プロローグ
わたしの名前はリーナ。
前世日本人の記憶を持つ、いわゆる異世界転生者だ。
そんなわたしが暮らすのは東西南北四つの国から成り立つ巨大な大陸で、それぞれ人間族・獣人族・エルフ族・魔族が治めていて、わたしの生まれは獣人族の暮らすブルド王国だ。
獣体のタヌキ獣人として生まれたわたしは希少な金色の獣人でもあったので、男爵家の三女と言う木っ端貴族令嬢にも関わらずお城で暮らし、尚且つ同い年と言う事で王太子の婚約者となったのだけど、いつまで経ってもスキルが使えないタヌキの獣体のままだったので難癖をつけられ、貴族学園を卒業した十六歳の時に国外追放となった。
そして、国外追放となったわたしが辿り着いた先は人間族が暮らすアルドーラ大帝国の自治区であるロゼルナイト辺境伯領で、そこで運良く領民となり領地の騎士として生きて行く事になったのだ。
その後三年間騎士をしたわたしは、ロゼルナイト辺境伯領の未踏破ダンジョン『暗闇の深淵』を全踏破した時に、ある事を思い出したので騎士を辞める事にしたのだ。
「・・・却下です」
「えっ!?何でっ!?国際法では三年以上居住すれば、その国の国民として認められるよね!?たとえ犯罪者でもっ!それに『暗闇の深淵』は全踏破したから、もうわたしがいなくても大丈夫でしょう?」
わたしはブルド王国の王太子妃教育で習った、国外追放されてから自国以外での居住が三年以上経過したら自動的に赦免されると言うのをこの前ダンジョンを全踏破した時に思い出したので、討伐遠征組みは一週間の休暇中の今朝、朝ご飯を食べ終えると犯罪者でも無くなったし転職したいなと、早速どうせ仕事してるだろうと思い隊長の執務室に突撃したら副隊長からまさかの却下をされたのだ。
「未踏破ダンジョンは国内にまだまだありますから申請すれば幾らでも討伐遠征にいけるのです。ですから、リーナがいなくなると領地の収入が大幅に減収する可能性があるので却下です。だけど、どうしてもリーナが騎士を辞めたいと言うなら・・・・・・・・・隊長を倒せたなら許可しましょう」
「受けて立つ!」
「・・・」
こうして、ジョブチェンジしたいわたしVS領地の収入を確保したい副隊長の代理人の隊長との決闘が行われる事となったのだ。




