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騎竜飼育員はじめました。  作者: 亜新ゆらら
その7.存在の証明に必要なもの
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08





 けれど当時のサラザールはそんなこと気にもとめず、ぴんときたことを調べることに取り憑かれてしまっていた。それは、古語で掘られているという腕輪の文字が結界を象っている陣の紋様に似ているという部分に対してだった。


 一つのことを思いつくと気の済むまで遂行したい性分のサラザールは、そのぴんときたことをもっとちゃんと確認したかったし、知りたくなった。


 だからその腕輪を持って黒竜の元へ行ったのだ。そうしたところ。


「――…反応したんだ。腕輪これに、アストメリアの名前に。黒竜が」


「…?」


 ともすれば見落としてしまいそうなほど微かな反応だったと、腕輪を机に置きながらサラザールは口にした。


 もしかしてと小さく口にしたその名前には、確かに反応を示したという。


 今まで周りで何をしていてもなにを話しかけても全く興味も示さなかったあの巨竜が、たった一言に今までにない反応を示したのだ。


「だからきっと黒竜の結界と、リリアナっていう人は無関係じゃないと思ったんだ。少なくとも、あの竜はリリアナのことを知ってる。だから彼女を辿れば何か分かるって思った。そうすれば少なくともこれの何が君に作用したのかも、分かるかもって思ったんだ」


 そんな経緯で始まった人物調査は、サラザール曰くあまり難航しなかったらしい。


 詳しく調べていった結果、リリアナはアストメリア家の先祖に当たり、あの黒竜のいる渓谷を覆う大きな結界を創った本人であるらしい。ということまでは分かったのだという。


「でも、僕みたいなのが貴族の…古参伯爵位の歴史なんか調べられる事って限られてるからさ。“らしい”って事くらいしか分かんなかった……っていうか、今気付いたけどアリーに聞けばよかったんじゃん…。あー無駄足だったって思うとつらい……」


 はあー、と長いため息をついて両手で顔を覆ったサラザールは、再び地にめり込みそうなほど俯き落ち込んだ。そういう問題でもないと思うが。


 そう思ったアリアディスは、そんなサラザールの姿に呆れたため息を零す。


「俺はアストメリア家のことはあんまりよく知らない。元々あまり交流がなかったし、領地だってそこまで近いわけじゃないからな。あまり外に向けてなにかを発信するような人たちでもないし…。第一、いちいち人の家を詮索するほど俺は暇じゃない」


「……わざわざ詮索しないと分からないって、それはそれでどうなのさ。アストメリアって貴族の中じゃ結構な古参だろ? 家歴だって相当古くからあるんだろうし、分家でも親戚でも多少はなんか聞いてるもんじゃないのか?」


「そうは言われてもな…リリアナという人が何時の時代の人だったのかしらないが、俺はその名前には覚えが無い。…そもそも貴族ってのは醜聞をとことん嫌うからな。当時でそんな大きな問題になったってんなら、意図して後生に伝えなかったという事だろう。そうでなくても、過度に騒ぎたてない方が本人のためだろうしな」


「そっか。…そういえば、ディリアも相当古い家系だよね。なんか知らないの?」


 そう言ってサラザールが話を振ったのはサンディアルトだった。何の気なしに視線を向けるも、サンディアルトはじっとなにか考え込んだように上の空で反応は返ってこなかった。


「…? おーい、おい」


 そう言ってちょっと待ってみたけれど反応がないので、サラザールは鼻から息を一つ吐き出して早々に諦めた。何の気なしに聞いただけで、特に答えを期待していたわけではなかったのだ。


 むしろそんなことより気になることがある。


「っていうか、その…フレディって子、大丈夫なのか? …その、アストメリアの人間がそんなに近くにいて、竜たちは反発したりしないのか?」


 サラザールの視線はアリアディスに向いていたけれど、その言葉に思う所があったのか小さくぽつりと呟いたのはサンディアルトだった。


「反発? いや、そんなことはない。寧ろ…」


 彼女にとても懐いている。


 サンディアルト自身も、目にしたときは不思議に思ったその光景を脳裏に思い浮かべながら、サラザールの問いにそう口にした。


 そう、見る者が見れば異常なほどにどの竜も彼女フレディに懐いていた。


 気位の高いはずの竜は基本的に他を寄せ付けず、群れを作ることもほとんどない。自らが認めた者にしか気を許さず頭も垂れない。


 その気位の高さから縄張り意識が非常に強く、同族であろうとも自らの縄張りに足を踏み入れたものには容赦ない性質なのだ。


 それでも必要以上の縄張り争いを控えているのは、本能的に種の存続意識から来ているに他ならない。賢明であるが故、自分たちの現状を正しく理解しているのだろう。


 それ故に飼育員のほとんどの前例が、怪我や後遺症で勤められなくなったことを彼女は知っているのだろうか。


 彼らが気を抜くと危険な目に遭うという緊張感の中で仕事をしていたにもかかわらず、フレディが担当するようになってからはその傾向が全くと言っていいほど無くなった。


 現状、竜の気持ちが理解できるほど竜種に近しいサンディアルトは、最初こそ不思議に思ったけれど今ではその理由にも納得していた。それはきっと、自分も彼らと同じ感情ものを感じているからだろう。


