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『くっ、殺せ!』の感情エネルギーでオーク軍を無双させるマッドサイエンティスト〜学会を追放された俺、敵地で捕虜の姫騎士を最高級バッテリーにして快適なスローライフ(※帝都は灰になりました)〜【完結確約】  作者: ランダムアクセス
第1章:追放されたマッドサイエンティストとオーク軍の出逢い

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第1話:【学会追放】『くっ、殺せ!』の感情エネルギーは実在する!

「――以上の計算式より、誇り高き女騎士が『くっ、殺せ!』と絶叫した瞬間に放出される感情エネルギーは、理論上、メガトン級の戦略魔導兵器に匹敵すると証明されます!」


 神聖グランベルス帝国魔導アカデミー、第108回年次研究発表会。

 数百人の教授陣や学生たちが集う荘厳な大講堂に、俺――ゼノ・フォルスターの澄み渡る声が響き渡った。


 壇上の巨大な黒板には、俺が三日三晩徹夜で書き殴った数十行に及ぶ魔導熱力学方程式。

 そして中央には、誇らしげに掲げられた研究題目。


『高潔なる騎士道精神の臨界崩壊に伴う屈高波(PCE: Pride-Crushing Emission)の物理的抽出および兵器転換に関する考察』


 シーン……と静まり返る会場。

 俺は白衣の袖をまくり、丸メガネのブリッジを指先で押し上げながら、確信に満ちた笑みを浮かべた。


「諸君、驚くのも無理はない。我々はこれまで、魔力を空気中のマナや魔石からのみ採取してきた。しかし、人間の感情――それも『誇りと屈辱が黄金比でブレンドされた瞬間』にこそ、宇宙で最も高密度な魔導波動が発生するのだ! これさえあれば、我が帝国は無尽蔵のクリーンエネルギーを――」


「えぇい、黙れええぇぇぇいっ!!」


 ドガァン! と最前列の机が叩き割られた。

 立ち上がったのは、アカデミー総長のアルベルト老教授である。その顔は怒りで真っ赤に茹で上がっていた。


「ゼノ特命教授! 貴様、アカデミーの神聖なる壇上で何を口走るかと思えば……! 女騎士の『くっ殺』だと!? 品性下劣にも程があるぞ! このド変態めが!」

「変態とは心外ですね総長。私は至って真面目に魔導力学の話をしています」

「どこが真面目か! 誇り高き我が帝国の聖騎士たちを侮辱する気か! 大体、『くっ、殺せ』などと口走る女騎士が実在するか!」

「実在しますよ。先日も第3騎士団の練習風景を観察してきましたが、模擬戦で負けた新人女騎士が『くっ、私を斬れ!』と叫んだ際、周囲の気温が0.3度上昇したのをこの自作測定器が記録しています」


 俺が胸ポケットから取り出した針式の感情測定器(PCEメーター)を見せると、講堂中の教授たちが一斉にドン引きした。


「貴様……騎士団の訓練所を覗き見していたのか……!?」

「観察です。学術的フィールドワークと呼んでいただきたい」

「言語道断! 我が帝国アカデミーに、貴様のような破廉恥なマッドサイエンティストを置いておくわけにはいかん!」


 アルベルト総長はビシッと演壇の出口を指差した。


「ゼノ・フォルスター! 貴様を特命教授の職から即刻解任し、アカデミーから永久追放とする! さらに帝国からの国外追放処分だ! 二度とその醜悪なツラを我が国の土を踏ませるな!」


 周囲の学生や同僚たちから、冷笑と嘲りの視線が突き刺さる。

「当然だ」「変態教授が消えて清々した」「くっ殺エネルギーなど妄想に決まっている」


 だが、俺は怒るどころか、深くため息をついた。


「やれやれ……頭の固い年寄りばかりだ。理論は完璧なのに、先入観で新エネルギーの可能性を捨てるのか。これだから既得権益層は困る」


 俺は黒板のチョークを置き、研究ノートと測定器を鞄に詰め込むと、講堂の扉へと歩き出した。


「せいぜい後悔するといい。俺の理論の正しさは――これから世界が証明することになる」


 こうして俺は、身一つで帝国を追い出された。

 だが、絶望など微塵もしていない。


「帝国がダメなら、別の場所で実験すればいいだけの話だ。……そうだな、いま最も熱心に『人間と戦っている連中』のところへ行くとしよう」


 俺の足は、帝国と激しい国境紛争を繰り広げている――オーク軍の前線占領地へと向かっていた。


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