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外れ伯爵家の三女、領地で無双する  作者: 森のカフェしっぽっぽ


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第74話 新たな挑戦と基礎化粧品の開発

 マイマリツゥ街で子供たちの屋台運営と日常生活の基盤を整えたアイリスは、次なる挑戦を考えていた。街の安定と屋台の繁盛に加え、子供たちに新しい技術や知識を教えることで、彼らの成長も促せる。


 「そろそろ私も、サブ職業を手に入れる時かもしれない」


 アイリスは呟き、街の教会へと向かう。今回選んだサブ職業は錬金術師。魔法や付与術の知識を応用し、様々なアイテムを創造できる能力だ。教会の高位聖職者が錬金術の基礎から応用までを指導してくれるとのことで、学ぶ価値は十分だった。


 教会の静寂の中で、アイリスは錬金術の理論を学び、調合の基本手順を実習する。材料の扱い方や混合比率、触媒の使い方など、すべてが新鮮で面白い。アイリスは集中力を最大限に高め、短期間で基礎を習得する。


 一方で、屋台の運営も順調に進んでいた。子供たちは増えた人数を考慮して、調理や接客の手順を整理し、自立的に作業を進められるようになっている。アイリスは子供たちの手際の良さに微笑みながらも、新しい商品開発を思案する。


 「屋台だけじゃなく、新しい商品を出せば、もっと利益も出せるし、子供たちにも仕事を教えられるわね」


 アイリスは市場で材料を調達することを決める。ハーブ、オイル、香料、ミネラルパウダーなど、錬金術で基礎化粧品を作るための素材をすべて集める。材料は市場で手に入れられるが、希少なものもあるため、アイテムボックスで数を増やして確保する。時間経過がなく、品質も劣化しないアイテムボックスは、錬金術材料の保管に最適だった。


 材料を揃えた後、アイリスは屋台の奥で調合作業を開始する。鍋やビーカー、乳鉢を用い、丁寧にハーブをすり潰し、オイルや水分と混ぜる。火加減や攪拌の速度も慎重に調整し、クリーム、ローション、香水など基礎化粧品の試作品を次々に完成させる。


 「よし、まずは基本のクリームから……」


 アイリスが作ったクリームは滑らかで、香りも心地よい。次にローション、香水、リップバームと、少しずつレパートリーを増やす。完成した製品を手に取り、味見ならぬ肌触りと香りを確認するアイリスの顔には、満足げな笑みが浮かぶ。


 作り方を子供たちに教える時間もやってくる。アイリスは材料の扱い方、混合手順、保管方法などを一つひとつ説明する。子供たちは目を輝かせ、手先を使って真似をする。中には自分なりの工夫を加える者も現れ、屋台運営だけでなく、錬金術の基礎知識も学び始める。


 「アイリス様、こうやって混ぜるともっと滑らかになります!」


 子供たちの声に、アイリスは微笑む。教える喜びと、学ぶ姿勢を見守る満足感が、胸にじんわりと広がる。


 さらに、アイリスは商業ギルドに特許申請を出すことを決める。基礎化粧品の作り方や調合手順が他者に漏れても、特許によって法的保護がかかるため、安心して販売できる。申請手続きは少し煩雑だったが、ギルドの担当者と連絡を取りつつ、必要な書類を揃える。


 特許申請が受理されると、アイリスは満足そうに頷く。作り方は守られ、子供たちも安全に学べる。屋台での販売に向け、商品棚に基礎化粧品を並べる準備も整った。


 数日後、屋台前には新商品としてクリームやローション、香水、リップバームが並ぶ。子供たちは接客を担当し、購入希望者に使い方や効果を説明する。ガルドやリーナは売上や在庫管理を補助し、アリエルは魔法で香りや色の調整を微調整。レオは付与魔法で品質保持を担当する。


 街の人々は新商品の評判を聞きつけ、屋台を訪れる。肌触りや香りを確かめ、気に入ったものを購入していく。アイリスは子供たちの接客ぶりを見守りつつ、自分の錬金術技術が実用化される喜びを感じる。


 夜、屋台の営業が終わると、子供たちは疲れながらも笑顔で片付けを手伝う。アイリスは建物の奥で、今日作った化粧品の確認と次回の改良案を練る。市場での材料調達、アイテムボックスでの保管、作り方の教育、特許申請――すべてが連動し、屋台運営は一段と効率化され、子供たちの成長も促される仕組みが整った。


 アイリスは深呼吸し、窓から夜空を見上げる。子供たちの笑顔、仲間たちの協力、街の活気――すべてが一つになり、新しい挑戦と発展の連鎖が始まったことを実感するのだった。




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