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第21話 『僕』を卒業しました。

カヤエ育成イベントは製作スタッフの間の軽いノリで作られた。

このイベントを製作していた頃、育成ゲームが非常に流行っていて、『植物を育成して、世界最大の食虫植物にしよう!』とか、『モグラを育成してオランダまでいこう!』とか。

とても個性豊かな育成ゲームが流行っていた。

そこで、カヤエの大ファンであるスタッフが『カヤエを育成してみたいな』とか言い出して、終いには『この流行に便乗する他ない!』とかで、結局このイベントが作られてしまった。

俺はもっと尻尾のあるキャラクターを増やす案を出したんだが、却下された。

まぁ、それは置いておいて。

カヤエ育成イベントの最大の目的は簡単に言えばカヤエを強くすること。

ただそれだけなのだが、

『ただでさえ最強なのにどうやって強くするの?』とか、『弱い女の子の方が…』とか色々アイデアが出た結果、

『秘伝の巻物を作ろう』となった。

秘伝の巻物とは、ヨウシ一家に代々続く巻物で、親が死ぬ度に、子に引き継がれる巻物のことで、そこにはヨウシの血筋を受け継ぐ者にしか習得できない技が書かれている。

その巻物をカヤエに渡すことで、『カヤエを強くしよう!』ということ。

実質、プレイヤーはなんの特訓もしない。

ならば、その巻物は何処にあるのか。

それは、ヨウシ家の豪邸の、しかもそれに隠された部屋の中にあるのだ。

ちなみに親が死ぬまで子に伝わらないのでこのゲーム上、カヤエの父が死ぬはずがないわけで、必ずといっていいくらいカヤエに巻物は伝わらない。

だからその巻物を奪いに行くのだ。

まぁイベントの説明はさておいて、

「しっかし、カヤエの家は大きいなぁ」

俺達は早速、カヤエの豪邸へと訪問していた。

すると大きな扉が空き、そこからカヤエ家のメイドが出てくる。

「姫様でしたか、お久しぶりです。ところでこの方々は?」

このメイドはただのメイドではない…なぜなら、

尻尾がついてるから!!

何故か知らないが、ヨウシ家に仕える女性、又はその他のカヤエを含める女性には必ず尻尾がついている。

「アヤメさんとヨシハルさんです。この方々は私と共に旅をしています。ああ、紹介しておきます、この方はメリッサです」

メリッサっていうんだ。知らなかった。

「よろしく」

とりあえず挨拶はしておく。

俺に釣られてカヤエも一緒に挨拶をする。

「……よろしく」

「よろしくお願いします。では、早速こちらへ」

俺達はメイドであるメリッサに案内され、玄関に入った。

それにしてもカヤエ家は広い。

玄関から続く一本の廊下に左右両方に一定感覚で部屋がついていて、その先に下と上に続く階段がある。

やがてメリッサによる案内は終わる。

「こちらの部屋でお待ちください」

俺達は案内された部屋に入る。

部屋の大きさは大体、12畳くらいか。

真ん中に机と椅子が並べられている。 俺はその椅子に座ると二人も椅子に座る。

「…なぜ、私の家を訪ねたのですか?」

カヤエが不思議そうに聞いて来る。

「カヤエを鍛えるためだけど?」

「…何も、鍛える手段は無いと思いますが。父は只今外出しているようですし」

このイベント発生時にはカヤエの父、ミクニは外出しているのだ。

というか、外出していなければ秘伝の巻物を盗み出すことなんて不可能なんだけどな。

「カヤエは知らないのか?」

まさか秘伝の巻物のことを知らない訳が…

「何がです?」

「秘伝の巻物のことだよ」

「…!!貴方、何処でそのことを!!」

カヤエは椅子を後ろに倒し立ち上がる。やっぱ知っていたのか。

「とりあえず落ち着けって」

「……そうですね…では、改めて、なぜ秘伝の巻物のことをご存知なのですか?」

「それはな」

俺が言おうとしたのに、先にアヤメがこたえた。

「……へんたい、だもの」

…部屋が静まり返る。

「いや、今は変態とか関係ないだろ?」

「……かんけー、ある。へんたい、なんでもしってる」

…何でも知ってるって、それただのストーカーじゃないか!

俺は断じてストーカー何かじゃないぞ!

「なるほど、だから知って…はぁん!」

偶々その時に尻尾が出てたので、つい手が出てしまった。

「ちょっ、やめ…ひぁ!」

俺がカヤエの尻尾で遊んでいると、メイドのメリッサが戻ってきた。

「カヤエ様、お待たせしま……」

「め、メリッサ!助けてくだ…ひゃあい!」

「すみません。お邪魔だったようです。一度失礼します」

メリッサはカヤエの助けてを無視して部屋の扉を閉める。

「メリッサぁぁあ!ひゃあう!」

カヤエ、気絶。

アヤメは気絶したカヤエの所により、カヤエの尻尾を触り、一言。

「……これ、きもちいい」

今日、新たにカヤエの尻尾を好きな奴が増えた。

アヤメのおかげで、説明しなくて済んだかな…?

