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ルディア戦記  作者: 足立葵
第二話「閨門の白い木春菊」
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第十七章 十五日目――奴隷の街で……

 ルディア王国を発って十五日、イースウェア公国に足を踏み入れて早くも十一日が経った。

 捕吏に踏み込まれたあの夜以来、追手もなければ夕闇の城(ダスクフォート)以外の街に手配が回る気配も何もなかった。何事もなく進むことが出来るのは幸い、と胸を撫で下ろして素直に喜べたのは数日だけ。イースウェア公国で過ごした最初の夜に仲間が一網打尽になったことを考えれば一週間も経つと何事もないことが逆に空恐ろしくなってきた。

 そんな居心地の悪さにガタゴトと激しく揺れる馬車の振動が拍車をかける。

 なぜ馬車に乗っているのか?

 もちろん旅を進めていけば財布は萎む一方で辻馬車を雇えるような金銭的余裕は一層無くなっている。この馬車は客を乗せるための駅馬車ではない。商品を運ぶための荷馬車だ。

 安全性では積荷の関係で野盗郎党のリスクはない。しかし、代わりに別のリスクがあるのだが、そのリスクを加味しても城壁が見えつつある次の街に入るためにはこの馬車に乗っていた方が――正確にはこの馬車の主の持つ通行証の恩恵に預かった方が都合がいい、というマリの助言を受けて相乗りさせてもらっている。

 元々客を乗せるための馬車ではないから席などなく乗り心地は最悪。側壁から天蓋まで薄汚い幌で覆われ、車軸が曲がっているのではないかと疑いたくなるほど激しく揺れるとびっきりのボロ馬車――もとい、幌馬車だ。軍の輜重用の荷馬車の方が数段乗り心地がいい。

「おっと……お嬢ちゃん、ちょっとソレを拾ってくれ」

 馬車が大きく揺れた拍子に馬車の主が口元へ運ぼうとしていたスキットルを取り落し、それが揺れる馬車の床をダンスしてエバーの足元まで“偶然”滑った。何気なさを装った馬車の主の頼みにエバーがスキットルを取り上げようと手を伸ばす。

(バカッ!)

 というローズの心の叫びと同時に

 ダンッ

 と、スキットルに指先が触れかけたエバーの手をマリが踏みつけて止めると、そのまま代わりに拾い上げて馬車の主へと放り投げる。

「はい」

「あっ……ああ、すまないね」

 ほんの一瞬。注視していても、そうと思ってみていなければ気づかないほどの刹那、馬車の主は憎々しげな表情を浮かべた。しかし、それも一瞬のこと。マリが放り投げたスキットルをキャッチしたときには元通りの人の好さそうな笑顔を貼り付けていた。

(危なかったわね)

 ローズ同様忠告を忘れたエバーの軽挙に冷や汗を掻きながら眺めていたのだろう、マーガレットが安堵の息を吐きながら囁いた。

(ああ、マリに感謝だな)

 しかし、咄嗟のこととはいえ手を踏みつけられたエバーは感謝などするはずがない。奴隷に関する口論でやり込められて以来エバーはマリに対してやたらと好戦的で、この十日間もちょこちょこと些細なことで突っかかっていた。今も踏まれた手を摩りながら憤まん冷めやらぬ目つきで元の位置に座りなおしたマリをクーシェ越しに睨んでいる。

(ロー姉何とかしてえぇ!)

