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Game of crimes  作者: Riviy
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第44戦:白夜の湖と混ざった紅

『神の双子』は“イレギュラー”と呼ばれた魂を愛憎プラエルディウム大罪人パートナー達に向かって投げつけた。誰も見えていないし聞こえていない。


ティウムの動きがスローモーションに見える。魂が入った大罪人パートナー達は再び、ティウムからの攻撃を避けながら近づく。


「「倒して」」


つぶやく双子。

オリジンだからって許しはしない。2代目だからって許しはしない。【狂い咲きの闇黒】のせいだからって許しはしない。大事な、大切な愛しの子を操ったのだから。


「もう一度、人間にチャンスを」

「もう一度、世界にチャンスを」


双子は片手を繋ぎ、力を籠める。


おいで、おいでと呼びかける。


「さあ」

「最後の」

「「決戦を」」


光が双子を包んだ。









2人の体がティウムの呪文によって拘束される。紫色をした文字列が身動きをさせない。


『死ね!』


右腕を振り上げるとまたもあの光線が2人に襲いかかった。煙を上げながら2人を殺そうとする光線。

今度こそ…今度こそ!とティウムは小さく嗤う。


「バカな奴じゃのぉ」

『?!あああああああああああ!!!貴様らはぁあああ!!!!』


ティウムが怒りに任せて叫び散らす。光線の煙が晴れた空間にいたのは大罪人パートナー達であった。彼らが持つ武器はそれぞれの色を発している。空中に浮かんでいる全員に、そしてここまでうまくいかない計画にティウムは憎らしげに嗤う。


