カナエ、夢の中の娘が来る!?
隕石に当たり、護送船が爆砕した……
『くっ…… て、撤退だ!』
それを見て、宇宙海賊達も撤退した。
「上手い感じで…… 偽装出来たね」
カナエの乗る機体が、護送船と激突した隕石に触れると……
「光学迷彩とジャミング機能に問題…… 無し♪」
カナエの機体が…… 隕石の中に沈んだ!?
「護送船に問題は?」
『メインブリッチの喪失と多少の被弾ヶ所がありますが…… 航行に問題ありません』
「うん、計画通り…… 念の為に、この5番〝隕石偽装衛星ドッグ〟で、リゾートコロニー群まで戻るよ」
『『『『『『了解』』』』』』
カナエは、宇宙海賊達が引き上げたのを確認すると…… 隕石に偽装した衛星に護送船を隠し、異常重力地帯の中枢のリゾートコロニー群に戻った。
・
・
・
~ リゾートコロニー群の宇宙港施設 ~
「此処に…… 居るの?」
『はい、スキャンデータによりますと…… この封鎖区画に生体反応がありました』
「とりあえず、開けてみないと…… 解らないよね? よし、開けて」
『了解しました。封鎖区画の封鎖を解除します』
2メートルのバケツ頭の人型アンドロイド【セバスチャン(カナエが命名)】が、封鎖区画の扉にある操作パネルに触れると……
『護送船のメインシステムにアクセス…… メインシステムの掌握を開始…… 掌握しました。封鎖区画の扉のロックを解除…… 開きます』
電子音の後に20メートル以上ある巨大なシャッター型の扉の中で何かが動く様な音がして……
ガコン!
シャッターが上がり始めた。
「これは…… 檻?」
開いたシャッターの先には…… 縦15メートル横25メートルの長方形型の檻が陳列されていて、檻の中には……
『奴隷にされた獣人達ですね。眠っている様ですが…… 生体反応データから、生命に問題はありません』
「逃げない様に眠らされたのかも? とりあえず…… 保護するから、運び出して正確な人数を調べましょう」
『了解しました。運搬の為に支援要請します』
暫くすると、救護用スパイダーが現れた。
「それじゃあ、保護を開始して」
『了解しました。檻のロックを解除します…… 解除完了、救護開始します』
セバスチャンが開けた檻から、救護用スパイダー達が代わる代わる眠る獣人達を運び出していると……
「うん? その耳…… ちょっと待って!」
救護の様子を見ていたカナエは、見覚えがある〝白い猫耳〟を見付け、急ぎその耳の持ち主を確認すると……
「やっぱり…… 私の子だ…… 間に合ったよね?【シロちゃん】……」
カナエは…… 涙ぐみながらも、眠る白い猫耳の獣人少女を優しく撫でた。
その白い猫耳の獣人は、夢の中のゲームでは……
仮面のヒーローが助け、カナエが養女にした……
神獣白虎族の生き残りの少女【シロ】だった。




