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【番外編】未来へ

 数年後。



「大丈夫ですよー、息を吐いてー……。息を吸って、そうです。今度はゆっくり吐きましょう」


 パニックになった若いオメガがハイネに肩を抱かれながら、ゆっくりと呼吸をする。


「ハイネ、少し、中を見てくるよ」


「うん、ギルバート行ってらっしゃい。あと、あの子もきっと迷惑かけちゃってるから連れて来てくれるかな?」


「……ああ、そうだった。分かった」


 緑に囲まれた土地に建てられたオメガの為の施設は無事に稼働し、多くのオメガを救ってきた。

 中に入ると出入り口に設けられた管理室から少し歳をとった管理者が出てくる。


「様子はどうだ?」


 俺は定期的に施設の中を視察しに来ている。最初は嫌がられることもあったが、管理者が同行することでそういったことはなくなった。

 それに、俺がオメガのための部署で働いていることを誰かが伝えたのだろう。感謝だわ。


「ええ、皆さん安心して過ごされていますよ」


「そうか、不備はないか?」


「この間お願いした人手も、番持ちのオメガの方々に来て下さっているのでだいぶ助かっています。ここを出た方も来てくれているんです。ありがたいです、本当に」


 廊下を進んで行くと、男女で道が別れ、二人一組の部屋で何人かが集まり談笑していた。

 近くにある大きな食堂でも同じような光景が見れた。

 良かった。あの人達にとって安心できる場所になっているのか。


「医師と看護師が常駐してくれているので、何かあった時も、本当に助かっています」


「それは良かった」


「それと、最近作って下さった短期だけ泊まれる場所はヒートになった番持ちのオメガの方々が使われたりしています」


 広々とした廊下は太陽の光が入り、明るい。レオニー隊長がこだわっていた。


「ずっと暗い場所を歩いて来た人達がいるかもしれないから、少しでも明るくしたい」


 俺はいいと思った。ここは夜にふと見上げれば星も綺麗に見える場所だ。悲しい過去を思い出しても上を見上げれば心が安らぐかもしれない。


 ぐるり、と周り出入り口付近に戻ってくると入り口近くの扉から貴族の男性とここに住んでいると思われる男性が出て来た。

 確か、レオニー隊長が出会いもちゃんと作るって言っていた。なんでも好きなことなどを書いて出会いを欲しがっている人と繋げるとか。

 婚活だな。うん。


「もう何人もご結婚されて、ここを出て行っていますよ。確か、あのお二人もそろそろ婚約すると聞いています」


 レオニー隊長、良かったですね。

 あとで伝えておこうと思った。


「パパーー!」


「ゴフッ」


 後ろから突進してきた小さな塊に吹き飛ばされそうになる。

 振り返るとオレンジの瞳でハイネに良く似た我が子がいた。

 ああ、可愛い。ちっちゃいハイネがいるみたいだ。


「ハイル、エリザさんの邪魔はしなかったかー?」


「してないよ!お手伝いしたもん!」


 少し頬を膨らませたハイルの顔は本当にハイネにそっくりだ。


「あー、はいはい、そうでした、そうでした。エリザさん、ありがとうございます」


 ハイネの兄の奥さんとなったエリザさんはこの施設の職員となり、様々な貴族との出会いの橋渡しをしたり等してくれている。

 それに宣言通り、イシュタルグ家は資金面などでもこの施設の手助けをしてくれていた。


「私も楽しかったですよ。ハイル君、またうちの子とも遊んでね」


「うん、またお家遊びに行くー」


 エリザさんと別れ、ハイルを抱きながらハイネの元へ行く。


「ママー!」


 ハイルが俺の腕からバタバタを逃げ出し、ハイネの元へ。

 ハイネは短時間だが、ここで働いている。ハイル自身も手伝いと称して、こうやってたまに一緒に来てはここに住んでいる人達の話し相手になっていた。


「ハイル、ママに強く当たっちゃだめだぞ!」


 ハイルはおっと、と急ブレーキをかけハイネに優しく抱き付く。

 ああ、尊い。可愛い二人がくっつくと倍増するなぁ。


「ハイネ、そろそろ家で落ち着いたらどうだ?」


「ううん、楽しいから、もう少しだけ。できるとこまでやりたいよ」


 逞しくなったな。

 だけど、俺は心配だ。無理しすぎて倒れたらどうする。俺はこうやって視察と称して何度も来てしまっているんだぞ。


「でも、そろそろ本当に」


「大丈夫だって、それに家でゆっくりしてるより体を動かすことも大事だってこの間教えて貰ったんだよ」


 誰にだよぉぉ。医者か!?医者なのか!?

 頼むよ、ゆっくりしてくれよ。

 ハイネは、笑って俺の頬を撫でる。


「本当にキツくなったらちゃんと休むから」


 この世界にも産休を絶対取り入れるべきだ。今度、アグニス陛下にお願いしよう。


「……絶対だからな」


 俺は大きくなったハイネのお腹を優しくさすった。







 



 


 ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

 二人は今後もこのように仲良く過ごして行くと思います。もしかしたら育児の中で過去を思い出して苦しくなってしまうハイネがいるかもしれません。ですが、ギルバートが側にいるので二人で乗り越えると私は思っています。




 新しい作品の話をちょろっとさせて下さい。現在、聖女と騎士の話を書いていますが、ちょっとなろうには出せないと判断してムーンライトノベルズおよび他サイトにて投稿しようと考えています。

 まだ投稿していませんが今後、出していこうと思います!

 成人されてる方は是非、遊びに来て下さい!名前は変えてません。


 それではまた!

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