『貴様らはどれだけ我を苛立たせ、計画を狂わせれば気が済むというのだ?!』


ティウムの背後に大きな大きな、暗黒の龍が現れる。金色の瞳を憎らしき者どもに向ける龍。


「計画?俺達の相棒を計画に使っただと?…お前の罪はでけぇぞ!!」


勇馬が左の刀をティウムに向けて叫ぶ。『妬み』に溺れた双子のように。

『妬み』に溺れ、堕ちた大罪人ユウマ


「そうだね。私の物であるウタを…操ったなんて許さないんだからな!!」


マヤが斧をティウムに向けて叫ぶ。『強い欲』に溺れた双子のように。

『強い欲』に溺れ、堕ちた大罪人マヤ


「アハハハ!!僕の大切なミクをあんな風にしたんだから、覚悟いいよネ!?」


哀が薙刀をティウムに向けて叫ぶ。『憂鬱』に溺れた双子のように。

『憂鬱』に溺れ、堕ちた大罪人アイ


「我達の大事な仲間もこんな危険な目に合わせたんやから相当の報いちゃう?」


左手でティウムを示して叫ぶ。『愛情』に溺れた双子のように。

『愛情』に溺れ、堕ちた大罪人リント


「貴様には死刑が相応しいのぉ!このオレを怒らせたこと、身を持って知れ!」


零が大剣をティウムに向けて叫ぶ。『傲慢』に溺れた双子のように。

『傲慢』に溺れ、堕ちた大罪人レイ


「………めんどくさいんだけどさ…キミを叩き潰さないと…気が済まないんだよね…!」


春が弓矢をティウムに向けて叫ぶ。『惰性』に溺れた双子のように。

『惰性』に溺れ、堕ちた大罪人ハル


「まぁ、そういうことで。俺達もお前には苛ついてんだよな」

「これまで俺達にやってくれた数々の行為。どう落とし前つけてくれんの?」


ヴァークとサツキが武器をティウムに向けて叫ぶ。

『憎み』と『愛しさ』に溺れ、堕ちた大罪人ヴァークとサツキ


『あああああああああああああ!!苛立たしい!!“悪意”になりきれないあいつらもあいつらだ!こうなったら…貴様らを殺してもう一度、あいつらを支配してやる!!!』


ティウムが右手で顔の右半分を覆う。と龍が「グァアアアアアア!!!!」と雄叫びを上げて大罪人パートナー達に襲いかかって来た。

もう、逃げない。決着をつけよう。


「ユウマとアイ、マヤ、ヴァーク、サツキは二手に分かれて龍に攻撃!ハルとリンは後ろから援護を!」


零が指示を出すと皆、空中を滑るように各々移動を始める。


『ぶっ殺せ!!!世界を滅ぼす序章にしろ!!』


ティウムが叫ぶ。龍はそれに応えるように雄叫びを上げ、バシン!!と近づいて来た皆に尻尾で攻撃した。それを躱す皆。

バッと春が右腕を横に出すとそこから一列に“影”が集まり、様々な銃器を形作った。大砲、小銃、マシンガン、リボルバー…などなど。銃器達が弾を籠める。


「“胡蝶”・殺戮さつりく


鈴都の周りを舞っていた蝶が鈴都の持つ魔導書に吸い込まれる。彼が魔導書に手をかざすとそこから炎、氷、雷、水、風、土と様々な魔法が舞い出した。


「「行けえええええ!!!!」」


春と鈴都が攻撃するように叫ぶと主の指示を受け、攻撃を始める。銃弾と魔法の嵐に龍は手も足も尻尾も出せない。その間に他の攻撃要員は龍の近くまで走り込む。勇馬と零は龍の足元からジャンプし、腕によじ登ると腕を走って頭の方へ移動する。残りの皆は龍の足元を武器でグサッと攻撃した。痛みに悲鳴を上げる龍を無視して勇馬と零が武器を龍の目に突き立てた。


「グァアアアアアア!!!!」


龍が頭を振り、口から炎を吐き出す。それには龍によじ登っていた2人も足元にいた皆も一旦、退避した。龍は口から炎を吐き出すのをやめ、金色の瞳を輝かせる。と地獄の炎だった空間は一瞬にして星屑が満天に広がる空を持つ湖に変貌した。湖に星屑が映る。皆が警戒していると、


「ふぇ?!」

「な、なんやコレ?!」


驚く声が響く。それもそのはず、今、大罪人パートナー達の足元に広がっていた湖から気色悪い腕が現れ、突然、彼らの足を拘束したのだから。しかも徐々に少しずつ上へと上がってきている。


「……気持ち悪……“影”」

「チッ、“かまいたち”!」


春と勇馬が能力で、皆の拘束を取ろうとする。


「取れるよな?!」

「うわっ!飛んでもダメかよ!!」


ヴァークとサツキは翼を使って逃げようと試みたが腕が翼ごと2人を拘束してしまった。武器でなんとか取ろうとする。零や鈴都、哀は武器が大きすぎたり、危なくてできないしマヤに至っては“ジョーカー”で大きくするかしまいか迷うところだ。


『早くそいつらを食い殺せ!!!!』


ティウムが嗤いながら叫ぶ。龍はそれに答えるように近くにいた哀に向かって大きく口を開けた。


「エ?!」

「「「「「「「アイ!!!」」」」」」」


皆が叫ぶ。哀に龍の牙が迫る。

今度こそ……今度こそ!!ティウムは嗤った。


バキィィイ!!!と何かが裂ける音がした。見ると哀が龍の口の間に薙刀を突っ込み、かろうじて牙の獲物になることを防いでいた。これには胸を撫で下ろした皆。だが、お気づきだろうか?哀の薙刀を悲鳴を上げていたことに。

龍は金色の瞳を細めて嗤うと口を離した。途端の出来事に哀はもちろん、皆唖然。そこへ龍の手が迫る。


「!!アイよけ…」

「え……!!!」


ードオンー


誰かの警告は哀に届かなかった。哀は龍の手に踏み潰された。湖に波紋が広がる。龍が手を上げると仰向けに倒れている哀がいた。踏み潰されたために傷が一気に増え、頭から血を流していた。


