサイルとともに飛び込んできた。地下荘は破壊されたものの、冒険者パーティーは負傷し、捕らえられた。
エンデは助けに来たのではなく、実験で失敗しただけ。エンデは大怪我を負い、しばらくエンデの発明がされることはなかった。
〉p47、和国




