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世界の構造

「聞きたいんだけど。」

ベラはナガトに言った。

ここは族長家の一階、居間。

ナガトに対面してベラと彼女の祖母である族長が座り、そしてペルムが立っている。

「あなたの星の勢力は?」

ベラは敢えて「地球」や「日本」じゃなく「あなたの星」という表現を使った。

なぜならば彼女の帰属する場所はここだからだ。

「・・・星暦230年時点の私たち地球人類の勢力範囲は地球を中心とした半径20億光年。」

「半径20億光年・・・!?」ナガトが答えたその途方もない数字にベラとペルムは思わず顔を見合わせる。

「星暦とは?少なくともキリスト教の西暦じゃないわよね。私の知ってる年代ですでに2011年だし。」

「私の誕生した年は星暦230年、西暦に換算すると、西暦133929年に該当する。」

「じゅ・・!じゅうさんまん!?」

つまりベラたちの知ってる時代から13万年後ってことである。

「あなたたちの目的は何?・・・ここの侵略?」

「少なくとも、大日本帝国上層部はそれは無意味であるとすでに結論を出している。

なぜならば、この世界は地球がある世界と組成が違う。」

「・・・別の世界ってことか?」ペルムが思わず口を挟んだ。

「そう。原子の構造そのものが違う。時間の進み方も違う。私たちの世界の人類がこの世界で生きることは不可能。」」

「・・・・。」とんでもない話でベラは固まっていた。

「あなたは人間じゃないのか?」ペルムは言った。

「私はニンゲンじゃ無い。・・・私は戦艦長門の生体端末に過ぎない。」


ナガトからもたらされた情報は驚愕するものばっかりだった。

ベラは聞いた。

「・・・地球は、どうなってるの?」

何だかんだいって結構気にはなっていたのだ。

かつての故郷を。

「・・・。」

どういう仕組みかは謎だが、彼らの前に立体映像の地球が映し出された。

だが、それは青い星ではなく白い星だった。

「地球は、大氷河期に入った。」

立体映像には日本列島も見えるが、巨大な氷床が完全に覆い尽くしている。

「従って我が帝国は帝都を遷都した。」

立体映像の白い地球は小さくなり、銀河の中に吸い込まれ隣の銀河がクローズアップされた。

いわゆるアンドロメダ銀河である。

そのほぼ中心核がさらに拡大されて一つの惑星が姿を現す。

「人工惑星『神武』。これが今の帝都。」

その惑星は見るからに人工物だった。

そして立体映像は消える。

「あなた・・・。」ナガトはベラに言った。

「最初に私に接触したとき、日本語で話しかけた。あなたはいったい何者ですか?」

「私は・・・・。」ベラはなんと答えたものか躊躇した。

祖母がこんな途方もない話を信じるわけが無い。

別の世界から転生してきたことなど。

「神武・・・・。かつての天皇の名をつけるとは、平和ボケだった日本もずいぶんと変わったんですね・・・。」

ぼそっとその祖母がつぶやいた。

「お・・おばあさま?」ベラは息を呑んで話しかけた。

その言葉は何を意味するのか?一目瞭然だった。

つまり祖母も・・・・、お仲間だった?

転生の仕組みがどうなってるかは知らない。

ナガトいわく、世界そのものが違うらしいのだ。

だが少なくともベラの身近にいる人物だけでも2人が元地球人、いや、日本人だった?

「・・・おばあさま、ペルム、お聞きしたいことがあります。」意を決したベラは2人に問うた。

「あなたたちは元日本人ですか?」

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