44 蛇神の考察「変調の原因」と、リーナの反省、リンの想い
コミカルパートのシリアス回もいよいよ大詰め。
そして10000PV突破!!
2000ユニーク越え!!!
ありがとうございます!!!!
大分不味いことになっておったが、ギリギリで踏み止まっているみたいじゃの。あの女子、リーナとリンと言ったか…一人はカトアリアスに似ておるのう…あの二人に対しては最後まで攻撃することは無かった…
ワシら上位次元の存在は、下位次元の者の魂を通して、過去や心の奥を覗くことが出来る。
この世界に来る時に願った力…これは双方の認識に違いがあったために起きた歪みがあったのじゃ。
トーヤの言うゲームのような力、戦うことによって経験値を貯め、レベルを上げて強くなる。実戦によって強くなるのはよくある事じゃ、特に、現世で生きていた時は、戦時中じゃった。ホーリー達も当然実戦の中で強くなっていった。
しかし、この強くなるという点が曲者じゃ、なんせ、劇的に強くなるということは現実にはほぼ無い、過去の研鑽や経験を経て積み上げていくのが実力というものじゃ、しかし、冬也の言う強くなるは、数値化され、目に見える形で実力が上がるものじゃ、そのような異常な強さを手に入れる方法など、当然体に悪影響が起きるに決まっている。
ならば、今回は何故このような事が起こったのか…
恐らく神が介入したのであろう。冬也の希望した能力、それ自体を付与するのは無理じゃ、ならばどうその希望を叶えるか?
答えは降魂術、巷でいうところの降霊術じゃとワシは見ておる。
恐らくアイテムを買うことも、少しずつ影響していったはず、オオゲツヒメと呼ばれる女神が居った。彼女はその体から様々な食材を出すことも出来た。冬也のよく利用するショップは、その彼女の魂と似たような魂を降魂した時の能力なのだろう。
そして、修行で上げたレベルによって得られたステータスポイント、これによる短時間の急激な強化も原因であったはず。これにより、急激に冬也の魂の器は強制的に拡大された。
そもそも、人間がゲームのように無尽蔵に強くなるなど有り得ん。この1か月、訓練し続けたケットシー達の上達具合が普通なのじゃ。ならば冬也のステータスは何なのか?
それは奴の体に降ろせる強者の魂の限界値であるはずだ。魔法を使う時は、魔攻の数値に合わせた魔法使いの魂を、素早く動く時は、素早さの数値に合わせた魂を、と場面ごとに色々な特徴を持った魂を体に降ろしているのが今の冬也じゃ。
なので、日常生活は普通に送ることが出来ておる。時折、リンやサンドーコ、あとタリアと言ったか?から逃げようとしても直ぐに捕まってしまうのは、臨戦態勢に無い、素の冬也の身体能力だからと推測できる。
つまり、今まで冬也は何度もその身に、他者の魂を降ろしていたことになる。そのため、宗次の銃の使い方を即座に理解出来たり、本物の殺しの技術を持つものと渡り合ったりしたのじゃ。
当然そんなことをすれば、何の防御手段も持たない冬也の魂自体に悪影響が出る。顕著なのが、感情が高ぶったり、実戦を経験した後なんかは、本人ですら戸惑うほど普段と違った様子を見せる。
タリアを助ける時は恐らくタリアに関係する者…冬也のいない次元のタリアは悲惨な運命をたどったのであろう。それを助けられなかった無念の魂が、タリアを助けたい冬也に呼び寄せられ、冬也に降魂した。だからこそ、タリアの為に激しい怒りを感じたり、守り切ることが出来た時には、歓喜に包まれた。
それが、
(「お嬢様、ようやくあなたを救うことが出来ました。」)
と、発言した時の真相じゃ。「ようやく」と矛盾した言葉を使った理由は、降魂した魂の言葉と思えば不自然さは無くなる。これにより、その魂の無念は消え、冬也の魂はしばらく平穏を取り戻した。
マリアスやメリナの時もそうじゃ、あの二人と同じ境遇にあり、そして、悲劇的な結末に至ったあ奴らの無念…それが、あの時冬也を感情的にした。これも、無事に二人を結び付け、冬也の魂にそこまで影響はなかったはずだ。
しかし今回は、完全に臨戦態勢に入り、あらゆる状況に対応出来るように複数の魂をその身に宿したはずじゃ、そんな不安定な状況、今まで冬也の魂に掛かっていた負担、そしてりゅうが傷つけられたことに対する憤怒。これらのいくつもの要因が重なり、今冬也の魂は大変不安定になっておる。否、いくつもの魂が、冬也の魂を侵食し、冬也自身が消えかかっとると言っても良い。
すこし、過去をのぞき見した。冬也は以前、本気で好きになった女子に対する未練を持ち続け、心が不安定になっている時に、とある女子から呼び出されたようだ。冬也の黒髪と違い、金の髪をした変わった女じゃ。そして、恋文のような手紙を渡され、不安と少しの歓喜を抱きながら約束の場に赴いた冬也を待っていたのは、冬也を疎ましく思っている者達じゃった。そこに手紙を渡した女子もおった。
当時の冬也はかなり同年代の集団から浮いていたようだ。中二病?という病に侵されていたのが原因らしい。