 非常に形容しがたいのだが、なぜか側に居たい気持ちになるのだ。これはサンディアルトがフレディに対して好意を持っているかどうかという話ではなく、それとは別に竜化をしているときに漠然と感じるものだった。


 言葉にしようにも上手な表現が見つからないのが悔しいが、確かにそれは彼女の匂いを覚えると自然と胸中にわき上がってくるのだ。


 離れていると不安で、近くに居ると安心する。この人は絶対に裏切らないと、根拠のない信頼がいつの間にか胸の内に広がっているような、そんな心境になる。匂いを感じないほど離れていても、どこか頭の片隅に彼女の存在があった。


 そしてこの漠然とした信頼感は、竜の姿にある時より顕著に感じるのだ。そこでふと、彼女にすり寄る竜の、あの安堵したような嬉しそうな表情を思い出す。


 なるほど、これは単純に自分だけが感じているものではないのだと。


 思えばサンディアルトが覚えた自身の竜化の疑問は、それに気付いたときにすでに生まれていた気がする。だが確かに、サラザールにとっては腑に落ちないことだろう。


 案の定サンディアルトの言葉を聞いたサラザールは、珍しく神妙な顔をした。


「ふーん…じゃあ、その子は竜神子の遺伝子でも持ってるのかもしれないね」


「竜神子…?」


「ああ。竜の言葉を理解して竜の気持ちを慮る、彼らに寄り添い彼らの願いを叶える者。その竜神子っていうのは、条件なく竜に好かれるらしい。というより好かれるから神子なのかな? 竜神子って言われる人たちは普通の動物にもよく好かれるらしくて、その神子様の周りはいつも色々な生き物があふれていたって話だよ。それが魔力の質によるものなのか、それとは別に特異な要素があるのかは知らないけど、他にも沢山の竜がいた時代にはそういう人間も間々いたんだって。いままで語られて来なかったのは、単純に竜が人間と接さなくなって、その特異性を認識できる人がいなくなったからだろうね。史実にもあんまり載ってないところを見ると、単純に絶対数が極端に少なかっただけかもしれないけど。…まあ、本当にそういう人がいたっていう証拠は残ってないから、眉唾かもだけどね」


「…そういえば、アイツの祖母も異様に動物に好かれるタイプの人間だったな」


「そうなの? だったら血筋なのかな? まあ、そういう人はたまにいるからね」


 一概には言えないよと軽く済ませたサラザールだったけれど、話を聞いたアリアディスは眉唾として受け流せなかった。


 フレディの祖母は不思議で特異な人だった。貴族らしくないというか、なんというか…彼女は貴族女性にしてはとても開豁な人だった。誰にでも平等に厳しくて苛烈で、そしてとても鷹揚な人だった。


 アリアディスが初めてフレディに会ったのも、その祖母が住んでいる場所だった。避暑と称して、都会の喧騒から離れたかったアリアディスに両親が勧めてくれた事がきっかけだった。


(…確かあの場所は、シルベリーニ辺境伯の治める土地だったか)


 フレディの祖母が晩年を過ごしていたのが、その別荘だった。辺境にあるアストメリアのその別荘は海がよく見える、広い丘の上にある屋敷だ。


 ものの見事に自然しか無いようなところだったが、却ってそれが過ごしやすい空気を感じる場所だった。確かアストメリアと旧友の仲だという伯爵家が、自身の領地にある丘の上に立てた屋敷を付近の管理をするという条件付きでアストメリアに譲ったものだと風の噂で聞いた気がする。


 付近の管理と言っても広大な草原がほとんどで、必要なのは偶の草刈り程度のものだ。実質、ただの贈与プレゼントである。


 管理が面倒になって押しつけただけのようにも取れるが、どちらにせよ貰った側に文句がないのなら外野がとやかく言うことではない。実際彼女もフレディも、あの場所を好んでいたのは事実だった。


「その竜神子の遺伝子というのは、なにか判別基準みたいなものがあるのか?」


「さあ、どうなんだろ。言ったろ? 情報が少なすぎて僕にはよく分かんないよ。それが見た目で分かるのか魔力の波長なのか、それともなにか特別なことで開眼するのか……あー、でもそれだとちょっと、矛盾するのかな」


