チャプター18「知るが為の決闘」
神内町でのゲート災害から帰ってきて治療を受けていた大和は赤坂から言われた言葉を思い出していた所、過去を知っている福原に何があったのか聞き出そうとしたが、赤坂に止められてしまう。そして、赤坂を知るが為の決闘の約束を取り付けることができた。そして、その決闘が今始まろうとしていた…
「どちらかの敗北宣言、又は気絶で決着をつける…それでいいですか?」
準備体操をしながら前に立つ赤坂さんに確認する。
「あぁ、好きにしろ。」
その返事に頷いた後、僕は軽く飛び跳ねグーパーと手を動かして、昼間のダメージが体に残っていないか確認する。
(うん、体は大丈夫みたいだな。というか僕の体は一体どうなっているんだ?あれだけ攻撃を食らって問題ないなんて…って今はそんなこと考えている暇はないな。)
完治していることを確認しそんなことを考えていたが、今はそれどころじゃないと考えていた。
「おい。」
「え?うわっと!?」
そんな時、赤坂さんから声をかけられ視線を戻すと、こちらに何かが飛んできており咄嗟に両手で受け止める。
「考え事なら後でしろよ?」
「あっはい。」
返答を聞いてフンと鼻を鳴らした後、赤坂さんは僕と反対側へと歩いていきこちらへと向き直す。
「こっちの準備は終わった。そっちはどうだ?」
「はい、こっちも大丈夫です。」
そう言いながら僕も後ろに移動し、相対するために振り返る。
「それじゃあ、このコインが下に落ちた瞬間開始だ。それでいいな?」
「はい、よろしくお願いします。」
それを聞いて頷いた赤坂さんは、コインを上に弾き、それを確認した僕たちは同時に木刀を構える。
「約束守ってくださいね。」
「もちろんだ。」
そして話した後、遂にコインは地面へと落ちる。
その瞬間僕は赤坂さんの懐に飛び込む。
「はぁっ!!」
「…」
しかし先手必勝とは行かず、簡単に弾かれてしまう。
(まだだ!)
そして、間髪入れず下から攻撃をしかけるがそれも剣で防がれてしまう。
(流石に簡単には通らないか…でも!パワーはこっちのほうが上だ!!)
そうして、刀を握る拳に力を込めて赤坂さんを後方に下がらせる。
「っ!」
(下がった!チャンス!)
その一瞬を逃さず僕は接近し剣を振り下ろす。
(なっ!?)
「ぐっ!?」
しかし僕の刀は対象には届かず空を斬り、赤坂さんからの反撃を喰らい後方へと弾き飛ばされる。
「っ…」
(くそ…攻撃が当たらねぇ…)
「どうした?これで終わりか?」
「まだまだ!!」
(もっと早くだ!赤坂さんが追いつけない程に早く!!)
そうして僕は走り出し、赤坂さんに攻撃をしかける。何度も何度も距離を離されてもすぐに接近し攻撃の手を緩めない。
(全て受け流された!?でも、これならどうだ!!)
真っ直ぐ追いかけるだけでは無理だと感じ僕はオークと戦った時のように壁を利用しながら高速で動き、攻撃とフェイク、死角からの奇襲など様々な行動をするが全て受け切られてしまう。
「はぁ…はぁ…」
(嘘だろ…僕の攻撃が一切通らない…)
「まぁ、今できるお前の最善ではあるな。だが、それだけじゃ俺に勝てない。」
「っ…」
すべての攻撃を受けきられたことに衝撃を受けてしまい、赤坂さんの言葉を聞いた僕はたじろいでしまう。
「…それじゃあ次は俺の番だ。」
「っ!」
そうして、赤坂さんは正面から攻撃を仕掛けてくる。
「甘いな。」
咄嗟に剣で防ごうとするがその衝撃を受けうけきれず、後方に飛ばされ壁に衝突する。
(くそ…何てパワーなんだ…僕の力でも完全に受け止められなかった…)
「おい、戦闘中に考え事なんで余裕だな。」
(早い!?)
「っ!?」
赤坂さんが接近していることに気づき再び剣で防ぐが簡単に弾かれ、がら空きになった腹に蹴りを受け2.3転と地面を転がり突っ伏してしまう。
「ぐっ…」
(っ…、急げ次が来る!)
「はっ!?」
後方から気配を感じ咄嗟に右手に力を入れ、左側に転がり振り下ろされた攻撃を回避した後、そのまま体を起こす。
「その距離で大丈夫か?」
「っ!!」
後方から聞こえた声に反応し防御姿勢を取り、なんとか赤坂さんの攻撃を両手で支えた剣で受け止めることができたが、身動きは取れなくなる。
「ぐっ!!」
(くそ…このままじゃ押し切られる!)
僕の体は押し負け、徐々に重心が下がっている。なんとか、片膝をついていたため踏ん張れているが押し切られるのも時間の問題だった。
しかし、その数秒後赤坂さんは攻撃手をやめ、距離を取る。
「え?」
呆気に取られ僕はそのままの姿勢で赤坂さんの方へ視線を向けていた。
「わかっただろ、お前には勝てない。技量…戦闘経験が足りてないんだよ。俺のことを探るとか考えず特訓に取り組むんだな。」
赤坂さんは話しながら木刀を武器庫に戻すため歩いていく。
「勝手に決めないでください。」
「は?」
「僕は敗北宣言も気絶もしてませんよ。」
そう言って僕は睨みつける。
「はぁ…お前…さっきの戦いで何も学ばなかったのか?」
「えぇ、ボロボロでしたね。」
「自分でも分かっているじゃないか。」
「はい…だけど負けてはいないですよね?」
「っ…!?」
(…?)