「イヤァアア!!!!」

「アイ!!」

「!……“影”!殺っちゃって!」


春が気色悪い腕に拘束されそうになっている右腕をがんばって上げると龍を指差した。銃器達が“影”となって龍に迫るが“影”を龍は哀を踏み潰した手ではたくと同時にもう片方の手で春を哀のように踏み潰した。

驚く春の悲鳴とやめろと叫ぶ声が重なった。

龍が手を上げると哀と同じように仰向けに春が倒れていた。腹に爪が当たったのか酷く腹から出血している。


「ヤロウ……!!」

「許さねぇ…!!」


ヴァークとサツキが叫ぶ。拘束された翼の腕を引きちぎろうと力を振り絞る。龍は「グァアアアアアア!!!!」と再び叫ぶと尻尾で零と鈴都をなぎ払った。拘束され動けない2人に容赦ない攻撃が襲う。2人は拘束を解かれ、別々の方向へ飛ばされ、見えない星屑の壁にぶつかると湖の中へと仰向けで身を預けた。先に攻撃された2人も拘束は解かれている。


「レイ!リン!」


マヤが悲鳴にも似た声を上げる。とそれに龍が気づいた。先ほどは勇敢だったマヤだが次々に仲間が倒れ、恐怖が増していた。仲間が倒れたら誰だって怖い。

龍は金色の瞳にマヤを移すと動けないことをいいことにマヤに向かって炎を吐いた。


「マヤ!!」


翼の拘束を引き千切ったサツキがマヤの前に彼を背にして立ちはだかる。全身ボロボロになったサツキにはただ仲間マヤを守る力しか残っていなかった。そんな状態で炎をまともに受けたサツキはマヤにもたれるようにして倒れた。


「サツキ!!」

「…え…え…?」


マヤは信じられないと言った様子で拘束されたままサツキを支えていたが龍の尻尾に零や鈴都のようにやられ、壁に激突し、湖に身を預けた。

次に龍はまだ拘束を解けていないヴァークに目をつけた。


「っ!」

「ヴァーク!…“かまいたち”!」


ブオン!と“かまいたち”が龍を攻撃。硬い鱗に覆われた皮膚にはかすり傷一つつかない。龍は標的を勇馬に変えると「グァアアア!!」と短く雄叫びをあげた。するとそれに答えるように勇馬を拘束していた腕が勇馬を締め付けた。


「ガァァァアア!!!!」

「ユウマ!」


ガクン…と勇馬は痛みで気を失った。失ったのを感じてか腕は拘束を解き、勇馬を仰向けにして湖に投げ捨てた。

最後の一人となったヴァーク。唇を噛みしめる。龍は目を細めてヴァークを嘲笑うと両の手で動けないヴァークを踏み潰した。龍の手が上がると哀や春とヴァークは同じように仰向けに倒れていた。拘束していた腕に抵抗したため、サツキと同じくボロボロだった。


「グァアアアアアアアアアアアア!!!」


龍は勝利の雄叫びを上げる。ティウムはそれを見、嬉しそうにニヤリと口角を上げた。


『これで…これで…我の勝利だ!!』


両腕を広げて叫ぶティウム。

湖が敗北者の血によって染まっていく。見えないところからも血が皆から流れ出る。

ティウムは愛おしそうによくやったと龍の頭を撫でてやると龍は光栄ですと言わんばかりにティウムに向かってこうべを垂れた。


『フフフフ……アハハハハハハ!!!さあ、邪魔者はいなくなった!さあ、破滅へのカウントダウンを始めようではないか!!』


龍が同意するように雄叫びを上げる。ティウムの目の前に大きな、紫色をした時計が現れる。その針を短針、長針ともに12に左手をかざして動かし、合わせる。

ニヤリと嗤う。【狂い咲きの闇黒】が、『神』のオリジンが、ティウムが、世界を造り変えようと世界を滅ぼしにかかる。

12に2つの長さが違う針がカチッと合わさる。


「………自惚れてんじゃねぇぞ」

もう少しで終幕です。

次回は今日か明日です!続けて投稿します。

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