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黒銀の王女の物語。  作者: 潤ナナ
第一章。
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第13話 真珠達は、美少女を救出する。

レログロ有ります。

苦手な方は、読まないで下さい。

 

◇◇◇


「とーさん、朝早くに出たって言ってたよね。かーさん。」

 ルカの額から汗が流れる。


「帝都からこの時間に成っても、戻られていないだなんて、確かに遅すぎですわ。」

「姫様!」

「「はい」」


「いや、皇女じゃねッスよ?ウチの姫さぁッスよ。」

「申し訳あるません。皇女殿下ではなく私共の姫様に御声を掛けたつもりでした。ってマリエ、言葉遣いっ」

 ポカッとマリエを叩くジーン。平常運転である。


「で、どの様な御判断で行動いたしましょう姫様…アンリエット様。」

「あら名前で呼んでくれるなんて久しい。ちょっと嬉しい。…は置いておこう。。。」

  (ああぁ、カッコいいアンリちゃんの勇姿がまたここに!ワクワク!)

  ブレ無いフェリシエンヌである。


「で、ロイク。『ジェイロック商会』の場所、では無いな。商会は奴隷を搬送する前、一時的に預かる所は在るか?」

「…ハッ!在る。と聞いております。父が知っている。と…」

(うっわあぁー。何?この威厳、カッケー。俺マジ惚れる。てか俺、恋してんだったわー。)


「おそらく、急いだ方が良い。取り急ぎ帝都へ向かう。マリー、この村に馬は在るか?農耕馬では無いぞ?」

「警吏の詰所に、村の詰所に…「案内せよ」」

「は、ははー!」


「アンリちゃん、行ける人多い方が良いと思うのぉ。」


「そうだな。乗れる者は―――――フェリシエンヌは兎も角、ジーンとマリエ以外…居無い、か。では三人付いて来い。ルカ、あないせよっ」

 何故か赤い顔したルカくんだった。


「―――――と、殿下。ご同道御願いしたい。」

「何か俺、勃っちゃった」と呟くロイクくん。

 

 思春期って言うのね。そして、「濡れちゃった」と呟くルシールも大概である。

 警吏詰所で馬を借りようと声を掛けたフェーであったが、訝しがられ取り合ってくれない。

 

 なので、帝国皇女の出番と成る訳だ。「貸しても、一頭だ」一頭は緊急時の連絡用に…。と言い張る警吏ではあったが、「今が緊急時です」と皇女が言う為、二頭の馬を借り受けたのだ。