カヤエが気絶してから少し経ち、メリッサが再び部屋に来た。

「そろそろ宜しいでしょうか?…大丈夫みたいですね」

メリッサはカヤエを見て、そう言った。

そして俺達はメリッサに案内されてベッドのある部屋についた。

カヤエはメリッサの背中で気絶している。

「今日はここで寝泊まりできるようにしましたので、よろしければどうぞ」

気絶しているカヤエを背中からおろしながらメリッサはそう言った。

俺はそれよりも、バランスを取るためにさっきからフリフリしているメリッサの尻尾が気になる…

俺は生唾を飲み込む。

しかし、俺よりも先に手を出した者がいた。

「何を…んん!?」

「……これも、いい」

それはアヤメだった。

アヤメはメリッサの尻尾を手を巧みに使いフサフサと触る。

俺が先なのに…

「ダメ…」

メリッサはガクッとベッドに倒れる。

「だろう?尻尾を見ると触りたくなってきただろ?」

「……うん。しっぽ、いい」

……なんか、この世界に来て一番の理解者に出会った気がする。

やがてカヤエが起きる。

カヤエは起きた瞬間に素早く尻尾を服の中に隠し、自分がおかれている状況を把握したあと、

「…メリッサ、貴方もですか」

メリッサに目を向けて一言、そうはなった。

カヤエがキッと鋭い目をして俺を睨む。

「こ、これは俺じゃないからな!?アヤメだから!」

そう言うと、カヤエはアヤメの方を見る。アヤメはメリッサが気絶しているのにも関わらずにまだ尻尾を触っている。

「アヤメさん。もうやめましょう。これ以上触るとヨシハルさんと同じ変態になりますよ」

「……っ!」

アヤメは何かに気付いたみたいに直様尻尾を手から離す。

「とりあえず、二人とも聞いてくれ」

俺が真剣な声でそう言うと二人とも俺の目を見る。

見たのを確認して、俺は話を続ける。

「俺達は今から、この豪邸に隠された一つの部屋の中にある秘伝の巻物を手に入れに行く」

「ッ!!秘伝の巻物をですか?」

「そうだ」

俺が力強く返事をすると、カヤエは少し言葉を溜め込み、そして言う。

「…しかし、そんなことが出来るのですか?私も今まで探したことは何度もありましたが…」

「大丈夫だ。そのメリッサがいればな……」




-------------------


「アヤメ、絶対に離すなよ?」

「……うん」

俺達は薄暗い地下に来ていた。

「こんな事して、ただで済むと……ひゃあう!」

今、俺達はメリッサに隠された部屋を案内させてもらってる。

アヤメがメリッサの尻尾を掴み逃げ出さないようにしているから、殆んど強制的ではあるが。

「少し、心が痛みますが、我慢してくださいメリッサ」

心が痛むとか言ってるが、カヤエは絶対にこの状況を楽しんでいる。

だって顔がニヤニヤしてるもん。

あの時、助けてくれなかった復讐か…

本当なら部屋は自力で探さなければならないが、人脈とはフル活用しないといけないだろう。

「……はやく」

アヤメは尻尾を強く握る。

「ひゃあい!…すみません」

なんか、アヤメも楽しんでいる気がするんだけど…

アヤメが定期的に、はやく、はやくって言ってくれているためか、結構部屋に近づいて来た気がする。

「アヤメ、気絶しない程度に頼むぞ」

「……うん」

気絶してもらっちゃうと、そこで留まらないといけなくなる。

やがて、

「こ、こちらです…」

色んな仕掛けを抜け、やっと巻物のある部屋に辿り着いた。

そしてメリッサが部屋の扉を開けると、ど真ん中に巻物が置かれていた。

あれを取ってしまうと、トラップが作動し、網で吊るされてしまう。

なら、メリッサに頼むしかないだろう。

「メリッサ、あれ取ってきてくれないか?」

「は、はい?」

「あれを取ってきてくれ」

