プロローグ
突発的に書きたくなった執着話です。
ダーク、シリアス、コメディ、いろんな要素が入りそうな予感ですが、
優しい目で読んでください。
あの時の言葉がふと思い出された。
そうだ、あの時確かに祖母は言っていた・・・。
『大奥なんて、寵愛を受けるなんて大層嫌な事だよ・・・。本当に好きなら尚更ね』
あれは確か一緒に見ていたテレビドラマの感想を何気なく言った時、ぼそっと漏らされた祖母の言葉。
あの時は確か私はなんて返したか・・・。そう、確か、笑いながら
『何言ってるのお祖母ちゃん、大奥なんて入った事ないでしょー。こんな将軍様の寵を競う場所なんて本当に嫌だわなんかドロドロしてそうだし』
『・・・大奥は無いけどね。似たり寄ったりな場所に居た気がするねぇ』
その声は小さすぎてそしてテレビドラマに見入っていたせいかよく聞こえて居なかった。
だからこそ今悔やまれる、あの時、しっかりと話を聞いて居れば良かったと・・・。
たまに昔話をするようにぽろぽろとこぼしていた言葉は家族誰もが年寄りの戯言といった風に取っていた。
お祖母ちゃんがまた言ってるわ。そう何度も誰かしらが笑いながら聞いていた。
いつも笑みを絶やさず年々小さくなる身体で周りに癒しを与えてくれていた祖母。
その祖母の過去をどうしてあの時真面目に聞かなかったのか。
小さい時に話してくれた物語が突拍子もない話だと思った時から段々いい加減に聞いていた、幼い時はあんなに何度もねだって話してもらっていたと言うのに。
まさか臨終のときに呟かれた最後の言葉の意味がこの時判るなんて。
『シュバルツの巫女・・・そう、呼ばれたら否定しなさい。澪は私に似てるから・・大奥は嫌でしょ?認めちゃだめよ』
もう意識が朦朧としていると言われていたのにその言葉だけはしっかりとした口調で私に言った。意味が判らなかったけど返事を返した私に目配せで頷く祖母に涙を流した記憶は新しい。
そして今、私はまた違った涙を流している・・・・。