 ルカの店に戻り、これからの簡単な行動指針を話したアンリエット。


「ロイク『ジェイロック商会』に案内を、……ルシール殿下は証人として御同行を頼む。それとマリー、すまぬが我が家の御者とジュリエットに食事を……」


「アンリエット様、わたくしも何か御役に…」

「ジュリエット申し訳無い。が、ぬしに何が出来よう。待つ事も役目と言う物だ。」

 と言い。アンリエットとジーンは警吏の詰所で借りた馬に乗る。アンリエットは案内のロイクを前に乗せ、ジーンはルシールを同乗させた。

 多分この中で一番乗馬が上手い二人である。


 フェリシエンヌとマリエは、馬車(二頭立て)から馬を外し、その馬に乗る。

 アンリエットは言う。


「フェーの勘、当たって欲しくは無い。が、最悪な事も予想される。急げ!」

 ロイクくんは至福の時を満喫する筈だった。

 アンリエットの腕に抱かれ馬上の人に成ったのだが「うわああああー」速いのだ。アンリエットの体温を感じる余裕が無い程、速いのだ。

 そうして、四頭の馬は南門に至るのである。



◇◇◇


 南門の門兵が、

「黒銀の姫様!ファテノークの領事官殿が、真珠様方を捜しておりましたです。報せますか?」


「ええ、そうしてくれ…。話しは違うが、もし知っているのなら、『犯罪奴隷』の護送日は何時か?」

「毎月20日です。昨日20日が安息日だったんで、今日の予定でしたが、護衛の都合とかで明日に成った、と聞いています」

「ありがとう」と言って南門を抜ける。アンリエット一行。


「ロイクの家は?」

「そこ、左」


 南門の中、門の内側は半円形の広場になっている。その広場の西にロイクの家、店は在る。

 ロイクは店に入り父親に、『ジェイロック商会』の場所を聞く。

 『ジェイロック商会』本店は中央区の東だが、『ジェイロック商会』の『奴隷商』は南地区の西。市壁沿いに在ると言う。


 五分と掛からず、ジェイロック商会の『奴隷商』へと着いたアンリエット達。



 

 アンリエットが出入口の扉を開け、店に入った。


 店の中は以外と広い。奥に番台がありそこに30代の男が一人。手前に五人程、護衛であろうか?どう見てもゴロツキの男達がいた。

 

 そして、床に女性。少女であろうか、が四人共皆、裸のまま転がされているのであった。


「フェー、頼む。ジーン、マリエ、行けっ!」

 

 ジーンとマリエは、左右に飛び出した。走り出したフェリシエンヌが、スゥっと一瞬で消えた。

 ほんの数秒の後、番台の上に乗っているフェリシエンヌが現ていた。

 フェリシエンヌはノォーミクの意匠とファテノーク王家の意匠の入った小刀を番頭の首に触れさせながら問う。


「村から拐った双子の姉妹はぁ、何処ぉ?」

 番頭は見た。間も無く命の灯火が消えるであろう数人の護衛を。

 そして、突然目の前に現れた白い髪の少女に畏怖する。自分も殺される。そう思うと、身体はガタガタと震え、言葉が出ない。


「フェー!殺すな!」

「へ、部屋、だ、だん、旦那様の…。」

「何処だ!」


 指差す番頭の頭を小刀の柄で殴るフェリシエンヌ。

 そのまま走り出そうとするフェリシエンヌだったのだが、番頭の後ろに倒れて居る『ソレ』に気が付いたのだ。

 ソレは、撲殺されたであろう男性であった。


 おそらく、おそらくだが、ルカの父親と思われた。

 騒ぎに気付いたのか十数人の気配が近付く。


「皆、あたしの後ろにっ!」

 と、アンリエットが叫ぶ。

 

 元々後ろにいたルシールとロイクの横にジーンとマリエが並び、フェリシエンヌが走り着いた頃、ゴロツキ然とした男達が部屋に入って来た。

 その刹那、男達が霞んだ?とルシールの目には見えた。

 

 そう思ったが、男達は何処にも居なかった。

 居なくなったのだ。


「皆、ロープを探して!」

「あったよぉ」とフェリシエンヌがロープを片手に叫ぶ。


「姫さぁ、用意は良いゼ?」

 マリエが何処で持ち出したのか大きな木槌を握り言ったのだった。


「皆は部屋の右隅に走って!番台前に6人。ここの左手前に8人よ。正面5人はあたしが。。。ジーン、マリエ、じゃあ、御願い」


 アンリエットは言ってから、何時の間に手にするモップの棒部分を構え、振り回す。

 すると、素っ裸の男達が現れた。剣やナイフの柄を持っていたであろう姿のままで…。


「あ?あれ?」

 男の一人がすっとんきょうな声を上げ自分達が裸である事を自覚…するかしないか考える間も無く、アンリエットの流れる様な棒捌きで、意識を刈り取られるのであった。

 そして、全員ロープで縛られた。

 

 男達の一人が持っていたであろう手斧で、番頭が指差した奥の部屋の鍵を叩き壊すアンリエット。

 アンリエット達の目に映る光景は最悪であった。




 床に転がる肥った男。

 その男は血塗れだった。既に息絶えている様子だ。

 

 ベッドの上には全裸の少女を抱き抱える半裸の少女が居た。

 半裸の少女は、声も無く泣き叫ぶのだった。

 全て、遅かったのである。



 その後、ルカは学園を休んだ。


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