海沿いの国へ
湖畔の国の首都を出発し海沿いの国を目指す花春達。
そんな中この世界における奴隷とは何なのかを確認していた。
貴族と平民、そして国によるが王族などの事についても。
この世界には大国もあれば小国もある、国の数はそれだけ多いようだ。
「海沿いの国ってやっぱり魚が美味しかったりするの?」
「そうだな、漁業が盛んで魚は名産品だからな」
「魚、やはり海が近いというのは美味しい魚を食べられる特権がありますからね」
ペリス曰く海に近い国というのは美味しい魚を食べられる特権があるという。
輸送の技術もあるものの、鮮度はやはり海沿いの国で食べる魚は段違いらしい。
「ここが国境だな、冒険者証を見せれば通れるだろう」
「では国境を越えて行くとしますか」
そのまま国境を超え海沿いの国へと入国する。
入国するとすぐに潮の香りが漂ってくる。
海沿いの国とは言うが、内海なので外海に出るには時間がかかるらしい。
外海に行くにはここから北へと向かい、その先にある国で船に乗る必要があるとか。
「潮の香りがいいねぇ、こういうところに来ると泳ぎたくなるよ」
「泳ぎたいなら止めはしませんが、魚の魔物が泳いでいますわよ?」
「少なくとも泳いでたら魚の魔物に噛みつかれますね」
「うン、やめよう、魔物が泳ぐ海で泳ぐほどあたしは馬鹿じゃないし」
「とりあえずここから近いところにある村に向かいませんか」
とりあえず近くにある村へと向かって足を進める。
少し歩いていくと比較的小さな漁村が見えてくる。
そのままその漁村に行き、冒険者クランの支部へと向かう。
「クエストはいろいろあるけど、首都に比べたら少ないのは仕方ないですね」
「うン、何か受ける?」
「そうだな、では各自好きなものを受ければいいだろう」
「はい、首都に向かうのは明日になってからでもいいでしょうし」
とりあえずは各自クエストを受けて依頼人に会いに行く。
ここは海沿いの国という事もあり、島国への船も出ていたりする。
内海に隣接する国ではあるがそこにある島国などもあるという事らしい。
「えっと、クエストは魚の加工のお手伝いだね」
「魚の加工、干物などを作っているようですね」
「すみませーン、依頼で来た人です」
「おう!待ってたぜ!」
「それで魚の加工とは何をするんですか」
「とりあえずそこにある魚を片っ端から開いてくれ」
漁師の人に言われた通りにかごに入っている魚を片っ端から開いていく。
その開いた魚は干して日野にするらしいとのこと。
「出来ました、全部開きましたよ」
「仕事が早いな、本当に全部やったのか」
「うン、これでいいのかな」
「ああ、それじゃ報酬はこいつだ、受け取ってくれ」
「これは魚料理のレシピですか」
報酬で魚料理のレシピももらった花春達。
漁村なので魚が安く買えるという事もあり、今夜は魚料理に決まった。
そんな海沿いの国の漁村は魚がどれも美味しそうに見えてくる。
「それにしても魚がどれも美味しそうだねぇ」
「マスターは魚も捌けたんですね」
「まあこれでも料理は得意だよ、魚を捌くぐらいはちょろいかな」
「しかしどの魚も鮮度がいいですね」
「漁村だと魚は鮮度は保証されてると思うしね」
漁村なので魚の鮮度は言うまでもなくいい。
特に船の上で採れたての魚を食べるのは漁師の特権らしい。
なお魚に関しては他国に輸出していたりもするという。
とはいえ内陸の国に出荷した魚はどうしても鮮度は落ちるという。
「いろんな魚が捕れるンだね、この国って」
「海沿いという事もあって魚の種類は豊富ですからね」
「それに安い、この安さは漁村だからこそのバグって感じがする」
「まあ内陸の国で魚を買うとここの3倍はしますからね」
「本当だよね、漁村の魚の安さがガチすぎる」
サミヨも魚の値段については感じている様子。
