泥沼の戦争
「やっと着いたぁ、それにしてもこの国暑いですねぇ、人も多いし」
「それよりも、インド政府が難民を受けいれてくれるっていうんで助かりましたよ」
「熱エネルギーを自分の力に変換できるって羨ましいですね」
「それはどうも」
私はサフィ・N・ブリュンヒルデ、吸血鬼の女だ。目の前に居る川崎大智お坊ちゃんを背負っている水色のショートカットヘアの女性は龍神と神樹【ユグドラシル】の混血である川崎茜さんだ。今私達はインド政府に難民として受け入れてもらっている。住居の代わりにホテルの個室が与えられることになった。建物中には既に戦火を逃れてきた人達で埋め尽くされている。
「一息付けそうですね......」
「いつまでここに居ればいいんでしょう?」
「今の状況だと十年位は帰れないかと......」
「そうですか......どうしました?浮かない顔して?」
「友人や家族の安否が分からないので」
「......」
「とりあえず、郷に入っては郷に従えというじゃありませんか、まずは慣れましょう」
川崎茜さんたくましいなぁ。私も見習わなきゃ......。ホテルの周りは森が有って決められた範囲を開拓していいそうだ。そういえば虎どころか鳥を見かけていない。牛とかは見かけるけど本能的に何かに怯えている様子だった。私が吸血鬼だから、いや、『龍』が居るからだろう。カレーライス(超激辛)にナンか難民の分際でそんな贅沢な食事をと思ったけどお腹がすいたの一階のレストランに向かっていた。ただ飯もあれなので従業員の手伝いをしよう。
「あれ、サフィさん?」
「浅霧睡蓮さん?」
「久しぶり!元気にしてた?」
「えぇ」
「良かったぁ無事で、川崎茜さんは?」
「無事ですよ」
「そう、ところで大塚(旧姓川崎)渚さん見てない?」
「......サフィさんどこに向かおうとしてたの?」
「食事をしに......」
「あの人は食べるのが好きだからなぁ.....」
「何か用事があるんですか?」
「用事......安否確認だよ」
「他のホテルに居る可能性も......」
「とりあえず腹ごしらえしましょ?」
この白銀のショートカットヘアの女性は浅霧睡蓮さん、人造神で旅館を経営していた人だ。彼女の額には汗、が噴出している。この国には温泉の代わりにサウナ(沐浴)があるから整ってきた後だろう。建物の内部はEMP攻撃対策をした冷房が効いているので、熱中症とは無縁だろう。これから先どうなるのかなぁ......。