「矛盾?」


「うん。その竜神子が実際に存在すると仮定して、それじゃ竜はどこで…なにを見て自分たちの神子だって認識するの? ってことになるじゃん。本人が気付いてなくても持ち得ているものだとしたら、竜が異様に好いてくるのだって頷ける。目に見える何かっていうよりは魔力の波長や種類によるものなのかも。もしかしたらそれはなにか、継承するようなものかもしれないけど……あるいは、そもそも定義なんかないのかもしれない。自分たちにだけ分かる、その“なにか”を竜は本能的に感知してるのかもしれないね。それならサンディが言ってた、根拠のない信頼ってのもなんとなく納得できるし」


「継承……それは、遺伝するって事か?」


「それは…どうだろ。まあ、一番単純で可能性が高いのは遺伝だろうけど…」


 まあ遺伝なんてのは本人が選べない継承事だけどさというサラザールの言葉に、アリアディスの一抹の不安は拭えるどころか膨らんでいった。サラザールの言葉を聞いて、フレディと彼女の祖母がよりいっそう強く重なってしまったのだ。


 だがフレディの祖母は竜種と接点を持っていたわけではない。どちらかというと竜を嫌っている…というよりは、遠ざけているようにも感じていたアリアディスは、この違和感がなんなのか分からなかった。


「というか、サンディはいつの間にドラゴンの気持ちが理解できるようになったの?」


 まさか戻れなくなったりしないよね? と不安げにサンディアルトを見遣ったサラザールに対して、当の本人はきょとんと首を傾げただけだった。そして言いたいことがわかっているのかいないのか、判別不明な空気を醸したまま場違いなほど優しく微笑み返してきた。


「いや? 特に問題はないよ。ただ竜の時は…何となくだけれど、同じものを見ていても感じることが人型の時と違う気がするんだ。完全に違うという訳でもなくて…上手く言えないけれど、だからもしかしたら他の竜もこんな風に思ってるのかもなぁ、と漠然に思う程度なんだけれど」


 穏やかなままそう言ったサンディアルトに、二人は言葉を失った。


「……えっと、」


「…それは、大丈夫というのか…?」


 驚いたような呆れたような、それでも心配しているような、そんな複雑過ぎる顔をした友人二人にサンディアルトはまたもきょとんと首を傾げる。


「どういう意味だい?」


「いや、どうって……、その…竜の時のその感情というのは、おまえの思考に影響を及ぼしてるのか?」


「いや、特にそういうことはないけれど…ああ、それを心配してくれたのか? 大丈夫だよ、問題ない」


 何をそんなに、と疑問したサンディアルトはアリアディスの言葉を聞いて、二人が何を懸念しているか理解した。


「最近になっていきなりそう感じるという訳ではなくて、初めからどこか違う感覚があったんだ。でもそれが当たり前だと本能で理解しているというか…。人間の思考も分かるけれど、竜の感情も理解できる。それが当たり前だと考える前に思っているんだ。思っている…というか、知っていると言った方が正しいかもしれないな」