内陸の国で魚を買うと漁村の3倍は取られるというのも嘘ではない。
花春も今夜の料理に使う魚を物色しておく事にした。
「ここは内海の国という事もあって、漁場は比較的狭いんですね」
「外海とはまた違った魚が生息していると聞きますからね」
「そういうものなんですか、外海とは生息してる魚も違うというのは興味深いです」
「私も家で魚を食べる事はありましたが、漁村の魚はやっぱり鮮度が違いますね」
「ペリスさんの家は貴族だから魚も普通に食べてたんですね」
ペリスやフリージアの家は魚も食卓に並んでいた。
とはいえ内陸の国において魚は高級な食材になってくる。
そんな内陸の国でも魚を食べられていたのは貴族だからこそなのか。
やはり魚は鮮度が落ちるのがそれだけ早いという事だ。
「クエストで受けた漁の餌作りも意外とあっさり終わりましたしね」
「ペリスさん、魚の餌とか割と抵抗なく作れるんですね」
「私は虫とかそういうのは特に苦手という事もないですから」
「虫とかに抵抗がないのは意外というかなんというか」
「なので漁の餌に使うものなんかも特に抵抗なく触れますね」
ペリスは虫などは特に怖くもなく触れるという。
昔からそうだったので、今もそれは変わっていない様子。
なのでその手のものは特に怖がる事もなく戦えたりもする。
「そういうイーリアさんも虫とか、割と平気っぽいですが」
「まあ故郷の山で暮らしていた時は虫などは普通に近くにいましたからね」
「お互い虫とか怖がらないタイプみたいですね」
ペリスもイーリアも虫などには抵抗がない。
漁の餌で使う材料なんかも特に抵抗なくササッと作っていた。
抵抗がないというのはやはり強いらしい。
「それにしても、この潮の香りは海沿いの国っていう感じがしますね」
「山で暮らしていると草の香りの方が強かったからですよね、これは」
イーリアの故郷は山なので、草の香りがよくしていたという。
特に雨上がりの日は草の匂いがよくしていたらしい。
そこは山育ちのイーリアらしいといえばらしいのか。
「でもこういう穏やかな晴れの日は、海沿いだと風が気持ちいいです」
「イーリアさんは風を読んだり出来るんでしたっけ」
「ええ、出来ますよ、風の流れは空を飛ぶのにも大切ですからね」
海沿いの国というのは晴れの日は穏やかな風が吹くもの。
その一方で嵐が結構な頻度で来るという事も忘れてはいけない。
また船が進むのには風が必要なので、この国の漁師達は風を読める人が多いという。
「海沿いというのは大嵐が来る事も珍しくないと聞きますけど」
「…嵐が近いみたいですね、今の風の流れだと三日後にはそれなりの規模の嵐が来ると思います」
イーリアが読んだ風によって三日後にそれなりの規模の嵐が来るという。
次の村でも街でも向かう時に荒らしにぶつからない事を祈っておく事にした。
ちなみに海沿いの国において嵐とはどうにもならない自然の猛威として認識されている。
なので嵐が近くなってきたら、早々に帆を畳むのも漁師には求められる事なのだと。
そんな三日後の嵐の事は花春達にも話しておく事に。
「三日後に嵐が来る、なら首都に向かうのは少し待つべきなのかな」
「嵐の日は暴風雨になるからな、進めなくもないが、不足の怪我をしたりする可能性はある」
「ならまずは次の街を目指しますか、そこに着いてから嵐をやり過ごせばいいかと」
「次の街へなら嵐が来る前に到着出来ると思いますよ」
「分かった、ならまず明日次の街に行こう、そこで嵐の通過を待つべきだね」
まず明日に次の街へと向かう事は決定した。
そこで嵐の襲来をやり過ごした上で首都へと向かう事にした。
海沿い国というのは内海でも外海でも嵐が来る事があるという。
内陸の国に嵐があまり来ないのは山の存在もまた大きいという。
山は雨雲などを止めてくれるという事のようだ。