 と、間に挟まれたクーシェが視線だけで泣きついてくる。

 しかし、今ローズとマーガレットの『新婚夫婦』とエバーたち三人とは偶然同じ商人に相乗りを頼んだ見ず知らずの他人ということになっている。気の毒には思うが安易に仲裁に入るわけにはいかない。

(スマン。しばらく我慢してくれ)

 と、ローズが目を伏せて視線を切ることによって無言で示す。

 仕方なく自力で沈黙した場を打破するためにクーシェは何でもいいから話題を探そうと視線を彷徨わせ、馬車の外でそれを見つけた。

「あっ、アレ何?」

 クーシェの視線の先、リオペルス湖の水面から馬によく似た生き物が岸へと上がってきた。だが、馬ではない。美しい毛並みは日の光を受けて輝く湖面と同じ水色、鬣は水草か水生の藻のようで、何より尻尾が馬のそれではなく、魚の尾びれになっていた。

「ケルピーって妖魔」

 質問したのがクーシェなので最低限の答えは返したが、マリの方も気が立っているらしく普段のように補足説明してくれる気はないらしい。

 が、クーシェもめげずに二球目のボールを投げ、会話の継続を試みる。

「へえーケルピーっていうんだ。ランクは? 馴らせるの?」

 馬型の妖魔は食性が草食で、日の光の下でも活動できるものが比較的多い。故に有効な移動手段となるので馴らせるものは騎として馴らす。普通の馬よりも持久力や瞬発力、あるいはその双方に優れていることが多いからだ。

「……できるよ」

 一息ため息を吐いてから答えた。

「ただケルピーを馴らすのは簡単じゃないの。よく見て、絡まった藻や水草が手綱や鞍のように見えるでしょ?」

「ホントだ。乗っていいよって感じだけど違うの?」

「ああやって疲れた旅人を誘って背に乗った瞬間に水底へと連れ込んで溺死させるの。ケルピーを馴らすには溺死の危険と隣り合わせで背に乗って認められるしかない。もし、ケルピーが主人と認めれば溺死することはないんだって」

 馬は人を見るというが、馬型の妖魔もそれは同じ――というかより一層らしい。ランクで見ればEランクのケルピーだが、気が荒く馴らせるとはいうものの成功例はほとんど聞かない。その難度の分従えることができれば普通の馬よりも格段に速く、その上、水陸はては水中を駆けることさえできるという利便性は人が馴らした前例がある妖魔の中でも最高峰だ。

「へえ」

 説明を終えてしまったマリが再び口を閉ざし、会話が途切れようかけたとき、エバーが良いことを思いついたというふうにクーシェに話しかけた。

「じゃあさ、ケルピーを従えることができたら旅楽になるんじゃない?」

 もちろん最速の妖魔であるユニコーンの脚力とは比べるまでもないだろうが、普通の馬をはるかに超えるケルピーを従えられれば格段に足は速くなる。何よりローズ以外を背に乗せないアルコンティアとは違い人が馴らした例がいくつかあるケルピーならばマーガレットを乗せることも可能かもしれない、とエバーは考えたのだろうが……

「バカじゃないの!?」

 クーシェが何か言う前にエバーの提案はマリが一言の下に斬って捨てた。

「私の話きいてなかったの? そんな誰でも彼でも馴らせるならみんな挙ってケルピー馴らしてるよ。いくつか前例があってもそう易々と馴らせないから貴重で価値があるんでしょ。実際馴らせたのは大半が溺死の心配がない水の民(ウンディーネ)。他の人間はリスクを冒して挑戦してほとんどが溺死したり、水怪妖魚の餌食になってお陀仏。そんな無謀な挑戦するくらいなら一歩でも進んだ方がいいに決まってる」

 普通に手で止めればいいところをいきなり踏みつけたことからも分かる通り、この十日間好戦的ともいえるエバーの態度に晒されたことでマリのエバーに対する態度もかなり硬化してしまっている。睨み合いを再開した二人に挟まれてガックリと肩を落とすクーシェをマーガレットが気の毒そうに見つめる。

