カナエ、宇宙海賊の企みを潰す!
「なるほど…… スレイブのアニマニアで、捕まった獣人達の護送船を襲撃する計画なのねぇ…… この無人機達は、万が一にも異常重力地帯に逃がさない為の保険……」
宇宙海賊の無人機神が現れたのは…… 宇宙海賊がスレイブの奴隷護送船を襲撃するのに、逃げ道を塞ぐ為だった。
「奴隷にされた獣人達かぁ……」
カナエの脳裏に…… 夢の中のゲームで、ともに旅した子供達の姿が過る……
「みんな…… この世界に居るか解らないけど…… 会いたいよ……」
夢の中の仲間達を思い出し…… カナエは決意する!
「あの子達のお姉ちゃんとお母さんなんだから…… 大丈夫。助けて見せるよ!」
決意したカナエは、すぐに異常重力地帯のリゾートコロニー群に戻った。
「セバスチャン! 準備は?」
『テストデータを移植した、試作機6機の発進準備は完了しています』
「主、パイロットはどうするの?」
「コロニーの、警備バイオロイドのヴァルキリー達に頼みます! それと、宇宙仕様のスパイダーも、連れて行けるだけ連れて行くよ!」
「宇宙仕様は…… 発進可能なのは、20機です」
「了解、補給が済みしだいに出るよ!」
「ギリギリ間に合うかだな……」
「大丈夫! エミリーとエナが作った〝アレ〟で出るから…… 間に合わせて見せるよ!」
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『クソ! こんな場所で仕掛けて来るなんて…… あのアホ供がぁ~!』
『おらおら! さっさと降参して、積み荷を渡しなぁ!』
『お前等、何処の船を襲撃しているのか…… 解ってんだろうなぁ?』
『あん? 知らねぇなぁ…… ホラホラ、はやく降参しないと大変だぜぇ~』
「くっ、他の国家を気にして…… 異常重力地帯の横を通る航路にしたのは、失敗だったかぁ…… しかし、この用意周到さは…… 事前に航路がバレていた? まさか…… 嵌められたのか!?」
「か、艦長!?」
「どうした!」
「前方の異常重力地帯から…… 何かが高速で向かって来ます!」
「何!?」
『な、何だよ…… アレは…… なんなんだよ!?』
『異常重力地帯を抜けて、通常宙域に出ます』
「了解、通常宙域に出ると同時に散開……〝スキュラユニット〟の拡散ビーム砲撃をする。全員、当たらない様にね?」
宇宙海賊と奴隷護送船の戦闘宙域に、カナエ達が高速で突入すると……
カナエの機体の追加ユニットから、3機の機神と5機の宇宙仕様スパイダーが離れると……
カナエの機体の追加ユニットが〝変形〟を開始した。
『な、タコ型の機神!?』
「失礼な。どう見ても、スキュラでしょうが!」
カナエの機体が変形して、下半身がタコやイカの様になると…… タコやイカの足の様なスラスター部を展開して……
『拡散ビーム砲…… 発射!』
宇宙海賊達に、拡散ビーム砲を放つのだった。