奴隷商人とキャルト人
奴隷商人は戦の混乱に乗じて奴隷を売り捌いているようだ…罪なき人を貴族と名のついたものが慰みものや労役の為に…果たしてこれがまかり通ってよいものなのか…
老人が床に就いてからどれくらい経ったのだろう…老人は町の外れから聞こえる馬の嘶きで目が覚めた…
???「む…こんな真夜中に馬の嘶き…夜行馬車かのぅ…?」
と呟きながら寝間着からローブに着替えて宿の受付に代金を置いて宿を出た…
???「む…先ほどの嘶きはなんじゃな…やはり夜行馬車か…」
???「困りますねぇ…アタシ等の商売を聞かれちゃあ…お爺さん…」
そこにいたのはでっぷりと太った腹ととにかく金と銀の飾り物を着け、口髭を指でいじる男が立っていた…
???「なんだ…ただのお爺さんかと思ったら魔導師でしたか…それなら話は変わります、お爺さん、私の商品の護衛をしてくれませんか?お金でも、商品の一つや二つでもあげますよ。」
???「お前さんが言う商品とは何じゃな…こんな時間に買いに来る奴はおらん…すると…普通の人間が買えない商品…奴隷じゃろ。」
???「ハハハ…流石ですね、最近はキャルト人も
入ったからね…多分貴族達は自分の服を売ってでも買いたがるでしょう…!このキブルー様の商才によってね!!」
キャルト人と言うのは古代の魔術師が人間と猫を
合成した後に生まれた生き物で、魔術師の元から逃げて、子孫を増やし独自の文明を築いている一族である…猫耳がチャーミングなのだ…。
???「…どうやらお主は許しがたい奴の様じゃな…どれちとお灸を据えてやるか、大地に住まう精霊よ、この者にお仕置きを頼む!」
と老人が唱えると土にひび割れがおき、ひび割れから長い蔓があらわれキブルーを縛り上げた…
キブルー「くっ…アタシをこんな目に…許しませんよ!!」
???「ふん、人の命を売り買いするなど人道に反するわい、さぁ、大地に住まう正義の使者よ、奴隷達を解放しておくれ!」
と老人が言うとまたもや長い蔓が奴隷達のいる牢屋を壊し手枷、足枷を壊し、生気を与えた。
キブルー「あぁ…アタシの商品が…」
奴隷達「あ、有り難うございます…お爺さん…なんとお礼を申して良いか…」
???「いや…なになに…無事なら良い…さぁ、この種をあげよう、これは導きの種といってな、
君たちの故郷にたどり着いた時に土に沈み木となる、それまで無事に君たちを守ってくれよう、
さぁ行くがいい…。」
奴隷達「あ、有り難うございます…このご恩は一生忘れません…では!さようなら!!」
と言うと奴隷達は走っていった…。
キブルー「おのれ…よくも…覚えていなさいっ!」
とキブルーは重たい体を馬に任せて夜の帳に
消えていった…。
???「またこれで一つ陰徳をした訳じゃな、さぁて…行くか…。」
と老人が立ち去ったとき一人キャルト人が見つめていた…
老人を陰から見ていたキャルト人、果たして
敵なのか…味方なのか…