 ふむ、と顎に手を添えて思考したサンディアルトは言葉を選びながら口にしてみたが、なんだかどれもしっくりこなかった。これという言葉が思いつかない。


 しかし、これだけははっきりしていた。


「上手く説明できないけれど…でもだからといって何が変わるわけでもないよ。俺は俺さ」


 肩をすくめて、なんでもないことだとサンディアルトはそう言った。本当にそう思っているようで、彼の言葉に嘘偽りはない。


「…そうか。それならまあ、いいんだが…。何かおかしな事があれば、そのときは隠さないで教えてくれ」


「ああ、もちろん。心配してくれてありがとう」


 にこりと屈託無くお礼を言うサンディアルトに、アリアディスはどっと疲れが増した気がした。本当に分かっているのだろうか。


 そんなアリアディスを知ってか知らずか、サンディアルトは話を当初の問題へ戻したのだった。


「なんにせよ、しばらく用心するに越したことはない。山の方の不審者の件は一度騎士団の方で調査をした方が良いかもしれないね」


 打って変わって真剣な表情でアリアディスに視線をよこしたサンディアルトは、そう言って対応を促した。真面目な物言いにアリアディスは頷いた。


「分かった。では街の宿も含めて滞在者の確認をしておこう。…まあ、あまり当てにはならんだろうがな」


「まあそうだろうね。とりあえず今の段階で潰せるところだけでも潰しておこう。何も無いならそれに越したことはないしね。…ああそうだ。調べる際は、なるべく穏便に…ね」


 そう言って内緒事を囁くように人差し指を唇に当てて、静かに微笑んで見せたサンディアルトに、アリアディスは煩労が顔に滲んでしまっていた。


「分かっている。…はあ、なんだってこう次から次へと…」


 額を押さえたアリアディスの顔は、特別親しくなくても労倦していることが窺えるものだった。


 そんなアリアディスに申し訳なさを僅かに含んだ苦笑いを向けたサンディアルトは、今度はサラザールに向き直った。


「それからサラはもう一度森と、そこから上の山に掛けて全体を探知しておいてくれないか?」


「ぜ、全体…?」


 なんの気も無いような抑揚でさらり言われた言葉に、サラザールは思わず頬を引きつらせてしまった。なぜかというと、まあまあどころではない広さだからだ。


 本気で言っているのかという意味を込めて問い返すも、サラザールの望みは素気すげなく否定されて終わってしまった。


「ああ、全部だ。よく分からないその結界は俺たちではどうにも出来ないし、俺が見つけたもののほかにも何かあるかもしれないからね。どんな些細なことでもいいから異変があったら教えて欲しい」


 しかも、全部、の部分を強く念押しされた。言葉のはき違えは許さぬとばかりに、その口元には穏やかな笑みまで浮かんでいる。


「あ、ああ、うん。わかった…」


 けれど自分に非があることを分かっているサラザールは、そうとしか答えられなかった。それに本当に不審人物が徘徊しているのだとしたら、自分の管理不行き届きなのは言うまでもない事実だ。


 神妙な顔をしたサンディアルトに、サラザールは自分の落ち度を正しく理解していた。もしこれで何か被害が発生したらと思うと、暢気に構えてはいられなかった。


 さすがに責任を感じずにはいられなかったサラザールは、少し逡巡したあと言葉を続ける。


「…あ、あのさ、なんかごめん……。僕がもっとちゃんとしたの作れてれば、こんな事になってなかったかもしれないのに…てか、黙ってないで結界のことちゃんと言っとけばよかったよな。…悪かった」


 しゅんと肩を落として謝罪するその姿は、通常運転の彼を知っている二人でも思わずすべてを許してしまいそうなほど悲懐漂う姿だった。いや、知っているからこその相対効果かもしれない。


 けれど彼が昔から妙に人の顔色を伺う瞬間があることを知っている二人は、図らずも微妙な顔で笑いをかみ殺してしまう。


「ふふ、大丈夫だよ。気にしていない。というか、これは別にサラのせいではないよ」


「や、でもきっとその不審者って、山の方から入り込んだんだろ?」


 だったら自分のせいだと、もっと小さくなったサラザールにサンディアルトはふと思考する。


「…いや、それはどうだろうか。そもそも…―――?」


 そのとき、扉の外が俄に騒がしくなった。扉を隔てていても喧噪が聞こえてくる騒がしさに、いったいなんだと三人は同時に扉を見やった。


「…騒がしいな、何かあったのか?」


「さあ…?」


 ことりと首を傾げたサラザールだったが、聞こえていた喧噪はばたばたという慌ただしい足音と共に徐々に大きくなってくる。そしてその喧噪はあろう事か扉の前まで来てなおも続いていた。


 しかし現在この部屋の主は不在だと誰もが知っているはずだ。なのになぜここに人が訪れるというのか。そう思ったアリアディスは次の瞬間、猛烈に嫌な予感がした。


 このまま押し入られると、非常にまずい。――が、だからといって今更どうしようもない気もする。こうなった以上もはやどうにも出来ないと悟ったアリアディスは、無意識にサンディアルトを伺い見た。


 そこにはアリアディスの予想に反しないサンディアルトの顔があった。てんで人事なその表情を見て、はあ、と重いため息がアリアディスの口から零れたとほぼ同時にバンッと大きな音を立てて勢いよく扉が開かれた。


「待ちなさい!」


「おまえな! 勝手なことするなって言ってんだろーが!」


「うるさいっ、僕の話を適当にあしらったのはお前達だろう! こうしている間にも何かあったらどうするんだ!」


 壊れんばかりに開いた扉を後に尚も口論を続ける様を見て、奇襲を受けた室内の三人は唖然としてしまった。


 よほど腹に据えかねたのか、一番に扉を開け放って入ってきた青年は衛兵の二人の制止を物ともせず文句を言っているけれど、まるで怒りは治まらないようだった。そのような入室の仕方をしていい部屋ではないはずだが、それを咎めることさえ躊躇う勢いで憤慨している。


 そのあまりの剣幕にぽかんとしたまま成り行きを見守るしか出来ない在室者三人を余所に、けれど扉を開けた人間は部屋の中など見ていなかった。


 治まらないその腹の虫に、衛兵たちもさすがにたじろいだ様子で困惑している。


「べつに適当にあしらったわけじゃ…。だからちゃんとした場所で手続きしてから、もう少し具体的な情報を――」


「だから! そんな悠長なことを言ってる場合じゃ無いんだっ今こうして話している間に何かあったらどうするんだ!!」


 忌々しそうに眉を寄せた青年は、一瞬言い淀んだものの言わずにはいられないといったように衛兵に向き直る。






 

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