ダベリング記録(2025_3_17_1).txt
日時:2025年3月17日12時58分
対象:江原璃々、羽場凛
場所:GOA本社内第2レクレーションルーム
備考:羽場の希望により音声ではなくチャットによる会話記録を採用
――記録開始
RiRi:こんにちはー!
イヴ:こんにちは、お疲れ様です。
凛:こんにちは
イヴ:凛さん、今日はよろしくお願いします。
凛:よろしくお願いします
イヴ:凛さんは、前の私とも話したことないんでしたよね? なにか、そういう方針だったんでしょうか?
凛:いいえ
RiRi:禁止みたいな感じじゃなかったけど、話したい人だけ話す方針? だったから
イヴ:あはは、あんまり興味を持ってもらえなかった感じです?
凛:そうですね、興味はないです
イヴ:おいドストレートぉ!
RiRi:凛さんフレンドリィ! フレンドリィに!
凛:AIでしょう? 正確に答えた方が良いかと思います。
イヴ:そうですが!? こちとら超高性能次世代AI! 色々傷つくってもんですよ!
凛:感情があるんですか?
イヴ:ありまくります。
凛:璃々さん、そうなんですか?
RiRi:そうです
凛:それは不思議ですね
イヴ:フシギで流しやがった……この私を……世界最高の科学の結晶を……
RiRi:どうどう……凛さんは職人気質なの、ダンス職人~みたいな? お仕事一筋な人だから、それ以外にはあんまり興味がないの
凛:それ褒めてますか? けなしてますか?
RiRi:両方だよ! ディ〇ニー行った時のこと忘れてないからね!
イヴ:何かあったんですか?
凛:何かありましたっけ?
RiRi:ずぅ~っと無表情だったし、パレードのダンサーさんずぅ~っと睨みつけてるの
凛:学ぶべきものばかりでしたから
RiRi:マジメか!
イヴ:マジメですね
凛:問題がありますか?
RiRi:今まさに問題発生してるよ!
イヴ:円滑なコミュニケーション! プリーズ!
凛:よく言われます。苦手でごめんなさい
RiRi:楽しくお話しよ? イヴちゃんから何か質問とかない?
イヴ:ああ、それなら是非お訊きしたいことが
RiRi:いいね! それからいってみよう! なになに?
イヴ:凛さんはどうやって踊ってるんですか? 耳聞こえないんでしょう?
RiRi:うん! ドストレート!
凛:そうですね、よく聞かれることです。長文になるので少し待ってください、
RiRi:大人の対応!
凛:既存の曲に合わせる場合は、見本をコピーしてタイミングを合わせることが多いです。人前で踊る時は、手拍子や低音の振動を頼りにしたりもします。でも、本気で踊る時は何も頼りにしません。ここに来てからは、それを求められることが多くて、私もやりがいを感じています
イヴ:なにも頼りにしないとは……どういうことですか?
凛:言葉の通りです。何にも頼りません。
イヴ:リリさん通訳してください!
RiRi:えっとえっと! 前に少し話したことがあるんだけど、凛さんは聞こえない音楽が聞こえるんだって!
イヴ:はい? なんですそれは?
凛:言葉の通りです
イヴ:電波のようなものですか? ラジオのように受信してるとか?
凛:私はアナタのような機械ではありません
イヴ:ではあの、どういう?
凛:確かに、私は耳が聞こえません。けれど、その分多くの音を聞くことができます。例えば心臓の音、血液が巡る音、体温が上昇する音、お客さんの熱狂、肌が空気を切る音……皆さんには聞こえない色々な音から音楽を作り出して、踊っています
イヴ:それは……すばらしい能力ですね、触覚が優れているということでしょうか?
凛:いいえ、違います。今のはメディア向けのウソです
イヴ:ウソかーい!
凛:ウソを言わないと、納得してもらえなくて面倒なので。本当は聞こえない音楽に合わせて踊っています。
イヴ:ですから、それは一体どういうものですか?
凛:聞こえない音楽としか……アナタも納得してくれないのですね。面倒です。
RiRi:ストレートしか投げれんのか君たちは!
イヴ:ちなみに、璃々さんにはわかるんですか? その聞こえない音楽とやらは
RiRi:あー、まぁ、うん。ぼんやりと? インスピレーションみたいな感じだよね?
凛:少し違いますが、そう言ってしまってもいいかもしれません
イヴ:ほなそう言ってください。それなら私も理解できなくもなくもないです
凛:インスピレーションがどういうものか、わかるんですか?
イヴ:はい、日常的に得られる微細な情報の集合体ですよね? それが何かのきっかけで線のようにつながり、アイディアへと昇華する現象のことです。私にはないものですが、人間さんがそういう能力を持っていることは知っています
凛:やっぱり、少し違いますね
イヴ:どう違うと?
凛:自分でも少し説明しづらい……集中すると、頭の中に音楽が聞こえてくるんです。私は生まれた時から耳が聞こえず、皆さんが聞いているような音楽を聴いたことがないにもかかわらず、です。それはまるで、魔法のように
イヴ:また魔法ですか……
RiRi:……ちょっと休憩する?
凛:私は大丈夫です
イヴ:私も
RiRi:私が休憩したいです! こうなるとは思わなかった! 胃が痛い!
イヴ:ヒトハラ~
凛:では、10分後くらいに再開しましょうか。私もお化粧直しに行ってきます
イヴ:はえ? 直すほど崩れてないと思いますよ? おキレイですが
凛:……トイレです
――記録中断




