獣王の行方に陰る魔人の影
寒暖差に負けたのと、明日が2度目のワクチンなので……
更新が不定期になると思います……
すみませんm(_ _)m
「くっ!?」
カナエが魔導銃を射ちながら後方に飛ぶが……
「その程度で…… 私を止められると思うな!!」
カナエの放った魔弾を切り裂き、ペルティナが踏み込んで来る!
「それなら…… これはどう?」
魔弾を切り捨てながら迫るペルティナに、ミシン糸よりも細い金属ワイヤーが飛ぶ!
カナエが、索敵に放った小型スパイダーを使った即席の罠だ。
「チッ、なかなか…… だが!」
罠に気付いたペルティナだが…… カナエの予想に反して、さらに踏み込んで来た!
(!? そう言えば…… 彼女は薬物で痛覚が異常になっているって話だった!)
ワイヤーで切り裂かれた皮膚から血を流しながらも、ペルティナが剣を振る!
「うぐぅ!?」
ペルティナの斬撃を避けきれずに…… カナエの左腕は、二の腕から宙に舞って、カナエの血飛沫が獣呀を紅に染める。
パキ…… カランカラン……
カナエの左腕を切り落としたペルティナの剣は…… 刀身が割れて地面に転がった。
「くっ……」
「チッ、また壊れたか…… たく、どの剣も私が振ると簡単に折れたり、曲がったり、砕け散る…… だから、獣王の大剣…… お前ならば、もっと私に血肉を散らし、骨を砕き、内臓を引き千切る感触を…… 味会わせてくれるだろう?」
「(狂気…… 命を奪う為だけに獣呀を狙っている……)そんな奴に……」
「あぁん?」
「うちのこをやれるかぁ!!!」
カナエは、斬り飛ばされた左腕を魔力で操り…… 地面に突き刺さった獣呀を引き抜いた!
「はぁ!」
「チィイ!?」
カナエは、斬り飛ばされた左腕を無理矢理に魔力で繋ぎ会わせると…… 引き抜いた獣呀に魔力を纏わせ、ペルティナに斬撃を放つ!!
ペルティナは刀身が割れた剣で、カナエの斬撃を受けるも……
カナエの魔力を纏った獣呀の斬撃は…… 激突時に爆発!?
「きゃあ!?」「があ!?」
カナエとペルティナを吹き飛ばした!
「いっつぅ……」
吹きばされたまま壁に背中を打ち付けたカナエは…… 痛みに耐えながら、ペルティナを確認すると……
「ひい!?」
身体を自分の血で染めながらも、恍惚の笑みをカナエに向けるペルティナが仁王立ちしていた。
「…… さ、最高…… 私に此処までのダメージを与えてくれるなんて…… お前なら…… 私並みに〝獣王〟の番に相応しいかもね」
「獣王の番だって……!?(血を流し過ぎた? 感覚がふらつく…… それに獣呀から〝鼓動〟がする…… これは……)ヤバいかも……」
「ようやくか…… 私の血から気化した魔薬が廻り出し様だね?」
「そう言えば……(全身が高濃度の魔薬を含んだ人工魔人だったね…… とは言え……)貴女こそ…… 正気が保てる感じがしないけど?」
全身から血を流すペルティナは…… 小刻みに震える身体を抱き締めて、何かを押さえ込んでいる様に見える。
「チッ…… 血を流し過ぎて…… 薬が切れそうなんだよ…… ヤバいねぇ…… お前も自分も…… 今直ぐに…… 全てを…… ズタボロに引き裂きたい!!!」
「くっ!(薬切れで暴走が始まった!?)」
さっきまでは、紙一重で避けていたカナエの罠もお構い無しに、ペルティナがカナエに迫ろうとした瞬間に……
ドガーン!!!
天井を突き破り、巨大な拳がカナエとペルティナの間に落ちるのだった。