「そんなこ」

「静かにしてくれ、キミたち以外にも乗っているんだ」

 さらに何か言い返そうとしたエバーの言葉をローズが遮って注意すると、「すいません」とエバーが小さく謝り、膝を抱えて黙り込んだ。

 ようやく馬車の中が静かになったところで街の門が目前に迫ってきた。

 イースウェア公国北方最大の都市奴隷市場(サーヴァケット)。各地の隷園(スカラヴィリキ)で生産された奴隷が必ず一度は運ばれることになる街。

 今ローズたちが乗せてもらっている馬車は出荷に行くところ。馬車の中には『商品』である十から十五歳の男女が十名。ボロ布を纏い、首には黒錆色の首枷隷属の首輪スカラヴィア・デスモスを嵌められた痛々しい姿で座っている。

 見ているだけで胸焼けする光景だが、それを我慢した甲斐あって街に入る際に不愉快な検閲を受けることはなかった。

 街に入ってすぐ礼を言って馬車を降りたが、そのときも奴隷商人は笑顔の仮面を崩すことはなかったが、その目は笑っていなかった。

「奴隷取引の街っていうくらいだからもっと陰気な街かと思ったけど結構賑やかで活気があるのね」

 マーガレットの感想通り、一行が馬車を降りた街の東地区は普通の街と大差ない。主産業である奴隷市場は街の中心部に集まっているのでこの辺りは一見すると普通の商業都市と変わらない。衣類織物、食料品、妖魔の骨や皮などの素材、武具防具、宝飾品、貴金などあらゆる種類の店が入り乱れている。違いと言えばそこにルディア王国では見ることのなくなった魔法器具や魔法薬などを扱う商店が軒を連ねていることと、

「たしかに賑やかだが……なんだか雑然としているな」

 これほどの規模の街ともなれば通りごとに同じような商品を扱う店は同じ通りに集められて統制されることが多い。特に取引に国の目が光る塩や金属類などはギルドと役所が協力して同じ通りに集約させる。監視がしやすく、店の方も同業者が並んでいた方が客の目に止まりやすいからだ。しかし、この街は貴金属を扱う店の横に食料品を扱う店が軒を連ねるなど各種商店が入り乱れている。

「この街は成り立ちが特殊だし、統治者のゴールズワージーって魔法使いもその辺いい加減なの。だから、中央地区が奴隷商と付随する興行って以外はごちゃ混ぜなんだよ」

「成り立ちが特殊?」

 地図で見てこの街が北方五つの領地の接点になっていることは知っていたし、街道の敷かれ方から商業の要になっていることも察していたがそれ以上の知識はローズにはなかった。

「んとね、ざっくり言っちゃうとこの街北方の物流の要でしょ? それで各領主が『この街は自分たちの領地だ』って言い張ってずーっともめてたんだってさ。……まあ、リオペルス湖の領主はそうでもなかったらしいけど。そんな場所だから五百年前の内乱のときに反乱軍の拠点になったの。それをゴールズワージーが鎮圧して、隷属の首輪スカラヴィア・デスモス発明して奴隷商の中心地として再建したんだってさ」

「五百年前? じゃあ今の統治者のゴールズワージーって人は子孫? それとも……」

「本人だよ。もう五百年前から魔導師めざして頑張ってるんだってさ」

 魔女、魔法使い、魔法戦士の上下は一口には言えない。魔法戦士は戦闘力はあるが扱える術が限定的なので使える術の種類造詣の深さでは魔女、魔法使いに劣る。魔法使いの中でも扱う術の系統が違えば当然同じ物差しでは計れない。しかし、魔導師と呼ばれる者は別格。

「奴隷を縛るような魔法器具を発明するような人じゃいくら頑張っても魔導師にはなれないんじゃない」

 いい気味だ、というふうにマーガレットが軽口を叩いた理由は森羅万象を掌握する魔導師は賢者ともいわれるからだ。確かに人の意思踏みにじって支配するような術を一般にまで広めたような人物が賢者になれるとは思えない。

「私も……っていうか奴隷商人以外みんなそう思ってるけどね。本人は諦めきれないでずーっと頑張ってるんだってさ」

 マリに観光案内の真似事をさせながら一行は東地区を抜けて中央地区へと足を踏み入れた。東地区にも宿はあるが、明日のことを考えれば宿は西地区でとった方が効率がいいからだ。