そして、揶揄われたと分かった冬也は、派手にその連中とやりあったようだ。宗次から武術を習っていたため、奴らを撃退できたが、一対多数ということで、奴らは口をそろえて冬也に原因があると証言した。そして、結果的に冬也に非がありと判断されたようじゃ。
その後、その判断を下した者や、呼び出したもの全てを闇討ちした。中には障害が残った者もおるようだが、二度と冬也には関わりたくないと思ったのか沈黙を守ったようじゃな。そして、冬也はしばらく学び舎に出なかったようじゃ。
そこからは数人の友人と身内以外は信じられない環境にあったようじゃ。ゲームの中の人物に本気で恋い焦がれるのもそういった要因があるのじゃろう。
そして、この世界に来た。そこで初めて身内以外に心を許せそうな女子に会うことが出来た。それが、リーナ、リン、そしてタリアだ。彼女達が未だ冬也を繋ぎとめている者だ。
だからこそ、そのリーナとリンに対し、まだ一度も手を出していないことに安堵した。まだ間に合う。
「じゃから、冬也を追ったリーナとリンを信じよ。彼女達ならば冬也を救えるはずじゃ。それにこういう事に対して、頼もしい者も目覚めたようじゃ。」
「分かりました猛虹様。あのお二方にご主人様のことを託します。」
「しかし蛇神様、社長のことは分かりましたが、俺達は大丈夫なんですか?」
「恐らく問題ないはずじゃ。冬也がワシにとって下位世界の存在であることは説明したが、お主達は冬也にとって回世界の存在なのであろう。だからこそ、冬也が望んだ能力でこの世界に受肉できた。」
「俺達が下位世界の住人?」
「うむ、冬也の記憶を覗いたところによると、お主達は、冬也が住む世界のゲームとやらが元になっておるのじゃろう?つまり、冬也の世界の人間が『想像した世界』が、お主達の世界という事じゃ、そこから冬也の願いによってこの世に現界した。
だからお主達の強さは、厳密に言えば『強くなっている』ではなく、『元の強さに近づいている』という事じゃ、リンが良い例じゃろう。進化というのか?していないにも関わらず、進化後のような特性を持ち合わせていたりしている。
そして、冬也の知らないスキルとやらは、この世に現界するときに、彼女の魂の在り様が、この世界と自信の願いによって新たに付与されたのであろう。冬也がその能力を手に入れたように。」
「主にとって、俺達はどうでも良い存在なのでしょうか…」
「それは違うぞ、冬也の体はお主達に対しても臨戦態勢に入っていたのは事実、しかし、あ奴は無意識にお主達を傷つけないように武器を仕舞っていた。さらに、殺傷力の高い攻撃はせず、動けない程度の威力しかなかったはずじゃ。お主達も間違いなく冬也にとって大事な存在じゃ。」
「私は結構危険だったと思いますが…」
「ティアと言ったか?それはお主の強さを知っておったからじゃろう。だから、直接攻撃するのではなく、お主の抵抗力の高い魔力による攻撃にしたのじゃ。」
「がうっ」
うむ、あとは冬也が帰ってくるのを待つだけじゃ。
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「本当に情けない…」
私は、あまりにも不甲斐ない自分をそう罵った。自分に起こるはずの悲劇、その回避のために救いを求めたのがトーヤ様でした。彼は全く関係のない私の為に、命を懸けて動いてくれています。そして、お父様や、タリアお姉さまをも救って頂きました。
そんなあの方に対し、私はあのパーティの前日、確かに伝えたのです。感謝の言葉と、私自身が未来のために行動してみせると、それなのに…
「自分の事だけで、あの方の負担を考えずに…なんとお詫びしてよいやら…」
私を救うために、あの方は追わなくても良い負担を背負ってくれています。それが徐々にあの方を追い詰めていた…それにも気づくこともなく、私はただ自分本位な行動しかとっていませんでした。
「あの方に報いるにはどうすればいいの?」
私自身はあの方に差し出せるものがないのに…あの方はただただ私を救うという思いだけでこの世界に来てくれました。あの方に聞いたことがあります。
「どうしてこの世界に来てくれたのですか?」
するとあの方は、
「君の過去を追体験して、自分に出来るなら助けたいと思った。まぁ、夢だと思ったから簡単に了承したというのもあるけどね、でも女の子のために頑張るのもいいかなって…俺ってほら、これでも日本男児だし?」
あの方はそう言っていました。私がその対象になったのは本当に偶然なのでしょう。しかし、ただ己の誇りの為…というだけにしてはあまりにも割に合わないのに…
私は、本当にどうあの方と接したらいいのか分かりません。しかし、あの方が苦しんでいる今こそ、私があの方を助けなければ…
「必ず救ってみせます。トーヤ様!」
私は彼の後を追います。
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冬也君が正気に戻ったと思った次の瞬間には、またあの禍々しい気配がしました。何かが冬也君を乗っ取ろうとしているような…そんな言葉に出来ない漠然とした不安だけがありました。そんな時、
ゴッ!!