「えっ?いや…しかし…」

メリッサは知ってるようだ。あの巻物を取るとトラップが作動するということを。

「なんだ?何か不味い事でもあるのか?」

「…別にそんな訳じゃあ」

「なら、取ってきてくれ」

「……はい…」

メリッサは諦めて巻物を取りに行く。

そしてメリッサが巻物を取った瞬間にトラップが作動し、瞬く間に網がメリッサに掛かって吊るされる。

「危ないところでしたね」

カヤエが吊るされているメリッサから巻物を受け取りながらそう言った。

「…助けてください…」

メリッサがぶらぶらと吊るされているので、俺は紐を切ってあげて開放した。

「ありがとうございます…」

「いやいや。礼には及ばない。こっちが礼を言いたいくらいだ」

こうして、俺達はメリッサを放ったらかして、部屋に戻る。

一息付いて、俺は切り出す。

「さ、帰るか」

「もう、ですか?」

「ああ。だって巻物以外用事はないんだから」

逆にそれ以外に何があるというのか。

俺達はヨウシ家を後にして、家に帰った。

家に帰ると、カヤエはリビングで早速巻物を広げた。

「…これが、秘伝技…」

その巻物には……

「何も書いてないじゃないか?」

確かにその巻物は白紙で何も書いてなかった。

「…貴方はヨウシ一家では無いので文字が見えないのですよ。私にはくっきりと見えますがね」

そうなのか。だから秘伝なんだな。納得。

「ま、頑張れ」

ぽん、と肩を叩く。

「はい」

俺はそれだけ言って、後は眺めることにした。

カヤエはそのあと、手を小刻みに動かしたり、なるほど、とか言ったりしていたので、何となく理解は出来たんだなと思われた。

やがてカヤエはその巻物を片付け、俺の前に来た。

「一度、お手合わせ願います」

今のカヤエの目には殺気しかない。

「少しだけならな。あと、尻尾を出していてくれよ」

「何故です?」

「やる気が出ないから」

尻尾が出てないと、俺に勝ち目は無い。適当な言い訳をつけ、何とか尻尾を出してもらい、俺達は外に出た。

「何時でもいいぞ」

「そうですか。では!」

俺はカヤエの尻尾に注目しながら剣を構える。

しかし、今までの型にハマった動きとは違い、滑らかにそして素早く動き、ソウセイ剣が俺の目の前に来る。

俺は思わずバックシールドを使い、無駄に後ろに下がる。

速い!

速過ぎて尻尾の動きが見えない!

これでは不味いな。

カヤエはこっちに走って来る。

何とか目を凝らし、尻尾の動きを予測し、ソウセイ剣が来るであろう場所に剣をおく。

ガキィィィン!!

見事に剣がぶつかり合う。とはいっても、殆ど偶然であり、勘である。

この調子で何回も剣をぶつけるうちに、弱点が見え始める。

俺はバックシールドを使い、距離を取る。

「なるほどな。確かに動きは速くなり、剣も重くなった」

剣を受け続けているため、手が痺れている。

「ありがとうございます」

「だがな。それには弱点がある。そんなのは剣が無くても俺は勝てる」

俺はそう言って剣を捨てる。

「さぁ来いよ」

「怪我します…よ!」

こっちに走って来る。

そして俺に剣が届く範囲に来たところで、俺はバックシールドを使いカヤエに体当たりした。

するとカヤエは見事に転がる。

「…ッ!何を?」

「何もしてない。ただ、体当たりしただけだ。カヤエ、確かにカヤエは速くなり重い攻撃が出来るようになった。だけどな、隙があり過ぎる。特に前方にな」

俺が指摘すると、カヤエは下を向く。

「前方…ですか」

そのあと、カヤエはイメージトレーニングをしたり、シャドーをしたり…

もう夕方になって、辺りが太陽により赤く照らされているころ…

「ヨシハルさん、お手合わせ願います」

「…ああ」


カヤエと再び手合わせをすることに。

スッ!