僕がそう言った時、一瞬だったが赤坂さんが苦しんだ様な気がしたが、
「ちっ、そうかよ。後で後悔するんじゃねぇぞ。」
と、振り返り木刀を構える赤坂さんを見て気の所為だと思い、立ち上がった僕も木刀を構え直す。
そして数秒の沈黙の後、僕たちは同時に接近し鍔迫り合いになる。
「はぁ!!」
(もっと…もっとパワーをっ!!)
「っ!?」
何かに驚き赤坂さんは一度距離を取る。
(チャンス!)
そうして僕は着地の瞬間を狙い、木刀を投げつけれる。
「自ら武器を捨てるとは馬鹿なのか!」
「やってみたらわかるさ!!」
赤坂さんは顔の側へ飛んできた木刀を受け止める。その瞬間腕と木刀によって赤坂さんの視界の半分が塞がる。
(今だ!!)
そして接近していた僕は拳を握りしめ木刀で出来た死角から攻撃を仕掛ける。
「なっ!?」
しかし赤坂さんは木刀を掴んだままの腕で僕の攻撃をガードする。
「狙いは良かったがそれまでだな。」
「っ!」
(これも駄目なのか!?)
咄嗟に木刀を奪い返し一度後方へ下がり着地と同時に再び赤坂さんに飛び込み攻撃を仕掛けるが、接近した所で足から力が抜け、ガクッと重心がブレる。
(ぐっ!こんな時に!!)
そうして僕は赤坂さんの前で膝をついてしまう。
「終わりだ!!」
「まだまだだぁ!!」
赤坂さん攻撃が飛んでくる中、全てとはいかなかったが込められる力で応戦し、木刀は衝突する。
「なにっ!?」
「へ!?」
そして次の瞬間、互いの視界の先には衝突した所からへし折れる赤坂さんの木刀が映り、僕の腕は今までに感じたことのない手応えを感じた。
(っ!?今の感覚は!?って今はそんなことを考えている暇はない!チャンスなんだ攻めろ!!)
そうして、赤坂さんに攻撃を仕掛けるが驚きが隠せず大振りになり当たらなかった。しかし、赤坂さんも動揺している様子で余裕がなく後方へ大きく下がってしまう。
(行ける!追いつける!)
赤坂さんが着地した瞬間を逃さず接近し攻撃を仕掛けるが、折れた木刀に弾かれてしまう。
「しまっ!?」
そして、僕の腹には蹴りの衝撃が走る。
「ぐぶっ!」
(っ…これだ!!)
「なっ!?」
赤坂さんの攻撃もろに食らってしまったが、咄嗟の機転でその足を掴み動きを封じる。
「これならどうだ!!」
「ぐっ!!」
そうして掴んだまま一回転して、赤坂さんの近くにあった壁に投げつける。
「まだだ!!」
そう言って、接近した僕は木刀を振り下ろす。
しかしその攻撃はガードされ、反撃を受ける。
「っ!!」
「ちっ!」
ガードされた瞬間、反撃が来ると予測していたため、もろに食らうことはなかったが、それでもダメージはでかい。
「っ…はは、なんとか攻撃は当てましたよ。」
「ぐっ…」
痛みを我慢しながら僕がそう言った瞬間、赤坂さんは頭を抱え地面に膝をつく。
「はぁ…はぁ…」
「っ!?赤坂さん大丈夫ですか!?」
突如苦しみ始めた赤坂さんを目の当たりにし、決闘を忘れ接近する。
(凄い汗だ…一体何が…)
「れろ…」
「え?」
「離れろ!!」
「うわっ!?」
心配して顔を覗き込もうとした時、赤坂さんの攻撃が飛んできて後方に下がる。
「っ…何なんだお前は…」
「え?」
「何なんだ!!」
ぼそっと聞こえた言葉が聞き取れず僕がそう言葉を漏らした瞬間、赤坂さんは声をあらげながら目の前に接近していた。
「ぐっ!?」
そうして、攻撃を受け後方へと弾かれる。
「なんでこんなにも苦しんだよ…くそ…クソが!!」
そうしてこちらを睨みつけた後、木刀を腰に構える。
(っ!!何かが来る!?)
何か透明なものが赤坂さんに集まり始め、僕の肌は寒気を感じ鳥肌が立ち始める。
(とにかく何か、反撃を!!)
そうして危機感を覚えた僕は赤坂さんの攻撃に向けて反撃の為に姿勢を低くし何かが放たれるのを待つ。
しかしその瞬間「そこまでだ!!」という声が特訓場に響き渡る。
「っ!?」
そうして僕と赤坂さんの視線は声の下へ吸い寄せられる。
そこには夜桜さんと福原さんがいた。
「2人共…構えを解くんだ。」
「…」
「はっ…はい…」
返事をした僕と赤坂は力を抜き、夜桜さんの指示通り構えを解く。
1日遅れてしまい申し訳ございません。
また、申し訳ないのですが、来週についてはお休みさせていただきます。ご了承ください。
それではここまで見ていただき、ありがとうございました。また良ければ見てください!それでは!