 中央地区も街並みはそれほど変わらない。

 しかし、受ける印象はだいぶ違う。先ほどまでの店でショウウィンドウにあたる商品展示スペースはガラスではなく鉄の格子が入った檻。展示されている商品も鞄や衣類ではなく、馬車で見たのと同じボロ布を纏い、首枷を嵌められた人間。しかも、その多くがマリやエバー、クーシェと同じ年代の少年少女。彼ら彼女らはできるだけ目につかないようにしたいのか、ほとんどは奥で膝を抱えてうずくまっている。

 彼らを見ることも辛いが視線が合うとなお辛いのでできるだけ真っ直ぐ行く手だけを見据えて進む。

 できることならさっさと通り抜けたかったがいたるところで奴隷を品定めする人混みに邪魔されて大通りの流れは悪い。裏道を行けば早いのかもしれないが、普通でも大きな街では裏道に入ることは多少の危険が伴うのにここは奴隷商人の街。その上、表通りはそれほど汚れていないのに時折風に乗って裏道から漂ってくる鼻を突く異臭が裏道という選択肢を消去する。

(まるで手入れの悪い飛竜(ヴィーヴル)厩のような臭いだな)

 肉食の飛竜の厩は少しでも手入れを怠ると凄まじい臭いとなる。しかも、裏道から漂ってくる臭いにはアンモニアや汚物の異臭だけではなく微かな腐臭と血の臭いもある。

「大丈夫か?」

「うん、なんとか」

 実際の戦場を生き抜いているローズも思わず鼻を塞ぎたくなるほどの臭いに加え、凄まじい人口密度のもたらす熱気はそれだけでも酔いそうなほど。マーガレットが気分を悪くするのでは、と案じて声をかけると王女にしてはタフな言葉が返ってきた。

 そうして仕方なしに人混みの大通りを進んでいると、ローズたちの前方を歩いていた十歳くらいの少年がふとよろめいた。少し前から一行の前を歩いていた小柄な少年が多すぎる荷を抱えていたことは明白で危なっかしいとは思っていた。

 よろめいた拍子に彼の荷物からこぼれた落ちたリンゴがコロコロと年の頃十五、六歳の少女の足元に転がった。

「すいません。拾ってください」

 年下の少年に頼まれて少女が愛想よくリンゴを拾い、少年の抱えた荷に乗せた瞬間――

 シュッ

 という音が聞こえた気がした。荷を抱えていた少年が荷を手放し、荷が自由落下を始めるよりも早くその手が鞭のようにしなり、残像しか追えないほどの速度でリンゴを拾った少女の首元を撫でた。

「え?」

「ゴメンね、お姉さん」

 何が起こったのか理解の追いつかない少女に向けてまったく悪びれることなく小柄な少年が満面の笑みでその手に黒錆色の指輪を嵌めながら告げると、ようやく重力の存在を思い出したように宙に放り出された荷が地に落ちた。

 自分の首に指を這わせてようやく事態を理解した少女の唇がわずかに震えたとき、

「うるさいの嫌いだから今から声出すな」

 纏う雰囲気がガラリと変わった。どこにでもいる少年の雰囲気から人を人と思わない奴隷商人の冷酷無情なソレへと。

 虚しく開かれた口からは悲鳴の欠片すら溢れることはなかった。しかし、代わりに

「ベッキーーーーッ!!」

 少女の知人の――一緒に旅をするくらいだからおそらく恋人か、夫婦であろう――青年が彼女の首に嵌められた黒錆色の枷を見とめて事態を把握し、彼女の名を叫んだ。

「お兄さんコレの知り合い? バッカだよねえ~この街じゃどんな些細なことでも人の頼みや命令を聞いちゃいけないって知らなかったの?」

「テンメェェェエエエッ!!」

 嘲弄を隠さずに告げた少年の言葉に青年がキレたが、

「その男を半殺しにしろ」

 愉しむように少年が命じるや否や跳びかかった青年の顔に親しい仲であるはずの少女の拳がさく裂した。そのまま転がった青年に馬乗りになり、涙を流しながらも一声も発することなく殴打し続けた。

