武 頼庵さま お祝い小説
[ Sister ]
髪を乱し自分の後を追いかけて来ていた
笑顔のままで追いかけて来ていた
どこに行くのも僕が先 何をやるのも僕が先
生まれ落ちた時もそれからずっと
小さく 小さな大事な人
割といい関係の中で育ってきた
仲が良いねって言われて喜んだ
護るモノだって思っている
壊れない様に 包むように
それが出来る精一杯だから
君にとって僕は何だろう?
目標であってライバルであって壁にもなって
道標みちしるべにだってなれるだろうか?
いつからなのかな?
君が僕の後ろから見えなくなったのは……
いつからなのか それが不自然なほどに自然に感じる
追いかけるほどに先に進む僕と
泣いて泣いて座り込む君に手を伸ばして微笑んだ
側においでって……
もう泣くなよって……
背が伸びて大人になって行く
いえない事も増えていく現実で
追いかけられることに怖くなっていく自分
もう自分の後ろに君はいない
あの笑顔はもう見ることは無いのかな?
寂しさが切なく 泣くことも出来ずにしゃがみ込む
何時しか僕ら顔合わせても気まずいだけ
譲り合うようにすれ違い 淡々とした日々が進んでいく
隣にいた君のその小さな手を
大きな声で笑うその声を
手放したのは僕なのかな?
ただ一人の 大切な人 Sister
思えばいつしかケンカばかりで
言葉を交わす事すらしなくなって
言い訳ばかりで自分の心に嘘ついて
知りたいのに興味がないって距離を置く
君の言葉を聞かせてよ 笑顔を見せてくれ
失う事を怖がるようじゃ 君が離れてしまうだけ
ごめんねって言えない
懸命に自分の背中を追いかけて来ていた
笑顔のままで追いかけて来ていた
どこに行くのも僕が先 何をやるのも僕が先
生まれ落ちた時もそれからずっと
小さく 小さな大事な人
君が行く先が輝くように 進んでいく道に光あれ
いつしか僕の前に出て行く君へ
いつまでも君は護るから
壊れない様に 包むように
それが出来る精一杯でも
前を 前に……
先を その先へと……
進むために僕は君のみちしるべ
出来ることはあんまりないけど
この手を君の前にかかげよう
小さかったあの手が 大きくなっても
妹よ 君が笑顔になれるのなら
何度も 何度でも……
あんちゃんへ
とっても暖かい心のこもった作品を
本当にありがとうございました。
【Sister】うん。
これからも、よろしくお願いします。