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48/48

48.季節商品

北町さんは、立派な?高齢者。ちゃんと予約を取ってから来る。

普通の鍼灸の患者だが、数少ない「布団派」。


 

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。

 幸田仙太郎・・・辻鍼灸治療院の常連。辻の高校の茶道部後輩。

 北町颯太・・・辻鍼灸治療院の常連。


 =====================================


 私の名前は辻友紀乃。

 辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。

 旦那は「腹上死」した。嘘。

 本当は、がんだった。

 膵臓がん、って奴だ。

 私は、鍼灸師で柔道整復師だ。

 お馴染みさんは、これでも多い方だ。


 今日も、「お馴染みさん」の話。

 北町さんは、立派な?高齢者。ちゃんと予約を取ってから来る。

 普通の鍼灸の患者だが、数少ない「布団派」。

 先日、幸田から話があって、電気カーペットを購入した。

 北町さんを含めて、「布団派」は3人だが、あっても悪く無いな、と思ったのだ。

「どうですか?先輩。」と、顔を出した。

「うん。丁度ええわ。」

「学校時代の友人が、百貨店に勤めてるんですわ。今は丁度季節商品の入れ替えドキ。で、処分品やから、ってタダで貰いました。」

 多分、タダは嘘や。割引はしてくれたやろうけど。

「済まんな、幸田。丁度今から来る患者が『布団派』やねん。ベッドは、かえって腰痛いらしいから、布団敷いてる。」

 そうこう言っている内、北町さんが来た。

 事情を話すと、「それはどうもおおきに。助かります。先生の治療に文句言ってませんよ。ぬくいのは助かります。」

 そう言って、衣類を脱いで横になった。

「ああ、天国や。ぬくいぬくい。幸田さん、ありがとうございます。」


 治療を終え、3日後に、本当に天国に行った。

 幸田に言うと、「どこですか、お通夜?」と聞き返した。

 ええ後輩や。


 ―完―



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