90 悲劇のカギを握るのは…
短いですが投稿します。
小さい子供が二人いる。黒い髪の男の子と女の子ね。二人は仲睦まじく寄り添っている…
「おおきくなったらけっこんしよ。」
「およめさんにしてくれるの?うれしー!」
まだまだ幼い子供達を見て、夢の中の私は微笑んでいます。
「二人とも、そろそろお昼の時間ですよ。」
「はーい」
「わーままごはんー」
そして抱き着いてきた女の子を抱きかかえます。女の子はキャッキャ喜びながらはしゃいでいます。
その光景を見ながら、とても幸せな気持ちと悲しい気持ちがない交ぜになり、思わず泣き叫びたくなります。
「ハッ!」
そして、飛び起きました。ふと横を見るとタリアお姉さまが眠ってらっしゃいます。ここは…お姉さまの部屋です。前回王都に来た時にはホテルに泊まりましたが、私の部屋には不審者が出ました。その話がタリアお姉さまの耳に入ってしまい。私を心配するお姉さまが、一緒に眠るとおっしゃられ、今の状況になります。
部屋の前には警備兵、そして、庭にも屋上にも配置されています。少し大げさな気がしますが、やはり不安もあるので、お言葉に甘えてしまっています。
(ふふっ、あのころじゃ考えられないくらい穏やかな時間ですね…)
私の前回の人生では、このような時間はありませんでした。それどころか、いつの間にか親しい人達が私の周りから居なくなっており、私自身もそのことに何ら疑問を持つことがありませんでした。
そして、大切な人に裏切られ、命がけのモンスター討伐を何年も行い、最後には冤罪を掛けられ処刑される。
果たして何が原因でこのような事になったんでしょうか?お姉さまの寝息しか聞こえない静かな部屋で考えに耽ります。そう言えばあの時はいつの間にかお姉さまとも離れ離れになっていましたね…
幾度となく思い返し、しかし、また今回も原因が何なのか結論が出ません。
「はぁ~、全く分かりませんね。」
「何がですの?」
隣を見ると、タリアお姉さまが目をこすりながら体を起こしました。
「申し訳ありません。起こしてしまいましたか。」
「構いませんわ、それより何を悩んでますのリーナ?」
お姉さまにはなにも事情を話していません。どう説明したモノかと逡巡していると、ふいに何者かの気配が感じられました。そして、黒い手が私とお姉さまの頭を撫でます。
私は即座にお姉さまを抱きかかえ、ベッドから扉の方に飛び退きます。
「え?きゃっ!」
「誰ですか!?」
すると窓際に人影が見えました。逆光になっているためか、黒くて人相が分かりませんが、体格からして男性のようです。
「答えなさい!」
私はお姉さまをその場に降ろし、戦闘態勢に入ります。
「リーナ?…!何者ですか貴方は!まさか、この間リーナの部屋に忍び込んだのも貴方ですか!?」
私達が、大声で問いかけます。扉の外に居た護衛がこの部屋に入ってこようとしているのが気配で分かりました。
すぅー
そして、その人物はまた溶けるように壁をすり抜け、夜闇の中に消えていきました。
「お嬢様方ご無事ですか!!」
護衛が次々と部屋に入ってきますが、既に侵入者は消えた後です。
「一体どうやって…」
この間と違い、私は起きていましたし、フォーチャー家も不寝番の護衛を屋敷中に配置してくれています。どの様な隠密技術を持っているのか…
「……リーナ、あの白髪の男性が前回の侵入者ですか?」
「…?申し訳ありません。私は相手の人相を確認できませんでした。」
逆光でしたしね、お姉さまは私とは見ていた角度がわずかに違ったのでしょう。どうやら容姿を視認出来たようです。
「何故かしら…少し、胸が苦しいです。」
お姉さまによるとあの男性は悲しそうな顔をしていたようです。
その後、トーヤ様に連絡を入れ、明日からは女性の護衛とリンやフィアと一緒の寝室になりました。当然お姉さまも一緒で、流石に4人ですと、ベッドなども運び込まなくてはなりません。慌ただしくしていたら、いつの間にか夜が明けて来たようです。
「一体何なのかしら…」
でも何故か、あの男性が重要なカギだと私の感が言っています…




