45.咳風邪
「久しぶりやが、どうやった?」と、言いながら、矯正の体勢に入る。
「咳風邪で難儀しました。」
「ぜんそくちゃうやろな?」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
辻友紀乃・・・鍼灸師。柔道整復師。高校の茶道部後輩、幸田仙太郎を時々呼び出して『可愛がって』いる。
菅谷保・・・辻鍼灸治療院の常連。
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私の名前は辻友紀乃。
辻は、所謂通り名。そして、旧姓。戸籍上は「大下」。
旦那は「腹上死」した。嘘。
本当は、がんだった。
膵臓がん、って奴だ。
私は、鍼灸師で柔道整復師だ。
お馴染みさんは、これでも多い方だ。
今日も、「お馴染みさん」の話。
菅谷の場合も1ヶ月に1度は「矯正」を行う。
「先生。あけましておめでとうございます。」
「おめでとうございます。」
新年初めてだから、当然の挨拶だ。
人によって、新年の挨拶はいついつ迄などと決めつけている。
要は、本人同士が納得出来ればいいことなのに。
「久しぶりやが、どうやった?」と、言いながら、矯正の体勢に入る。
「咳風邪で難儀しました。」
「ぜんそくちゃうやろな?」
「何でです?鼻水出たりクシャミしたら、ぜんそくちゃうでしょ。」
「ああ、他のお客さんで、年末ぜんそくで難儀した人おるんや。」
「どっちにしろ、しんどいことです。ホンマは先週来る予定してたのに。」
「治ったんか?」「全快です、痛っ!!」
「まあ、風邪は人に移したら早く治るって言うけど、そんなん出来るもんやないしな。あんたは優しいし。何、泣いてるねん。」
「先生は、やっぱり女神です。」
「女神は、カネ取らへんやろな。」
「今年もよろしくお願いします。」
「こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。」
さあ、休憩しようか。あ、イカ買っておくの忘れたな。幸田に買ってこいって言っておこう。しかし、あれだけけしかけてもワコと不倫せえへん。変ってるな。澄子は年増やし、デブやし、子供産める要素ないし、なんで・・・銭か。飲み屋で大分儲けたんやな。そうに違い無い。
あ。電話や。妄想終わり。
―完―




