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ぽっくりぽっくり


私とヨシュアを乗せた馬が歩いている。

結局行先をばらさないかわりにと、ヨシュアの同行を許してしまった。

ヨシュアの後ろに乗せられ、その腰あたりに手を回しているが、出来るだけ触れ合わないように気をつける。

そんな不安定な乗り方なので、ヨシュアはゆっくりと馬を歩かせるのだろう。

なぜ触れ合わないようにしているかというと・・・


ぎゃっ!腕に腰骨があたった!キモイ!!


そう。薄幸の美少年であるヨシュアは痩せている。

私の筋肉評価指数で表現すると「ガリッガリ」レベルだ。

実は普段から心の中ではヨシュアを「ガリ僧」と呼んでいる。

骨自体は太いのか、体を密着させるといたるところに骨が当たって気持ち悪い。よって接触面を極力狭くしたいのだ。


ちなみに伯爵家で馬に乗るのは養父と義兄のアルだけだ。

アルの馬に同乗するときは接しまくり触りまくってる。

腹はもとより胸、はては太ももにまで手を這わせている。

妹分の役得だ!筋肉サイコー!

アルは王族の近衛兵をしていて、若手の出世頭と言われている。

精悍な顔つきと、筋肉隆々としたステキ体系。王都ではモッテモテらしい。

義理とは言え、妹としては鼻が高い。


心の中でアル兄の筋肉賛美をしていたら、肋骨に腕が当たった。


ヒッ!クッソ、ガリ僧、筋肉付けろ!!

金持ちの癖に何食ってたんだ!育ち盛りの16歳だろうが!!


ガリ僧は我が伯爵より身分が高いらしい。

ということで、私も普段からガリ僧には気を使っている(つもり)。


接触は殆ど無いのでばれないだろうと、そっとヨシュアの腰から手を離し、鞍の後ろ部分を持つ。背中の籠が邪魔だ・・・


「危ないから」


ヨシュアはボソッと言って、私の手を取ると自分の腰に回させた。

しかも、グッと引き寄せて背中に密着させられた。


ひーーーーっ、背中が薄いーーー!


心の中で悲鳴を上げるが、ちらっと見上げたヨシュアの眉間に皺を発見し、黙って腰に捉まりなおした。

もぞもぞと動いたせいでご不興を買ったらしい。


帰りは絶対一人で帰る!!



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