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白湯を飲む  作者: さかしん


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4/7

バスで盛大に転ぶおっさん

会社から帰宅するときのエピソードです。

俺は舐められやすい。


薬缶の白湯をコップに入れながらその原因を考えた。


見た目が童顔で背も低い。


声も小さいし日頃からペコペコしてる。


なんでこんなに人から舐められるんだろう。


今日もおっさんにバスの順番を抜かされた。


俺は前から5番目くらいに並んでいた。


バスが到着し乗り込もうとした際、俺の一つ後ろのおっさんが平然とした顔で俺を抜かした。


俺は舐められやすいが、決して気が弱いわけではない。


ただ、そこで順番を一つ抜かされたからと言って別にどうでもよかった。


でも順番を抜かす意味が単純に知りたかったので聞いてみた。


「すみません、なんで順番抜かししたんですか?」


バスに乗り込む前のおっさんはこちらに向き直り、


「お前が進まないからだよ」


と怒鳴るように言った。


俺はそこで合点がいった。


そこのバス停は行き先が2か所あり、俺がもう一つの行き先のバスを待っていると思ったらしい。


というかそう決めつけて抜かしたようだった。


俺はでもこのバスに乗る。


だから順番抜かしした意味を聞いた。


じゃぁおっさんは

『すみません、乗らないと思って』

と言いながら俺の後ろに戻るというのが正解なのではないか?


それをするつもりはないようだ。

というか、初対面の人に対して

『お前』

とはどんな教育を受けてきたらそんな言葉がでるんだろうか?


俺は怒鳴るでもなく、言い返すでもなく

「へぇー」

と言った。


おっさんはその言葉が聞こえたかどうかは定かではないがバスに乗り込んだタイミングで段差に躓き盛大に転んでいた。


一部始終を見ていたこともあってなのか、周りのお客さんは誰も転んだおっさんに手を差し伸べなかった。

そんなことを思い出して飲む白湯はいつもより少し美味しく感じた。



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