国が滅びたという噂
砂漠の国に入り砂漠を進む花春達。
オアシスで一夜を明かし、そのまま首都へ向けて再び進んでいく。
しばらく歩いていると砂漠の国の首都が見えてくる。
そこは想像以上に発展していた大都市だった。
「ここが砂漠の国の首都…想像よりずっと大都会じゃン」
「砂漠の国は一大産業として油を輸出しているらしいな」
「その油で凄い金額の外貨を稼いでいるとかで、国の発展に投資しているそうですわよ」
砂漠の国の首都は想像している以上の大都市だった。
フリージア曰く砂漠の国は油を他国に売っていて、それで凄い金額を稼いでいるという。
「でも油だけじゃなく、宝石やサバンナの毛皮とかもそうだけど、稼いでるンだなぁ」
「それだけ国は発展し、民の生活も楽をさせてやれているんでしょうね」
「とりあえず冒険者クランに行ってみようか」
そのまま砂漠の国の冒険者クランの本部に向かう。
クエストを探そうとしたところで、一部の冒険者達が何やらざわついている。
何かがあったという事のようで、話も聞いてみる事に。
クエスト探しはそれからでいいだろうと。
「あの、何かあったんですか」
「ん、あんた達はさっきこの街に着いた冒険者か」
「ええ、何かありましたの?」
「実は西方諸国の一つの国が滅びたっていう情報が入ってさ」
話を聞く限り西方諸国の一つの国が滅びたという噂が流れてきたという。
ちなみに今いるのは大陸の中西部、さらに西にはこことは違う景色が広がる。
西方諸国は連合国家であり複数の国が一つにまとまっている形態である。
とはいえ連合国家はそれぞれの国が利害目的でまとまっている独立国の集まりではあるが。
「西方諸国の一つの国が滅びたって、本当なの?」
「あくまでも噂で確証はない、でも外国に噂が流れるっていうからには本当だと思う」
「その国家が滅びた理由って戦争とかですの?」
「いや、財政破綻らしい、三年前にその国は王太子が王位を継いでいたんだが」
その国が滅びた理由は財政破綻、王太子が国王になってからどんどん財政が悪化していったとか。
それにより民はどんどん困窮し、国から逃げ出す民もそれなりにいたという。
やはりその王太子が政治の才能もなければ、傀儡として動いていただけに過ぎないのか。
「でもなンで財政破綻?三年で財政破綻ってやばいよね」
「話では三年前に王太子が本来の婚約者との婚約を破棄した事に端を発するらしいな」
「婚約破棄ですの?それは王太子がやったら、普通に家が傾くレベルの行為では」
「それから新しい婚約者を迎え入れたんだが、そこからはまあどんどん財政が悪化してな」
「王位を継いだのもその婚約破棄からまもなくしての事という事でいいか?」
王位を継ぎ、新たな婚約者を迎えてからどんどん財政が悪化したというその国。
つまり財政破綻の理由は婚約破棄をした事が理由と考えていいのか。
そこからは落ちるだけだったという事なのかもしれない。
「でもその話を聞く限り、財政破綻の理由は婚約破棄して追放した元婚約者にあるのでは」
「その元婚約者は追放されたらしいけど、それからの情報は途絶えててさ」
「ふむ、財政破綻の理由は婚約破棄だとしたら、元婚約者は国の金庫番だったのではないか」
「それを追放した結果、財政がめちゃくちゃになって滅びた、って事か」
なんにせよ外国にまで噂が駆け抜けてきたからには国家が滅びたというのは確かなのだろう。
滅亡の理由は財政破綻、王太子が王位を継いだ時から一気に悪化していった。
やはり追放した元婚約者が金庫番だった可能性はある。
「まあ結局は新しい国王が政治についてポンコツだったって事だな」
「政治の話は難しいね、ただ婚約破棄が理由だったとしたら、浅慮でしかなかったのかな」
とりあえずその噂は心に留めておく事に。
改めてクエストを探す事にした。
「さて、クエストは何かないかな」
「ランクアップにはもう少しかかりそうではあるからな、マイペースに行けばいい」
