第43戦:星屑の地獄
すいません!!木曜の予定だったのに金曜になって申し訳ありません!本当にすいませんでした!
次回は土曜か日曜のどちらかを予定しています。
本当にすいませんでした。
ーダンッ!ー
「うっ」
「サツキ!」
ヴァークが倒れたサツキに駆け寄る。彼を助け起こしながら目の前の敵を睨む。
2人がいるのは天井は星屑、床は地獄のような炎が燃え盛るおかしな空間だ。2人は変な空間に何個も浮かんでいるキューブに立っている。キューブの大きさは5、6畳ほどの部屋の大きさだ。
そして2人が戦っているのは『神』のオリジン、ティウム。
ティウムは左が銀、右が赤のショートヘアーで左のこめかみを三つ編みに結んでいる。 瞳の色は見る者によってその色を変えているようでリオンとレオンの瞳と同じだった。服はグレーのフード付きコートに靴はブーツだ。
そして今、ティウムが立っているのはキューブがない空中。さすが『神』、と言ったところか。
他の皆が罪と戦っている間、2人は愛憎に頼んでティウムと戦っていた。少しでも後から来た皆の負担を軽減出来るように、と。
愛憎とティウムの姿はよく似ている。だからか、愛憎はすぐにティウムを見つけられた。なぜ2人がこんなに似ているのかは不明だ。
『おい!!!こんの野郎!!』
『落ち着くのじゃドイル』
持ち主のサツキを傷つけられ怒る“死神”とそれをなだめる“破壊神”。サツキはヴァークの手を借りて立ち上がるとレイピアを握りしめる。
2人とも“覚醒”している。ヴァークはサツキととてもよく似ている格好だ。
薄い赤と白を基調とされたコートを着ている。そのコートには右胸の所に十字架が描かれている。中には白の左腕部分がないTシャツを着ており、コートに合わせた長ズボン、そして少しヒールの高いブーツを履いている。ちなみにブーツの大半部分はズボンに隠れている。
そして、彼がしていたヘアピンはなくなり、右耳のみイヤリングとしてつけれられていた。髪型はそのままだ。
もう一つ言うとヴァークは左が白、右が赤のオッドアイになっており、サツキも左が緑、右が赤に変化している。“破壊神”と“死神”を手にしたからか、それとも本来の“覚醒”の姿なのかもしれない。
『貴様らでは我は倒せん。無駄じゃ』
「倒せるかもしれねぇよ?それに」
「倒せなくてもいいんだ」
バッと2人はキューブからキューブへと飛び移りながらティウムに近づく。大きくヴァークがティウムに向かって跳躍した。短剣をティウムに向けるとティウムはそれを右腕で防ぐ。ティウムの右腕に深く短剣が突き刺さる。血など微塵も吹き出ない。刃が刺さっているだけだ。
『我の体は“特注品”、そう簡単には血も出ん』
「“特注品”とか…反則だろ?!」
バッとティウムが右腕を振るとヴァークが弾き飛ばされる。深々と刺さっていた短剣もろとも近くのキューブに叩きつけられた。その反対側のキューブからサツキがレイピアを突き刺して来た。
『ふん。理解しない奴じゃ』
「?!」
途端にティウムが突き出した左手から黒い桜の花びらがサツキに向かって舞いだした。それらはサツキにまとわりつくとキューブに強制的に引き戻し、キューブに強く叩きつけた。ともに傷ついた2人は最初にいたキューブ(ティウムの正面にあるキューブ)に移動した。
『倒せなくてもよいのなら、ここで貴様らが死ねばよいことだな?』
ティウムが嗤いながら言う。ヴァークとサツキは所々傷ついているが傷ついていないティウムより断然に不利だ。
『シャアねぇ…じじい』
『分かっておるよ』
ヴァークの持つ短剣とサツキの持つレイピアは2人の手を抜け出し、ヴァークの左肩、サツキの右肩に刺さった。
「いっ?!」
「オイオーバー?!何して?!」
2人が驚き、痛む。肩に刺さった彼らを抜こうとするが場所が場所なため抜くに抜けない。そんな彼らを見てティウムは嘲笑う。
『“破壊神”と“死神”に見捨てられたか。無様で哀れよのぉ』
ドクドクと流れ出る真っ赤な血は2人の衣装を赤く染めていく。ティウムは空中を滑るように移動すると2人がいるキューブに近づく。
「何考えてんだ?!抜けねぇ!!」
「ドイル?!っくそ!」
ティウムが腕を振り上げると2人の頭上に大きな大きな隕石が現れた。赤く燃え上がる隕石がティウムが腕を振り下げたのを合図に2人に落ちてくる。2人は慌てて武器に宿っている『神』に怒鳴りながら別のキューブへと移動し始める。肩に刺さった武器が痛々しい。そして、隕石が2人を下敷きに押し潰した。
ードガァアアアアアンンンッッ!!!ー
赤い炎と地響きをお供にキューブが星屑の空間へと消え去る。ティウムは2人も消えたと思い込み、ニヤリと口元を歪めて嗤った。が、何かの違和感にティウムは眉を潜めた。
なんだ、この違和感は?ここには我しかいなくなったはずなのに……なぜ?
「…ったく、驚かられるぜ」
「まったくだな」
『?!』
その声に振り返れば、ティウムの後ろに浮かんでいるキューブに2人がいた。刺された肩にはティウムにとって見覚えのある物があった。
『!!チッ、そういうことか!!』
ティウムが舌打ちする。
ヴァークの左肩には白い翼が、サツキの右肩には黒い翼が生えていた。2人とも片翼だけだ。そして2人の手中には『神』が握られていた。
『やはり忘れておったようじゃ』
『こいつらの正体をなぁ、ケケケ』
オーバーとドイルが言う。
覚えているだろうか?ヴァークは「天使」でサツキは「悪魔」であることを。
『“自身に危険が及んだ時、及び天界にいる時は翼の使用を許可する。”…ここでそれを使うとは…』
「こいつらのおかげだな。さて、もう一戦、殺ろうぜ?」
ティウムが悔しそうに唇を噛み締める。ヴァークが短剣を手元で弄びながらニヤッと嗤う。
「先に俺達に仕掛けたのはそっちだしな」
ニヤッとサツキも嗤う。ティウムの背筋に悪寒が走る。
なんで…なんでこんな下っ端の奴らに恐怖する?!
「それは、お前が朽ち過ぎたからだ」
『?!』
誰かの声が耳元でした。驚きながら慌てながら顔だけで振り返るもそこには誰もいない星屑と地獄が広がっているだけ。
【狂い咲きの闇黒】が、言う。コロセ…と。
もう、どうなったっていい。世界が滅びるのなら手段は選ばない。
例え、『神』全てを、世界全てを敵に回したとしても!!!
『ほざけ。今すぐ死なせてやる!!』
ティウムが叫び、両腕を振り上げ、すぐさま振り下ろす。とティウムの背後から幾つもの閃光が2人に向かって放たれた。2人は片翼のみの翼を広げ、星屑の中に飛び立った。片翼だけなのにひらりひらりと踊るように閃光をかわしていく2人。2人の背には見えないもう一つの翼があるように感じられた。
「「諦めるかぁあああ!!!!」」
大きな、凄まじい閃光が2人を襲う。それを武器で弾くとティウムに向かって一直線に突き進み、武器を振った。
『ーーーーーー?!……本当に…哀れだ』