カヤエは何も言わずに走って来る。

今度は滑らかなだけでない、キレやスピードもさっきの倍、いや、それ以上になっている。

カヤエが切りかかって来る。

俺は尻尾と剣を持つ手を見ながら剣が来るであろう場所に剣をおく。

しかし……

「なっ!」

俺の剣を、カヤエの剣がすり抜けて…



「私の勝ちです」


俺の身体を切り刻んだ。

いや、切り刻んでいただろう。カヤエは瞬時に手を止め、切るのをやめたのだ。

「…流石だ」

言葉が漏れる。

俺はゲームの中でさえ、あんな滑らかで速く、そして見えない上に剣をすり抜ける?なんて味わったことがなかった。

これが、恐怖…なのか。

心臓がバクバクしている。

「ありがとうございます」

「今の技に対抗する術は俺にはない。カヤエの勝ちだ」

「はい…」

何故か急に声のトーンを下げた。

多分だが、バトルマニアであるカヤエは俺を越したことに少し後悔しているのだろう。

「心配ないぞ。その技には対抗する術がないが、カヤエには対抗する術は山ほどある」

「本当ですか!?」

いきなり目を輝かせる。

これだからバトルマニアは…

「例えば…」

俺はバックシールドでカヤエの後ろに瞬時に回り、尻尾を掴んだ。

「ひゃあ!」

「こうすれば勝てるぞ?」

俺は尻尾を手から離す。

「はぁ…貴方という人は」

やれやれと言わんばかりに首を振る。

「さ、帰ろうか。もう暗くなってきたぞ」

俺達は笑いながら家に帰る。

すると椅子に座る女性が顔を膨らませていた。

「……おそい」

アヤメだった。

「すみません、夕食を作りますので二人とも座っていてください。それと、今日から私が作りますので貴方はやすんでいてください」

という訳で、俺の役目が一つ消えた。

分かる。分かるぞ。こうやってどんどん俺の役目が失われていき、次第に俺の存在が邪魔になるんだろ。わかります、はい。


俺はアヤメの隣りに座る。

「ごめんな、アヤメ。寂しかったか?」

「……べつに」

あ…こいつ拗ねてるぞ。間違いない。

「ごめん。悪かったよ、許してくれ」

また、変態呼ばわりされるのは嫌だ。

先に謝っておく。

「……じゃあ、これでゆるす」

そう言って、顔を俺に近づけ…キスをした。

「ん!?」

アヤメは俺をガッチリ掴んでいて、逃げられなかった。

ガチャーンッ!!

皿が割れる音がしたと思ったら、

「あッ!貴方という人はッ!!」

カヤエはキスしていたのを目撃されてしまった。

アヤメはやっと離れてくれたが、カヤエは走ってカヤエの部屋に駆け込んだ。

「あーあ…」

どう説明すっかな…

「……よしはる?」

「んー、まぁ、大丈夫だから。な、取り敢えず部屋に居てくれ」

「……うん」

俺はアヤメを部屋に戻し、俺はカヤエを説得…というか納得というか…をしに行く。

コンコン

俺はドアを叩き、「入るぞ」と一言して、俺は部屋に入る。

「カヤエ…?」

俺が部屋に入りながらカヤエの名前を呼ぶが、カヤエはベッドに潜っていて返事をしない。

「カヤエ、何か言ってくれよ」

「……何も言うことなんかありません」

あ、完全に怒ってる。

俺はベッドに潜っているカヤエの隣に寄り添うようにして横になる。

そして俺は後ろからカヤエを抱きつく。

「あ、貴方はそうやって、好きでもないのにそんなことをするから…」

「好きなら…良いんだろ?」

「……私は嫌です。貴方が別の女性と…その、ええと…え、えっち…するのは」

いや、別にしてないし…する気もないし。

っていうかそんなの気にしてたのか?

「……悪かった。カヤエがそんなこと考えていたとは知らなかった…」

「なら、私にも、き、き、キスを……」

何なの、一体。

カヤエの性格がだんだんウラに近付いてきたような気が…

まぁ、前にも一度、キスくらいしたことあるからなぁ…

今頃躊躇う必要もないだろう。

「じゃあ、こっち向いて」

カヤエやっと布団から顔を出し、こっちに顔を向ける。

緊張してるのか、顔は真っ赤になっている。

俺は緊張して肩に力が入っているカヤエを抱き寄せてキスをする。

カヤエの背中と頭に手を回す。

「ん…」

小さな声が漏れる。

ガチャッ…

俺達がキスをしていた時に、アヤメが部屋に入ってきた。

やばい!これでは今度はアヤメが……とはならず、

「……なかなおり、できた?」

「ん?あ、ああ」

俺はカヤエと見合わせて返事をする。

顔を赤くしながら俺達は起き上がる。

「あれ?アヤメ、それなんだ?」

アヤメの手には本があったが、アヤメって本読むのか?

「……ん」

アヤメは俺に近づき、それを渡してきた。俺はそれを受け取り、本の表紙を見ると…

『男はこれで落ちる!?言葉と行動』と書かれていた。

何て物を読んでいるんだ。

俺はペラペラとページをめくると、

後ろから

「それで男性が落ちるのですか」

とカヤエが口を挟む。

うっ…確かにこの書いてあることを女性がしてくると弱くなる…

その中には俺との仲直り方法として、キスが紹介されていた。

「…にゃん…ですか」

「つ、使うなよ!?そんな言葉!」

「なぜですか、にゃん?」

ぐっ…

俺の世界で、メイド喫茶とか、萌え萌えうんちゃらとか、あったが、俺は何時も、『あんな姿して恥ずかしくないのかな…』とか、『なんで行く人がいるの』とか疑問を持っていたが、この世界でその言葉を使われると…