何かが冬也君を攻撃し、冬也君が吹っ飛んでいきました。
「冬也君!!」
「トーヤ様!!」
「少し遅かったが、何とか間に合ったか。冬也、もう大丈夫じゃ。」
そこに居たのは、3m程の妙な土偶でした。
「う…じっちゃん…」
「冬也、少し暴れ過ぎじゃ…まだやり足りんなら、わしが相手をしてやろう。」
どうやら冬也君とは知り合いらしいです。そしてじっちゃんと呼ばれる方は、樹海の長、猛虹様のことだと思います。しかし、冬也君に依然聞いた時には、大きな蛇の姿をしていると言っていたのですが…
「これはワシが神域から出る時の体でな…まぁ、力は大分落ちるが、お主とやり合うくらいは問題ない。」
と仰います。しかし、今の冬也君は私たちが束になってもかなわないほど強いのです。そんな冬也君に不意打ちで当てることが出来るとはいえ、たった一人では…
「来い、少し揉んでやろう。」
しかし、そういった瞬間様子が変わりました。その気配は明らかに強者の者でした。
そこからは非常に激しい戦闘が繰り広げられました。いえ、必死で猛虹様に攻撃する冬也君でしたが、軽くそれをいなし、一方的に叩きつけていました。
「そんな…冬也君が…」
これほどまでに次元が違うとは…樹海の長とは凄まじいのですね…
「くっ」
そして、冬也君は逃走を図りました。
「トーヤ様!!」
「冬也君!!」
私たちは彼を追おうとします。
「二人とも、冬也を救える可能性があるのはお主達だけじゃ。頼むぞ…」
猛虹様にそう言われ、目礼して冬也君を追います。
「冬也君…」
正気を疑われると思うのですが、私には今の私とは違う、別の私の記憶があります。
そこでは私はある国の姫であると同時に女王でもありました。しかし、ある時私の国に魔王軍が迫ってきました。その軍勢は、ゴブリンやサイクロプスなど、50万を超える数で、私達は必死に対抗しましたが、家族が次々とをの刃に掛かっていき、私の中で何かが壊れました。
そして、気が付けば奴らを撃退してはいたのですが、私の中に黒い何かが渦巻いていました。その時からあまり、記憶がありません。ただ力と恐怖を用いて民を率いていました。そんな時にある殿方と出会ったのです。彼は、あまりにも失礼な態度を取り続ける私に対し、慈しみの心を持って接し続けてくれました。
そして、力と恐怖でしか民を導けなかった私に、慈愛と優しさを持つ方法を教えてくださいました。そして、幾多の困難を乗り越えるために手を差し伸べてくれました。いつしか彼の存在が無くてはならない者になりました。そして、あの戦争時に無くした家族との思い出の宝玉を見つけ出し、家族たちの愛情を思い出させてくれました。
そして、私は真の女王になることが出来ました。すると彼は私の前から姿を消します。私は悲しさと喪失感で苦しみました。しかし、今は国民達も私の支えになってくれます。だから、彼に恥じないよう生き続けて行くと決心しました。そんな時、
「これは?」
目の前に光が現れたのです。そして、何故か私はそれが彼に私の気持ちを伝える最後のチャンスだと確信し、手を伸ばしました。すると私の中から何かが抜けて行ったのです。
「あの方に、今度こそ私の想いを伝えて!!」
そう願い、そして、今の私が目覚めました。見たこともない建物です。他にも何人か周りにいます。あの憎き魔王軍のゴブリンまでも…
しかし、ある扉が開き、彼が姿を現します。
「ああ…」
姿は変わっていますが、間違いなくあの方です…今度こそこの思いを伝える…そして、もう二度と彼とは離れない…
そんな運命の再会を果たし、出来る限り彼に甘えていました。彼は相変わらず私を突き放しはしませんでした。どれだけ醜い嫉妬心を露わにしても、そして、貴族に絡まれた時でさえ、命をとして私を守ってくださいました。だから…彼に甘えるしかしていなかったから…
「冬也君の苦しみに気づけなかった!!」
今度こそ私が彼を支える番です!必ず救ってみせます。
「待っていて!あなたを必ず救ってみせます!」
私達は冬也君を追います。
冬也の能力の説明回
そして、冬也に対する二人の意識の変化、
リーナとリンの冬也に対する意識が変化していくでしょう。
裏設定
リンの記憶にあるのはゲームの世界の出来事
リンのプロフィールを知っている冬也は、当然リンのシナリオを攻略しています。そして今回、冬也の元に現界する時に、その記憶と思いを引き継ぎ、冬也の元に来ました。
冬也はゲームをする時、主人公に自分の名を付けるタイプ