「うっ」

 無情な光景にマーガレットが片手で口元を押さえ、もう片方の手でローズを引っ張りその場から離れた。人混みを避け、できるだけその場から距離をとろうと闇雲に移動して辿り着いたのは街の中央に陣取るアンフィテアトルム前の広場だった。

「わかった? アレが『狩り』だよ」

 奴隷の用途は主に労働力だが、それに次ぐ用途として性の捌け口がある。通常は奴隷の中から客のニーズに合いそうなものを選び、場合によっては加工してそれ用として売るのだが、奴隷として生産された奴隷でなく、一般人から奴隷に堕ちた者に対するニーズがあるのだそうだ。そのため、先ほどのように余所者を狩る奴隷商人がいる。

『明日は何か頼まれたり、命令されたりしても無視するか、他の人が代わりにやってあげて! どんな小さなことでも絶対に言われるがままやっちゃダメだよ』

 昨夜、マリはそう警告し、『狩り』とそれを行う奴隷商人の手口について説明してくれた。

隷属の首輪スカラヴィア・デスモスはただ嵌めればいいんじゃないの! まず、何かを命令したり、頼んだりしてくるの。もし、それをすんなり実行しちゃうと、奴隷商人と頼まれて実行した人の間に仮の主従関係ができちゃう。そうしたらあとは首輪を嵌められないように逃げるしかない。けど、大体は物を拾わせるような頼みごとで相手を呼び寄せて逃げる間もなく捕まっちゃう。だから、絶対頼みごとや命令を聞いちゃダメ!!』

(出立前に調べて知識としては『狩り』の存在を知っていたが……)

「私が止めてなきゃアンタもああなってたかもね」

 マリの言葉に実際に罠に嵌まりかけたエバーだけでなく、クーシェも、マーガレットも、そしてローズもブルリと身を震わせる。あの光景を目の当たりにするまでは知識でしかなかった。だから、エバーはマリの警告を忘れてスキットルを拾おうとしてしまった。

 しかし、先ほど少年がリンゴを落としたとき、他人事とはいえ警戒心があったか?

 情けないが、あった、とは言えない。

 もし、アレが自分だったら?

 あの少年は少し前からローズたちの前を歩いていた。もしかしたら最初はローズたちの誰かを狙うつもりでいたのかもしれない。そして、特定の誰かを確実に名指しできる機会を待っている内に別の、より狩り易そうな得物を見つけターゲットを変更しただけ。そう考えると背筋が凍える。

「私……さっき……もしリンゴが転がって来てたのが自分の足元だったら……拾わなかった自信ない」

 マーガレットの呟きに「私も」とクーシェが同意した。

「わた……し…………も……」

 同じく警戒心が欠けていたことを吐露しようとしてあげたローズの顔が凍りつく。

「? どうしたの?」

 まず、一番平常心を保っていたマリが、次いでマーガレットとクーシェが、遅れてエバーがローズの視線を辿ってアンフィテアトルムの入り口付近に立てられた立札を見とめた。

 

『次回の闘技会について

 次の闘技会では先日、夕闇の城(ダスクフォート)に侵入した敵国ルディア王国の兵士の指揮官の処刑が実施されます。対象はルディア王国のきっての騎士の家系ラフレーズ家の令嬢。愚かな教えに屈し、魔法を捨てた劣等国家の騎士がどれほどのものかご覧になりたい方はチケットをお求めください。 闘技会運営局』

 

 マリの顔が強張り、クーシェ、エバーの顔から血の気が引き、マーガレットは許容を超える衝撃にその場でくずおれた。

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