な、何とも言えない。

本当、なんも言えねぇ…

いや、俺がヲタクさんな訳ではなくて、多分誰もが思うだろう。

実際にコレを目にしたら

「どうしたにゃ?」

うっ…ぐっ…

「あのな、俺に自制心が無ければ、今頃、襲ってると思う」

俺は我慢しながらそう言った。

本当に自制心というものが無ければ今頃…

「……にゃん?」

「にゃん」

「……にゃん?」

「や、やめろぉぉおおお!」

俺は本を捨て、

にゃんにゃん響く、ある意味不気味な部屋から飛び出し、リビングに向かった。

た、耐えられない。

後から二人もリビングに来る。

「では夕食、作りなおしますね」

カヤエはキッチンに向かう。

アヤメは俺の隣りに座る。

「……わたし、よしはる、すき」

またいきなり何を言い出すかと思えば……

なんか…『わたし、ハム、すきっ!』みたいなの聞いたことがある。

「そうか」

俺はスルーする。

「……やっぱすっきやねん」


……だから、その言葉どこから…

「まさか!」

俺は走って、アヤメの部屋に行く。

「やっぱりな」

アヤメの部屋には沢山の本が置いてあって、『楽しい言葉』や『絶対に言ってはいけない』とか『男とえっちをする方法』とかがあり、最後のやつはちょっとアレなので、少し気になった、『絶対に言ってはいけない』を手に取り、開いた。

あーあ。

勘違いしてるよ、アヤメ。

『絶対に言ってはいけない』に書かれている言葉には

ゴチとか、チソウとか、おやありとか、やっぱすっきやねん、とかがあった。

アヤメの謎の言葉はここからきたのか…

ちそうってご馳走の馳走の事を言ってたんだな。

俺は謎が解けたのでリビングに戻る。 既に料理は並べられていた。

「何をなさってたのですか」

「ああ、ちょっとな、じゃあ早速、いただきます」

「いただきます」

「……いただきます」

平然とした顔で食べ始めるアヤメを見ながら、俺も料理を口に運ぶ。

やっぱりカヤエの料理は美味しい。

「そうだ。アヤメのレベルが気になったんだけど、ギルドカードとか無いと確認出来ないの?」

「はい、通常ではギルドカードなどのカードの類でしか確認することは出来ません。しかし、武器などの強さを測るための鑑定紙を人に使えばレベルが確認出来ると聞いたことがあります」

言い終わると、カヤエは料理を口に運ぶ。

「鑑定紙か…」

俺も料理を口に運ぶ。

鑑定紙はそう簡単に手に入る物ではない。

やっぱりギルドカードを作るか。

「仕方ないな。明日、ギルドカード作りに行くか」

「……?」

アヤメは何を言ってるの?みたいな目で俺を見る。

「そうですね。レベルがわからないと困りますからね」

アヤメの代わりにカヤエが返事をした。

「それに、もしギルドに入ってたら身元がわかるからな」

アヤメが記憶喪失前、ギルドに入ってたらいいのだけどな。

あ、そういえば。

俺はギルドカードを取り出す。

「あっちゃ~…」

「どうしたのですか?」

ランクに、「神殺し」に追加で「流離いの変態」が加わっていた。

ランクは、『発動』しないと効果は発揮されないから、発動しなければいい話なんだけど…

何も言わない俺を無視してカヤエが覗き込む。

「流離いの変態…ですか」

「笑っただろ?」

「い、いえ、ただ…ランクを二つ以上所持する人は中々居ませんので」

んー。言われてみれば、ゲーム中に仲間でランクを二つ所持しているやつはいなかったな。

「それに、ランクを二つ所持した場合は、どちらのランクにレベルが属するのですか?」

「どっちのレベルも共有される。簡単に言うならば、神殺しのランクでレベル1を持った人をAとして、流離いの変態のランクでレベル1を持った人をBとすると、今の俺はAとBが合わさった強さ、と言うことだな」

多分、理解してくれただろう。

「なるほど。つまり、貴方は「流離いの変態神殺し」というわけですね」

…それは合わせなくても良いと思うんだけど。

俺は皿にある最後の一口を戴く。

「ごちそうさま」

「ご馳走様でした」

「……ごっつぁ……」

「待て!カヤエ、それは女性の言う事じゃない。力士が言う事だ」

ごっつぁんです。とか、言わせねーよ!!?

