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75 まさかの陰謀と卑劣な罠、九錠院の能力




 目の前には…123…5人の男と、扉の所に二人、天井と壁に隠れているのが4人か…九上院に念話で指示を与える。


(こいつらに変身して何を考えているのか読める?)


 ドッペルゲンガー:もう一人の自分…PG内でのスキルでは無いが、九上院のキャラクタープロフィールには彼の特性が記述してある。彼は、対象に変身すると、対象と全く同一の存在になることが出来る。それは例え家族と言えども見分けがつかない。何故ならその人物の記憶すら読み取れるから…




 という訳で、ゲーム内では死に設定だったが、現実となったこの世界では、比類なき情報収集能力を発揮する。これでこの連中が何を考えているかを読み取り、念話で報告を受ける手筈になっている。


(畏まりました。少々お待ちください。)


 そして、俺の影の中で変身しているらしい。直接見ることは出来ないが、本人からそのように説明を受けた。



「君が討伐者トーヤかね?」


「そうですけど?」


 真ん中に座っているやたらとガタイの良い、白髪ロン毛で髭の長い50代くらいの男がそう聞いてきた。俺はスマフォでこいつらの情報を読み取り、俺だけに見えるようにスクリーンを展開する。




左から



アシモフ・モフモフ モフモフ子爵家 ルーティラ侯爵領 メリーシープの町領主


 いきなりネタ枠が来た!モフモフって名前なのにツルピカだ!?小学校なら確実にいじめコースに乗ったエリートになる!!いきなり来たぞ!気を付けろ!!


 一応昨日のメリナとの雑談で、今日の招集に当たって、貴族派の人間も参加すると言っていた。頼りになる方とか言っていたし、一応味方になるのだろうか?




ケナシ・ナケナシ ナケナシ伯爵家 王国軍諜報部門 部長


 また毛髪ネタ?!まだ残っているから!!ただのM字だから!!しかし、御大層な階級だなこのM。




ハリク・ホーガン ホーガン侯爵家当主 王国軍軍事部門 第2部部長


 どこその悪役レスラーみたいだな。軍事顧問か…




ヴァリア・メイジ メイジ伯爵家当主 政治部門 次長


 無表情な男だ。何を考えているのか分からない。





ペリー・デン・ジェラス ジェラス子爵家 ヒュドラ―(ヴァイス 組長)


 お?これはヘルクから情報がきていたな…ヒュドラーは娼館を主に経営していて、身を売るしかない女性等の受け皿になっている一方、権力者からの依頼で、非合法な手段で女性を引き込み、二度と表に出られなくする反吐が出るほど腐った部門がある。それがヴァイスと呼ばれる下部組織だ。


 公には失伝したとされているが、過去に禁術認定された隷属魔術を使える者が何人かいるという噂がある組織だったな…ヘルクには最優先で潰して、その隷属魔術の事も調べるように伝えている。


 こいつの情報はヘルクに渡しておこう。



「…………」

「…………」

「…………」



 沈黙が続く…なぜ?


「申し訳ありません。彼はこのような場に不慣れなモノで、多少ご無礼を働きますが何卒ご容赦のほど、お願いします。」


 副ギルド長が頭を下げる。


「………」

「………」


「君も頭を下げるんだ!」

「え?嫌ですけど。」



「…………」

「…………」

「…………」


 皆顔が引きつっているし、周りに潜んでいる奴らは殺気立っている。


「何も無いならこれで帰りますね。」


 俺は踵を返し、この場を後にしようと思ったが、


「待て!まだ話は終わってない。」


 そりゃあ、始まってすらないしね。


 何故かモフモフ子爵は遠い目をしているし、副ギルド長はさりげなく胃の当たりを触っている。偉いさんが目の前に居て緊張しているのかな?









 とりあえず最初からやり直して、互いに自己紹介をする。そして、無駄な世間話は省いて本題に入る。



「まず先日の事だ、君はどのようにして、隣国の陰謀を知った?」


 どう答えようか…


1.神託があった。


2.誰がバックに居るかは言えない。



 正解は1(多分)なんだけど、限りなく嘘くさいな!2のルートで行くか!


「とあるお方からある事件の調査の依頼をされていまして、その調査過程で知りました。詳細は言えません。」


「ならば質問を変えよう。君があの時使った魔道具を手に入れることは可能かね?」


 カメラとスクリーンの事か?あ~なんか使い捨てとか言った気がする。


「無理です。あれを渡されるときに、俺が生まれる前にダンジョンから手に入れたとかおっしゃられていましたし。」


 そこで、ハリク侯爵達が一瞬反応する。なんだ?