「あれ?なんだろう、国策クエスト?」
「砂漠の南方への道を塞ぐ蛇の討伐、それだけなのに国策クエスト?」
「恐らくは強い魔物なのだろう、国の討伐隊では勝てないとかではないか」
その国策クエストは砂漠の南方への道を塞いでいる蛇の討伐。
それが国策クエストという事は、クエストランクに対して魔物が強いのか。
他のクエストも見てみる事に。
「そういえば砂漠の南方って何があるの?」
「恐らく開拓事業ではないか?ここの南は広大な土地が広がっているからな」
「開拓事業、そこに行くまでに蛇の魔物が道を塞いでいるとかですかね」
「でも今はパスしておいた方がよさそうですね」
今はとりあえずそのクエストはパスしておく事にした。
その上でまた別のクエストを見て回る。
「あ、これなンかよさそう」
「宝石の採掘、報酬は本人が採掘した原石ですか」
「この国は定期的にこういうクエストが出るらしいですわよ」
「つまり冒険者の金策的な感じでしょうか」
「とりあえず受けようかな、受理してもらってくるね」
宝石の採掘クエスト、報酬は本人が採掘した宝石の原石。
宝石が産業の一つでもある砂漠の国らしいクエストだ。
宝石商などがスポンサーとなりこういうクエストを出しているとか。
要するにイチゴ農家のイチゴ狩り的な感じのクエストなのだろう。
クエストを受理してもらいペリスとイーリアと一緒に宝石を掘りに行く事に。
「ここがクエストをやる採掘場か」
「他にも冒険者が結構来てますね」
「説明があるみたいです、聞きましょう」
クエストのスポンサーでもある宝石商。
それに冒険者クランの職員。
この手のクエストは他国でもあり、その国の名産品などを報酬にしているとか。
「よっし、それじゃ掘ってみようか」
「はい、クリエイトスキルの材料としても使えそうなものが掘れるといいですが」
「珍しい宝石ほど出にくいでしょうからね」
そうして掘っているといくつか原石が出てくる。
自分が掘ったものは全て報酬になるものの、そんなたくさん掘れるという事でもない。
「これは…トパーズとオパールですね、価値はそこそこだと思います」
「原石は鍛冶屋とかに持っていけば研磨してもらえるのかな?」
「宝石の研磨は鍛冶屋の装飾品担当に見せれば有料で研磨してもらえますよ」
「なるほど、覚えておこう」
そうしているうちに時間が来る。
この手のクエストは決まった時間の中で掘り放題という事のようだ。
「全部で6つぐらい掘れたね、一つよく分からないのも出たけど」
「この青いのはなんなんでしょう、サファイアとも違う気がしますが」
「知ってる人がいないか聞いてみようか」
そのまま戻って花山達と合流する。
そのついでに宝石を研磨してもらうため鍛冶屋に寄る事にした。
「宝石の研磨だな、全部やっちまっていいかい?」
「うン、あとひとつよく分からない宝石があったンだけど」
「…こいつはユニスフィアじゃねぇか、凄く珍しいもんだぜ」
よく分からない青い宝石はユニスフィアというものらしい。
宝石の中に星空のような模様が見える青い宝石で、珍しいものなのだという。
とりあえずそれも研磨してもらい、宝石をゲットする。
今日は日が落ちてきたのでテントで休む事に。
食事を済ませ今後の予定を決める事にした。
「もう数日はここに滞在する事になるかな」
「そうだな、砂漠の国は遺跡なども多く、観光地としてもいい場所だぞ」
「遺跡とかを見て回るのもいいかもしれませんね」
「ならクエストを消化しつつ観光もしてみようか」
「そうですね、では少し休みを増やしますか」
そうして砂漠の国では観光メインで過ごす事になった。
噂で聞いた西方諸国には砂漠の国を西に向かえば行けるらしい。
とはいえ徒歩だと相当な距離になるので、乗り物を利用した方がいいとのこと。
この世界にも乗り物はあるが、最初は徒歩で行く冒険者が多いようではある。