「……うん」

何とか鎮める。

「今日もお風呂は三人で入りますか」

「そうだな」

「……うん」

風呂はかなり広いので三人で入っても苦にならない。

俺達は服を脱ぎ、俺は身体を洗う。

「背中洗いましょうか?」

「お?いいのか?んじゃあ頼む」

俺は身体を洗うスポンジを渡す。

「どうも」

カヤエはスポンジに石鹸をつけ、あわ立てる。

泡立ったところで、俺の背中を洗う。

アヤメは隣りで普通に身体を洗っている。

「カヤエは、俺の事が好きか?」

「い!いきなり、何を言うのですか!?」

スポンジで擦るスピードが速くなる。

「痛い、痛い」

「す、すみません。私は…好きですよ?準備も出来てます」

いや、別に準備とか聞いてないし。

なんの準備だよ、まったく。

「……わたしも」

隣りのアヤメも便乗してくる。

そうか、そんなに友好度…いや、俺に対する気持ちが高いのか…

そうなっちゃうと、俺が元の世界に戻る時に大変というか。

「実は私、毎日同じ夢を見るのです」

「夢?」

「はい。貴方が実は異世界から来ていて、元の世界に戻らないといけない。悲しい別れの夢です。…ふふっ。笑っちゃいますよね?貴方が異世界から来るなんて」

はははっと笑う。

いや、全く笑えない。

何、その夢?良くあるパターンの夢じゃないか。

「はい、冗談はこれくらいにして、今度は私を洗ってください」

といってスポンジを受け取る。

俺は丁寧にその細い背中を擦る。上から下へ、上から下へ…

上から下…へ…

「ひう!」

「あぁ…ごめんごめん。つい」

俺は尻尾から手を離し、スポンジを上に上げる、そして下…へ

「はう!」

「おう…ごめん」

「ひん!…ちょっと、ワザとですよね」

「違うよ?尻尾が目に入ったから」

あくまで尻尾が悪いんです。

神様、私を許してください。

尻尾を触ってしまう私を…

「ひゃう…」

カヤエは四つん這いになりながら声を上げる。

この状況、普通の男なら襲ってるところだが、俺は尻尾の方が良い。

「私は…あう…何時でも準備は出来てます」

「あ、いや、別にそんな気はないんだけど」

反射的に尻尾から手を離す。

「……残念です」

なにが残念なんだよ。

「さ、洗い流すぞ」

シャワーで身体についた泡を洗い流す。

俺はそれが終わると、湯槽に一番のり。

そのあとに続いて俺の右側にカヤエ、そして左側にアヤメが。

「広いんだから何も俺の隣りに来なくてもいいんだけど?」

「……ここがいい」

「はい」

いや、何と言うか…

別に悪くはないのだけどね。いや寧ろ良い。

ただ…

「前から思ってたんだけどさ、カヤエってワザと尻尾をこっちにやってるだろ」

さっきから湯の中でひらひらと漂っている。

「…い、いいえ!?」

まさか、俺に尻尾を触らせてそのまま…みたいなことを考えてるんじゃないのか?

というより…左手が痺れきた。

さっきからアヤメがしがみついて来るから…

「待てよ…?」

「…?どうしたのですか」

俺は一応、ランクは神殺しと流離いの変態…

そのランクを発動していないとはいえ、その持ち主にランクのないレベルの低い者が殴ってきても、痛くないし、痒くもない。

なのにアヤメはしがみつくだけで俺を痺れさせている。

……ということは、結構レベル高いということに…?

「…って、何やってるんだ?」

「…貴方が、全く反応しないものですから」

俺の身体に尻尾を絡ませていた。

「ひぐっ…」

なんか鬱陶しかったので右手でねじ伏せてやった。

「アヤメは気にするなよ」

「……?」

俺は右手で濡れた髪の毛を触る。

「……しっぽ、ほしい」

「な、なんで?」

「……しっぽ、あれば遊んでくれる」

…なんだ?俺とカヤエがアヤメを無視して遊んでるとでも言うのか?

ま、楽しんでるっちゃあ楽しんでるんだがな。

するとカヤエは復活して、一言。

「それでしたら、砂漠の森でウラさんの様にすればいかがでしょうか?貴方も尻尾が増えれば良いんでしょう?」

カヤエが冷たい目で俺を見る。

「いいんじゃないか?」

俺は適当に返事をしておく。

冷たい目から逃れようとアヤメを見る。

「……さばく?」

俺の目を見つめてそう言う。

右からは冷たい目、左からは天使の目。

アヤメはいつも天使でいてくれ…

「そう、砂漠。まぁ、行ったらわかる」

俺は立ち上がり、それに釣られて二人も立ち上がる。

そのまま大浴場を後にした。

大浴場からベッドへ行くのにアヤメのせいで一苦労だった。

俺達は部屋の前でバラバラになり、三人別の部屋で寝ることに。

俺は一人で、久しぶりに夜を過ごした。




次の日の朝、俺は良い匂いに起こされる。

「なんの匂いだ?」

その匂いに釣られてリビングに向かった。その良い匂いの正体は机に並べられた料理だった。

「おはよう御座います」

「…おはよう。朝早くありがとう」

「いえ、貴方の妻ですから当然の事です」

あ、そういえば…願い事で叶えたんだっけ。

言うべきか、言わざるべきか…

実はその願い事、つまり妖精カピタンによる願い事は3日しかもたない。

だから、すでに3日経っているので俺達は夫婦ではなくなっているし、今頃ウラは尻尾が無くなっていることに驚いているだろう。

とりあえず、椅子に座る

「では早速、戴きます」

「いただきます」

「……いただきます」

少し料理を食べてから話を切り出すことにした。

「あのさ、言い忘れてたんだけどさ。砂漠の森で叶えた願い事って、3日しか持たないんだよ」

ガシャーンッ!

