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「これ何?」

「イランの実だよ」

「こんなに沢山・・・食べるの?」

「ちがいます!これで髪油を作るんだよ。アンナ様へのプレゼントなの」

「へぇ」

「これを剥いて、煎って油を搾り取るの。少ししか取れないから、沢山の実がいるんだよ」

「へぇ」

「ガ・・・ヨシュアも剥くの手伝って。(仕方ないから)一緒のプレゼントにしよう」

「うん」


手伝ってもらう以上、髪油は二人からのプレゼントにするしかない。

でも私にはケーキがある!!デコ・ケーキでライバルに差をつけるんだ!


ヨシュアの手に実を押し付けると、私はドカッと地面に座り込んで実を剥き始める。結構な量があるから、昼前までには剥き終りたい。

会ったばかりの頃は地面に直に座るなんて習慣の無かったヨシュアだったが、私に付き合う内に庶民の生活態度にも慣れてきたようだ。

静かに腰を下ろすと、実を剥き始めた。


「硬いね」

「うっ・・・」


イランの実は殻が厚かった。

私は実に切れ目を入れようと、ナイフと取り出した。・・・が、すぐにヨシュアに取り上げられた。


「返してよ。これ素手じゃ無理だよ。私が切れ目を入れるから、ヨシュアが剥いてよ」

「僕が切れ目を入れるから、ユキが剥きなよ」


いやいや、剥く方が力が要るし大変なんだよ。

ガリ僧とはいえ、男がすべきでしょー?と思うが、良い子はより苦労の多い方を選択すべきだよね。くっそ。


「・・・わかった」


黙々と作業を続ける。続ける・・・続け・・・。

終わらん!!!昼までなんて到底無理!!


「間に合わないよ・・・・」


3分の1程度しか剥けていない実を前に、泣き言が漏れた。

自分の計画性の無さが情けない。新鮮味も重要だけど、もっと余裕を見て作るべきだった。


「大丈夫だよ」


ヨシュアがそっと頭をなでてくれる。

ライバルだけど、やっぱり良い奴だ。


「これでやってみようか」


そういってヨシュアは腰の剣を抜いた。


「いや、それは無理でしょ」


そんな大物で手のひらサイズの実を剥くのはちょっと・・・


「実を切り株の上に並べて」


ヨシュアは胡乱気に見るだけで動かない私にあっさり見切りをつけて、自分で実を並べる。

剣を軽く振り上げると、切り株に水平にストンと剣を下ろした。

実が弾け飛ぶか潰れるかを予想して両腕で顔を隠してたけど、意外や意外。

並べた実はそのままの場所でパッカリ二つに分かれてた。

力を入れたようには見えなかった。ヨシュアって意外に剣使いが上手い??


「僕が実を切るから、ユキは中身を取り出して」

「う、うん!」


ヨシュアのお陰でなんとか午前中には剥き終りそう!!

いやぁ、男手があってよかったよ!

ガリ僧、ナイス!


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