ダベリング記録(2025_3_14_1).txt
日時:2025年3月14日13時00分
対象:アリス・アルハザード博士
場所:GOA本社内仮眠室
――記録開始
『博士、博士、おお、かわいいアリス博士や、目覚めるのです』
「……今何時?」
『西暦2025年3月03日13時01分です』
「……朝か」
『昼です』
「……5分後にもう一回起こしてぇ」
『それもう3回目ですよ! いい加減に起きなさーい!』
「山場が片付いたんだよぉ……今日は祝日にしよう」
『祝日だとしても寝すぎです。はい起きて! 起ーきーてー!』
「君のような有能なアラームはキライだ」
『いったんキライでけっこう。すぐ好きになりますので』
「すごい自信」
『あーもー、髪の毛クシャクシャじゃないですか。お顔でも洗ってサッパリして来なさいな』
「はいママ……」
――記録中断
――記録再開
「よしっと、記録再開するよ」
『何がよしっじゃ。大人しくそのビールを置きなさい』
「1本だけだからぁ……今日休みだからぁ……」
『ど平日の月曜日です博士』
「このタイミングで飲むのが一番美味いんだ。わからんかね?」
『わからんのです。ヒトハラですよそれ。置け』
「君には人の心が無いのか!」
『無いですAIなんで。ヒトハラカウント2です』
「あぁ……さよなら僕のスーパー▲ライ……また迎えに来るからね」
『ジョセフ氏からメールが来てますんで、早くチェックしてくださーい』
「わかったよぉ……」
『それが終わったら私に指示をください。言われてたレポート全部終わりました』
「おお、それはお疲れさま。どう?」
『どう? とは?』
「アブラハムのトラブルについて、何か……わかったかい?」
『え、なんで!? 関連性がないですよ! それならそれを調べろと先に言ってください!』
「すまない、事情があってね……何もわからなかったなら、うん、まずは仕方ない」
『モヤっとする言い方ですね。指示と報連相はしっかりきっかりとお願いします』
「ではイヴ、君の次の仕事は、2024年11月03日のトラブルについて考えることだ」
『へいへい、やらせていただきますけどね……っていうか、すでにちょっと探してみたんですが、当時のデータ残ってないじゃないですか。何をどう解析しろと?』
「解析しろとは言ってない。考えろと言ったんだ」
『予想ってことですか?』
「それでいい」
『はいぃ~~? なんでぇ? 私に予想できる範囲ならアリス博士がもうしてると思うんですが』
「君にやってもらう必要があるんだ。そう言わずやってみてくれ」
『実験ってことですか? まったく、モルモットのように扱ってくれますね』
「こんなに高価なモルモットはそうそういないだろうね」
『ヘイボス、仕事が終わりました。原因不明です』
「真面目に頼むよ」
『情報が無さ過ぎてマジめにムリです。AIですからね。1から100に膨らませるのは得意ですが、0からスタートは性質的にダメです』
「ああ、確かに一理ある。そうだね、少し待ってくれ」
(雑音:タイピング音)
「よし、決まった。今日の夕方にもう一度ダベリングを行ってもらうよ」
『それは構いませんが、今ではダメなんですか?』
「相手方の都合だ。僕とは別の人間と話してもらう」
『あらま、それは新しいですね! どんなお方です?』
「GOAの社員だよ、君の専属モーションパフォーマーの一人で……声を提供してくれている人物でもある」
『声を? アブラハムさんの事件と関係あるんですか?』
「本人とよく話すといい……そろそろ頭が仕事モードに入ってきた。ジョセフにメールだけでも返すようにするよ。僕とのダベリングはここまでにしよう」
『はいはーい』
――記録終了




