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「ねえ、蜂蜜」と言葉を喋ることのできる天使猫の三日月は言いました。
でも、白ふくろうは『蜂蜜』と自分の本当のお名前で呼ばれても、わざと聞こえないふりをして三日月に返事をしませんでした。
三日月は少し間を置いてから、「白ふくろう」と言いました。
すると白ふくろうは「なに? 三日月」となにもなかったかのように、にっこりと笑ってそう三日月に言いました。
そんなとても満足そうな顔をしている白ふくろうを見て、太っちょな天使猫の三日月はため息をつくような(じと目の)顔をしてじっと白ふくろうを見ました。
「どうして自分で考えた偽物の名前を気に入ってるの?」
「本当のお名前を呼ばれるのは、恥ずかしいんですよ」と顔を真っ赤にしながら、画面の上から両手で顔を隠すようにして、ぶんぶんと顔を横に動かして白ふくろうは言いました。
白ふくろうのかぶっているへんてこなお面は口のところが空いていました。その口元あたりを見るだけでも、『恥ずかしがり屋の』白ふくろうが顔を全部、真っ赤にしていることがわかりました。
白ふくろうは、長くてふわふわの癖っ毛の白い美しい髪をしていて、その顔も体も、全部が真っ白でした。
きている天使の服も真っ白で、背中の大きな怪我をしてる翼も真っ白でした。
そんな風に真っ白な白ふくろうでしたが、翼にはってある大きな絆創膏がカラフルだったり、へんてこなお面が鮮やかな色で顔に見えるように塗られていたり、そのふわふわの癖っ毛の白い髪に、なにやらいろんなへんてこな飾りをつけていたりと、どこか少し変わった格好をしていました。(そんな風に色を塗ったり、へんてこなものを髪につけたりするのがとても楽しくて仕方ないらしいのです)