カヤエは持っていたフォークを落とす。アヤメは……気にせず食べている。

「なぜ、それを先に言わなかったのですか!?」

「いや、悪かった…本当に」

「それを知ってたら、貴方を女性にしていたのに…」

いや、やっぱり言わなくて良かった…

危うく女にされるところだった…

もう行かないでおこう。

3日しか持たないからアヤメも諦めるだろうし。

「ってゆうかなんで?」

「少しは女性の気持ちを知っていただけるかと」

くっ…遠回しに言いたい事を…

料理を完食すると、俺達はギルドへ向かう。アヤメのギルドカードを作るために。

ギルドに着き、早速訪ねる。

「あのさ、この子って、ギルドに登録してる?」

俺が受付嬢にそう聞くと、笑顔でニッコリと笑い答える。

「登録確認ですね。こちらの紙に血液をいただけますか?」

血液って…

現代の日本人にとって血液と聞くと少し抵抗があるが、アヤメは渡された針で抵抗もなく指に少し刺し、血を紙につける。

「ありがとうございます。少々お待ちください」

はい!と力強く返事をしてしまう。

なんか、笑顔が新鮮って言うか、

最近、アヤメといいカヤエといい、この受付嬢のようにニッコリと笑う人が周りにいない。

周りから冷たい視線が突き刺さるが、関係ない関係ない。

「お待たせしました。残念ですが、その方は登録なさってないようです。よければ登録しますが、いかがなさいますか?」

「じゃ、じゃあお願いします!」

「はい、わかりました。登録はこちらで済ませておきますので、こちらがギルドカードです」

また、はい!と力強く返事をしてギルドカードを受け取り早速確認する。

なんだ…コレ…

「見せてください」

カヤエが後ろから覗き込む。

カヤエも言葉が出ない。


そこに書かれていたのは、

名前……アヤメ

ランク……?世???

レベル……??9??

となっていた。

名前がアヤメのままなのもそうなのだが、ランクやレベルが表示出来ていない。

まさか、バクか?

いや、そんな筈はない。どんなキャラクターにもランクは無くとも、レベルは必ずついている。

どういう事だ。

「何かの不備では?聞いてみましょう」

カヤエが受付嬢に聞こうとする前に俺はカヤエを止める。

もし、これが俺がこの世界に来たことが原因なら…

いや、それはないだろう。

しかし、こんなことは考えられないだろうか?

俺がこの世界に来たのと同じように彼女もこの世界に来てしまった。その時に記憶も失ったと。

システム上、どんなキャラにもレベルがついている。

俺も一応、システム上では主人公とされているようで、最初のイベントから俺を中心にイベントが発生している。

だが、異世界から来たとなればシステム上では設定のされてないキャラが存在するわけで、レベルも設定されていないことになる。

つまり、辻褄が合う。

「やっぱり、砂漠の森に行こう。カヤエ、ソウセイ剣を貸してくれ」

俺が頼むと直ぐにだしてくれた。

俺は瞬間転移スキルを使い、三人まとめて砂漠の森奥地に移動した。

「「またお前たちか。いや?一人違うか…」」

「とりあえず、願い事を三つに増やしてください」

カヤエが即座にそう言う。

カヤエも少しは常識外れを出来るようになった。

「「…本当にその願い事は卑怯というか、狡いというか…まぁ、いいわ。いいだろう。あと三つ、叶えてやる」」

「ならまず、アヤメは何者なのか教えてくれ」

聞きたいことから聞くことにする。

最初からこうしておけば一件落着なんだけどな。

「「…いや、アヤメ以外の何者でもないのだが」」

「は?俺が言いたいのはアヤメの本名とかだよ」

「「その者の本名はアヤメだ。さ、一つ願い事を叶えてやった。あと二つだ」」

は!?どういうことだ?

アヤメの本名はアヤメ?アヤメっていうのは俺が付けた名前だぞ。

「じゃあ、アレだ、どうしてアヤメのギルドカードにレベルが正しく表示されないんだ?」

「「それは、その者が……おっと、口が滑りそうになった。すまないが、それも実は神からストップが…」」

ということは、やはりアヤメは俺と関係しているのか…

他に知りたいことや、願い事は何もない。

「そういえば、俺の周りに女性がたくさんいるのは何故だ?」

これは気になる。

元の世界では全くモテなかった俺がこの世界でどうしてここまでモテるのか。

「「お前が、ハーレム体質の主人公だからだよ。はい、以上。願い事は次で最後だ、最後の願い事を言え」」

ハーレム体質の主人公…

俺がか?

