予知夢
ずっと不思議に思っていたことだった。
ある日は従者の言葉を前にも聞いたことがあった気がする。
ある日は街のお祭りの日泣いている女の子を見てどこかで見た気がすると思った。
でもただ前にも似たことがあっただけだと思った。
だから気にしてこなかった。
あの日、までは。
「っっはぁ....!」
額に汗が滲んでいる。
嫌な夢を見た。母が亡くなる夢だった。
私は不安になり、母の部屋を訪れた。
幸い母はまだ寝ておらず、部屋に来た私に笑顔で抱きしめてくれた。
怖い夢を見たと言った私に、じゃあ今日は一緒に寝ましょうかと笑って私をベッドに寝かせては子守唄を聞かせてくれた。
そんな母の姿を見て安心して眠った。
そして何事もなく月日は進み、私はこの夢を忘れていた。
そんなある日だった。
「リーリア様!!お母様がっっ!!」
そう言って駆け込んできたのは母の従者だった。
急いで駆け込んだ私が目にしたのは信じられない景色だった。
「お...母...様?」
絨毯の上で手で首を押さえた状態で目を開いたまま動かない母の姿に私は足を後ろに引きずった。
....この光景....何処かで....
その瞬間、私は夢で見た光景だと思い出した。
どうして.....。
母は静かに見送られた。
母は皇后ではなく側室だったため、私と従者以外誰も見送ってくれるものなどいなかった。
国王ですら...訪れなかった。
そして私は忘れられた王女となった。
母が亡くなり私は夢の内容を手帳に記した。
私の見る夢は全て現実になった。
それも悪い夢ばかりを見る。
でも私はこれで確信した。私の見る夢は全て現実で起こること。
それを知った私は不眠症になった。
眠るたびに怖い夢を見るかもしれない。怖い夢を見た時に子守唄を歌ってくれた母はもういない。
夢を見たからと言って、それはいつの出来事なのか私は知る術もないため私にはどうすることもできないから夢を見ることが辛かった。
それでも眠りについた、ある日の夢だった。
1人で苦しんでいる男性が見えた。
彼は悶え苦しみ、そして、その姿は変貌した。
彼は狼男になったのだ。
その瞬間ガバッと私は起き上がった。




