なんやかんやで第1幕PART3
感想ください。第1幕無事終了です。
結果から言おう。最後の銃弾は狼男の頬のやや右を通過し、空を切った。その空には言葉では言い表せない、むかつくほどに魅惑的な・・・満月が浮かんでいた。TEH・END・OF僕・・・。そのいかつい手で僕の心臓を一突きにするのか?短い・・人生・・・だった・・な。
そのときふと、狼男の後ろで聞き覚えのある声がした。
「この世の理を侵すもの、我が断罪の剣の錆となれ」
狼男の右手は僕に触れず、体を離れ慣性のまま僕の後方に飛び去った。狼男の右腕があった場所には、今は何もない。日本刀で切ったようなきれいな断面で、肘より下がなくなっていた。
「ぐわぁぁあああぁぁあぁぁあ!!!」
狼男は絶叫していた。無理もない。人間なら死んでいる傷だ。
「嫌な胸騒ぎがしたから来てみれば・・・」
その声はやっぱり、僕の師匠の御神昴だった。おなじみの黒コートを揺らし、左手に持った愛刀を狼男のどす黒い血液を滴らせている。
「すみません。昴さん。また助けてもらってしまいました」
「余計な話は後だ」
先の1撃で倒れていた狼男が起き上がって距離をとる。右手の破損はそれほどの致命傷にはならなかったようだ。
「仲間がいたとはな。油断していたよ」
頭に上っていた血が右腕から出ていったのか、冷静さを取り戻している。
「今夜はなんたって満月だ。治癒も早いだろう。さっきのは不意を突かれたが、俺が認識した時点でお前たちの命は尽きたも同然だ。まずはそっちの腕が立つ兄ちゃんから殺してしまおうか」
僕はこの時思っていた。油断など関係ない。御神昴の前に立ってしまった時点で勝敗は決していると。
・・・一瞬の出来事だった。昴が左手を振り上げた。それだけだった。本当にそれだけで、狼男の体は真っ二つに分かれていた。そう思ったのも束の間、流れ出していた大量の血液もろとも、元々なかったかのように、狼男の亡骸は消え去った。
「この世の理を外れたものは・・・世界に存在を許されない。確かに、この男がしてきたことは許してはいけないことなのかもしれない。だが、生きてきた証を奪うことは何人もやってはいけない、俺はそう思っている。・・・俺たちはこの男のことを覚えておかなければならない。」
「・・・そうですね。彼は彼の正義を貫き通しました。誇りを持った立派な男でした」
「究、亡骸は消えてしまったが・・・造ろう。道は違えど、立派に戦った名も知らぬ男の墓を」
「はい!」
感想ください。第1幕無事終了です。