(冬也様、大体の事情が分かりました。)


 九錠院だ。その事情とやらを聴く。


 まずモフモフ子爵については俺がやらかした時のフォローに回るつもりだったようだ。途中で遠い目をしたのは、よく奇行を起こすルーティラ侯爵と俺を重ねてしまったかららしい。


 失礼な!!メリナから聞いたぞ!!彼女がらみで戦争を起こそうとするような危険人物と同じにするなよ!!



 ホーガン侯爵、ケナシ伯爵、メイジ伯爵は、単純に俺をこの国に取り込もうと思っているらしい、俺を高く買ってくれているようだ。なので多少の無礼は子供だからと言うことで、抑えているそうだ。先日の功績で、爵位や小さいながらも領土を与えようと準備しているようだ。



 そして…


(こいつは消した方が良いな…)


 ペリー・デン・ジェラス…こいつには容赦しない。その狙いは俺の従属と、リンや周りの人間を狙っているようだ。


 まず俺については、ホーガン侯爵達の話と合わせ、屋敷を与えるつもりだ。ただし、その屋敷には隷属魔術に伝わる手の込んだ仕掛けをするらしい。




 魔術には詳しくないが、発動にはいくつかのやり方がある。


詠唱:慣れれば無詠唱で出来る一般的な使い方だ。ティアもこちらを使っている。


魔術陣:これはあらかじめ書いた陣に魔力を通して発動する。魔術の効果は陣の大きさに比例するようだ。戦闘に使用するのは現実的ではない。手のひらサイズの陣なら威力が低く、大きくすれば、その文人を描いた紙なり革なりがかさばってくる。さらに破損すると使えなかったり誤作動で暴発する可能性もあるらしい。






 今回奴は魔術陣を用いる計画のようだ。屋敷を建てる時に、土地ごと覆う陣を組み込むつもりのようだ。陣を大きくすれば、その分線が太くなり、多少の欠損も自動で修復されるようになる。さらに土地に描くと、地面から魔力を吸い上げ、半永久的に効果を出し続けられるようだ。


 これにより俺、あわよくば仲間達も隷属魔術を掛け、ヒュドラーの配下にする。ヒュドラーの戦力は、他の組織に比べると低いらしい。だから、この機会に俺達を組み込みたいと考えている。さらに…






(その貴族は何処の奴か分かったか?)


(ハイ、この王都にも頻繁に来ている…)





 とある貴族がリンを見初めたらしく、愛人にしてやると迫ったらしい。しかし、いつもの対応でリンに排除されたその貴族は、自分がコケにされたと思い、ヒュドラーにリンの身柄の確保を依頼した。調べればリンは俺達の仲間だということが分かる。


 そして、俺に屋敷を与え、隷属魔術を掛けると、必然的にリンも手に入り、一石二鳥という訳だ。莫大な報酬を約束されているらしい。




 さらに、交流のあるリーナに関しても、数年後に期待できるため、いつでも手を出せる位置に置いておきたいようだ。






 そして、今のダンジョンの話題について触れた時の反応は、貴族なのに若い時にダンジョンに潜っていた人物がいるらしい。



 その人物は、若き日のカリブ・バトレ公爵、そう…徘徊する異形(ジェントルマン)である。



(マジか!?)


(ハイ)




 何でも昔はハリク侯爵と同等の実力を持っていたらしい。そして当時は破天荒だったようだ。いや、今でもかなり破天荒だよ!!この王都を半裸で徘徊しているしね!!




 彼は若い時に各地を旅していたらしい。そして、ダンジョンにも潜ったと言っている。



 そして、前回の事件の時、彼の立ち回りはおかしいところが無かった。彼も事件のあおりを少ないながらも受けたからだ。だからこそ、誰がこの陰謀の阻止のために動いたのか憶測が飛び交ったが、バトレ公爵がその候補に挙がることは一切なかった。


 しかし、今俺が説明したないようによって、この件の黒幕として、巧妙に正体を隠していたのではないか?あの暴露の時に、俺が真っ先にバトレ公爵に声を掛けた。そして、あの魔道具を実際に持っていたのはバトレ公爵だ。


 公爵は愛国者として知られ、あの陰謀の阻止に動いてもおかしくはない。





 と、この人たちは考えたらしい。うん、それ不正解。正体を隠しているのは異形(ジェントルマン)としてだけです。後は素の反応です。




(……面倒なことは全部バトレ公爵に任せればいい。この人たちが勝手に思いついたことだしね。)


(それが宜しいかと。)




 そして、報酬の話になった。





 

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作者の別作品もよろしくお願いします。 終末(ヘヴィな)世界をゆるふわに!
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