scene3
レイジに案内され船着場へ行く。
数隻の船があった。
「レイジ、あなたの船はどれなの?」
「あ、ああ、あっち…」
ずっと歯切れが悪いわね。
船の話題になると歯切れが悪いわね。
何か問題でもある…まさか!?
そもそも船を持っていない…とか。
「レイジ…まさかとは思うけど船…持ってないのでは…」
「あるよ。ある」
「あるなら…」
さっさと見せなさいよ。
「あるけど…これだぞ」
レイジが指さした先には小さな漁船。
確かにこのサイズだと北の海へ遠泳するにはちょっと小さいかもしれない。
とはいえ、うまく港を経由していけば何とか…。
「少し小さいけどこれぐらいあれば十分です」
私の言葉にレイジが首を振っている。
なに?無理だっていうのかしら?
「違う…」
「違う?何がよ」
「俺の船はそれじゃない」
「それじゃないって、それならどれなのよ」
レイジの指がさす先、小さな漁船のその横。
その横には小さな手漕ぎのボート。
さすがに言葉を失った。
遠洋に行くどころか近海だって危険なレベルの船よ。
こんな船でどこに行こうと?
「レイジ、まさかと思うけどあなたの船って…?」
「その小さな船だ」
がっくりと膝から崩れ落ちた。
北の海へ行くどころかこの船じゃ3人乗るのも不安なぐらいだわ。
「待て!がっかりするなよ。親父からもらった大事な船なんだぞ」
「そ、そうですか…そうですね。それは大事にしないといけませんね…」
そうなんだけど…今はそれじゃない。
お父様にもらったとかそう言う事じゃなくてとにかく外洋に出られる船、それだけなのよ。
ニーナが遠慮がちに声をかけてくる。
「あの…私は遠慮したほうが良いのでしょうか?
出来ればレイオリア様のお近くを離れたくないのですが…」
そうね。
冷静に考えればこの船に乗るなら2人よね。
3人は無理。
でもね…。
「ニーナ、それは大丈夫よ」
「ほ、本当ですか!?」
「ええ、本当です。だってこの船で北の海へ行くなんて自殺行為です」
「じゃ、じゃあ行くのをやめますか?」
「いいえ、行くことは確定ですわ」
「でも、どうやって…」