……言われてみれば、確かに。

「では、私が。ヨシハルさんを、猫耳尻尾付きの女性にしてください」

「な!なに言って………」

「「わかった。願い事は全て叶えてやった。これで昼ドラが観れる…ではさらばだ!」」

そのあと、妖精カピタンは親切にも俺達を家へと返してくれた。

だが…

「何してくれたんだ…」

俺の声は女性の透き通った声になっていた。

腕も少し白くなり、細くなった。

頭を触ると…猫耳が…腰に触れると…尻尾が…

カヤエとは違い、尻尾や猫耳を触っても何も感じない。

「女性になりましたね」

こいつ…

俺は走って鏡へと向かう。

鏡には綺麗な女性の姿が。

髪は茶色で艶やかになっていて、俺の好みな……ダメだダメだ。

俺の装備は男専用なため、きつい。

「可愛らしいじゃないですか」

クスと笑いながら後ろから現れる。

「お前な!よくも……ひぐ!?」

「ふふふ…この時を、復讐できる時を待っていました」

カヤエが俺の尻尾を掴んでいる。

何故だ。俺が触った時は何ともなかったのに…!

「やめ……うぐ!」

「どうしました?貴方がここまでになるとは……ふふふ」

だめだ…何も考えられない。

何だ、このなんともいえない気持ちよさは…

「一度、気絶してもらいましょう」

「やめろ!それだけは……あぐ!」




俺はベッドの上で目覚めた。

は!まさか!今までのが夢で…

「んな訳ないか」

女性の声が聞こえたが、俺の声だ。

なんか違和感が。

猫耳もフサフサしていて、尻尾もフサフサしている。

この装備…キツイ。

ん?

俺の目の前にメイド服が置いてあった。あれ?メイド服ってアヤメが着てるんじゃ…

でも、俺は仕方なく、装備を外し、メイド服を着る。

「なんか……恥ずかしいな、オイ」

とりあえず、尻尾を服の中に隠す。

俺は立ち上がって二階の部屋から一階に行くために階段を降りる…が、俺は階段を見事に踏み外し、そのまま転げ落ちた。

「イテテテ…」

「起きましたか」

転げ落ちて床で転がっている俺……いや、私…か?…もう!どっちでもいい!

「カヤエぇぇえ…!」

軽く怒りがこみ上げる。

俺が立ち上がってカヤエの尻尾目掛けて走る…が、カヤエがひょいっと避けると、俺はすっころぶ。

「やはり、貴方も尻尾でバランスが取れなくなっているようですね」

何故だ…カヤエが何時もより大きく、そして強く見える。

「くそ…」

「女性はくそなんて言葉使いませんよ?」

まぁ、いい。3日後に復讐してやる。

それまで我慢だ。

「何を考えてるのですか?先程から猫耳がピクピク動いてますが」

俺の猫耳が無意識に…

慌てて両手で猫耳を隠す。

「ふふふ…そういえば、猫耳も、気持ちよく感じますよね」

ふふふ、とカヤエはゆっくり近づいてくる。

俺は立ち上がれないまま、後ずさりする。

カヤエの手が、俺の猫耳に近づいた時…

「……やめてあげて」

「ひゃう!…アヤメさん?しかし、これは私の願望で…」

救世主が現れた。

「……よしはるちゃん、かわいそう」

ちゃん…って。

カヤエはそのままアヤメに遊ばれてやがて気絶する。

「あ、ありがとう、アヤメ」

アヤメが手を伸ばしてくれたので、俺は有難く掴まり、立ち上がる。

バランスが上手く掴めないが、頑張って歩いていると、

「……よしはるちゃん、しっぽ、みせて」

アヤメがそう言って来た。

嫌だ。

絶対触る気だ。

俺は気絶したフリをして突然倒れる。

すると、アヤメは諦めて部屋に戻っていった。

ふぅー…

「カヤエ、カヤエ…」

俺はカヤエの身体を揺すり、起こす。

「…またやられましたか」

「カヤエは自分で尻尾触ってもそんなことになるのか?」

「…いえ、そうはなりません。他人に触られると…」

そうか、俺と同じというわけか。

「貴方、いつまでもその口調で宜しいのですか?周りから見れば変ですよ」

…確かに俺が女になってしまった今、口調も変えないと。

「わかった。私、頑張る!」

…なんか冷たい目で見てきた。

確かに自分で言って、変態だと感じたんだけどな。

「それより、これからどうなさいますか?まだ昼間ですよ」

「そうだな…」

どうしようか…

今後の予定を決めておこうとしていた時、ピーンポーンと、家のベルが鳴った。

「誰でしょうか?…少し、見て来ます」

カヤエはそう言って、早足で玄関へ向かう。

そして何やら玄関で誰かと話をし、直ぐにもどってきた。

「どうしたんだ?」

「ギルドより緊急招集です。キガの森でフェルトザウルスが大量発生したようです」

フェルトザウルスだと…?

こんなに早くに大量発生が起こったのか!?

こうしちゃいられない。このままでは街に甚大な被害を被ることになってしまう!

「急ぐぞ!アヤメ!緊急だ!」

大声で部屋にいるアヤメを呼ぶ。





ーーーーーフェルトザウルス大量発生!

アヤメ「……つぎも、みて…」



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