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駐車場

第24回新風舎出版賞、3次審査落選作品(笑)

 私はそのゴミ袋をどうする事も出来ず、ゴミ収集所を通り過ぎ、自分の部屋がある2階へ上がろうとした時に、自分の車をふと見た。―そろそろ洗車しようかな――


 駐車場もアパートの敷地内にあって、丁度2階の自分の部屋の下にあり、インターホンのテレビモニターでも確認出来る所にあって、アパートの契約時に同じく一つ駐車場も契約していてそこに停めていたのだが、ある日、いつものように仕事から車で帰宅すると、自分の駐車場の番号の所に車が停められていたので、とりあえず、右隣の誰も契約していない駐車場に一時停める事にした。おそらく、その車の持ち主は、ここの住人の友達かなんかなのだろう。ムカツイたので、フセンに“ここの7番の駐車場に契約しているので、移動して下さい。205号川越”と書いて、運転席のフロントガラスに貼り付けてやった。部屋番号と名前を書いたのは、「謝りに来い」というのと、名前を書かないのはなんか卑怯な感じがして、「ビビってないぞ」という意味の分かりにくいメッセージがあったのだが、内心ちょっとビビっていて、部屋に乗り込んで来たらどうしようとか、今から部屋番号と名前だけでも消してこようかなとか思っていたが、そいつが気付くのをひたすら待った。数時間後、外でエンジンのかかる音がしたので、気付いたなと、そいつのリアクションを待った。すると、「プー」と何か鳴ったかと思うと、そいつは走り去って行った。それは、謝りに来るというアクションではなく、フセンを確認したというクラクションだった。そいつの出した答えのリアクションは、アクションではなく、クラクションだった。結局、俺のミッションであるそいつとセッションは叶わなかったが、そいつが部屋に殴り込んで来るといった最悪の事態は免れた。しかし自分としては、部屋に謝りに来る、あいさつ程度でもいいのだが、そうされる事が理想だっただけに、ちょっと微妙だった。あの、「プー」というクラクション音が「すいません!」という意味で、自分は間違った事をしたと思ってもらえればいいのだが、正反対の、「うるせー!この205号川越!」という意味にも取れる。その後、自分の車を元の位置に移動しに行く際に、その人の反感をかって、車がボコボコになってるんじゃないかとドキドキだったが、そんな事はなく、無事で安心した。自分が言いたいのは、別に自分の駐車場に置かれているという事そのものを怒っているのではなく、もしかしたらここの駐車場に誰か停めている人がいるかも知れないという考えを持っていない事に怒っているのだ。そしてここの住人ならどことどこがいつも車が老いてあるのを分かっているはずなのに、なぜ、そこ以外に停めてくれと教えないんだという事だ。昼間の自分が居ない間だったら全然停めてもらっても構わない。自分のとった行動は、怒りからではなく、教育として起こしたつもりだ。その後も、何回か違う車で、自分の駐車場に他人の車が置かれているという同じ事件があった。その度に、運転席のフロントガラスにフセンを貼っている。そしてその度にクラクションどころか無視されている。「205号の川越には気をつけろ」もしかしたら、そう、その人達の間では噂されているのかも知れない。今後、その人達に分かってもらえるのが先か、自分の車がボコボコになるのが先か、はたまた、車がボコボコにされつつ、自分もボコボコにされるのが先か。少なくとも、次のフセンを買いに行く事がない事を願っている。

続く...

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