第弐話 新たな事実と出発
おい
嘘だろ
ロル ニコレッタは
別の研究所の最高責任者だぞ
しかし、顔が明らかに違う
俺は奴とは同期だ
何度も顔合わせたこともあるし
打ち上げも前にしたことがある
名前が一緒なだけか?
ロル ニコレッタなんてそんな偶然で
名前が重なるものなのか?
そんなことを考えてると
「なあに、考え事してるのさ!」
彼女は考えていることをさしている如く
話しかけてくる
少なくとも今は考えないようにしよう
アジトについた時でも彼女に聞いてみよう
そう考えながら
「いろいろ頭に入ってきて混乱してました笑」
とっさに冷静を装い
表情を変える俺
すると彼女は
「もうアジトにつくよ!」
彼女が指を指す方向を見てみると
荒廃した土地にポツンと小さなテントが張ってあった
「狭いけど入って入って!」
言われるがままにテントの中に入ると
汚い....。
本当に女性が寝泊まりしている場所か?
と思うほど汚い。
「あのー居場所がないのですが....」
ゴミが散乱しているテントに男女が二人...。
何か萎えるな
と思い彼女が
「ごめんごめん!今片付けるよ!
でさ、何から話そうか!」
彼女はゴミを端っこに寄せながら本題を切り出してきた
まずは今のこの状況を聞かなくては
そう思い話そうとすると彼女が
「まずこの世界の生い立ちだよね!
そこが一番気になるよね!」
不安や焦りが顔に出ていたのだろう
と思い的を得ている彼女の話は続く
「この世界は20年前にアルハルド鉱石という未知の鉱石の
影響でこんな世界になってしまったの。
この鉱石はね、
宇宙に広がる星一つの能力を自分の力として扱えるように
なるんだ!
例えば、太陽なら灼熱の炎を扱えるようになる
他にも熱波だったり溶岩も扱えるようになるわ
他にも特性があるらしいんだけどね!
それでね、その鉱石を作ったとされる二人の神が
この世界をこんなふうにしてしまったと聞いてるわ。
只の噂だけどね!
実は私もその鉱物の能力を得ているの」
彼女はそういうと胸元を開けだしたので
「おいおいおい!まだそんな時間じゃない!!」
俺は慌てて目をつむりながら止めようとすると
「くすくすくす笑
そんなつもりじゃないわよ笑!
胸元を見てみて?」
恐る恐る目を開けてみると
彼女の胸元に少し丸みを帯びた何かダイヤモンドみたいな
ものが埋め込まれていた
驚いている俺を見ながら彼女は話の続きをする
「これがねアルハルド鉱石っていうんだよ
キイチが研究していたからわかるでしょ?
ちなみに、私の能力は冥星と言われる所以になった
冥王星の特性を扱えるの」
冥王星の能力?
確か冥王星といえば
窒素、メタン、一酸化炭素、氷できている星だと聞いている
星の核には岩石と鉄で構成されている星だ
ん?
ちょっと待て
俺確か
自分で前に胸にそれを刺したよな
まさか.....!!
そう思い慌てて俺の胸元を見てみる
が
ない
しかし
胸元になぜか前になかった縦線が入っていた
縦線というより何かの印みたいなものに見える
慌てていた俺を横目に彼女がじっと見つめてくる
「な、なにか....?」
彼女は俺の胸元を見ながら
不思議そうな顔で答える
「んーその傷みたいな印のようなものどこかでみた気がする」
彼女はそう言うと
難しそうな顔をしながら考え始めた
「この傷みたい印は昔怪我したときの跡なんですよ!
ロルさんと一緒の場所にあったのでまさかなみたい
事を考えちゃってましたよ笑」
とっさに考えた嘘にしては上出来だ
そう確信しながら
彼女があっ!と何か思い出した
ようで話始まる
「そうそう!キイチのような傷みたいな印?がある
人達を知ってるよ」
「えっ?どんな人達なんですか?」
自分がなぜこんな傷を負っているのかわからない
だが、大事なことを忘れている気がする
あの時、何かが起きたんだ
しかし思い出せない
少しでも情報がほしいと思う俺は
彼女の話を真剣に聞く
「その人たちはね、五祖星と呼ばれている五人がいるわ
その一人一人が銀河系を消滅させるほどの力を扱える
折り紙付きのバケモノと聞いているわ」
ゴクリと唾を飲む音が聞こえるほど
周りが静かな中
彼女の話は続く
「そんな簡単に会うとは思わないけど気をつけるように!」
「忠告ありがとうございます。
気をつけてさせていただきますよ」
まるでフラグだな
そのフラグが回収されないように祈ろう。
「それとね、今の世界にはそれぞれ地区があるのよ」
「地区ですか?」
「そう!こんな世界だから各地区ごとに一人の長を
筆頭に統括されているって感じだね!」
「それぞれの地区で区別されてるから皆敵意が出てて
皆、強いんだけど仲が悪くてさ(泣)」
「そうなんですね(汗)
あっ!ちなみにこの地域は
どこの管轄には入ってるのですか?」
「ここは第九地区って区画されている
場所よ!」
「第九地区、、、、ですか」
元々の前?の世界ではここは九城間という地域に当たる場所
どういう意味合いで第九地区と呼ばれているのか?
と思いながら
考えていると
「キイチには仲間がいたのよね?
その人達がもしかしたらだけど地区で保護されてるかも
しれないからひとまず第九地区に向かうのはどう?」
願ってもない提案だった
まずは仲間の安否を確認したいのだ
「そうさせて貰えるなら助かります
こんな状況なので仲間が心配なので
第九地区に一緒に同行させてください!」
「そうね!善は急げというから今から
向かうとしましょう!」
それから準備を簡単に済ませ
ロルが地図を広げ
キイチに場所を伝える
場所の確認が終わると
テントをしまい
「それじゃあ向かうとしましょう!」
「よろしくお願いします」
仲間も心配もそうだが
こんな状況だ
とにかく第九地区に急ごう
二人はテントがあった場所を後に歩き始めたのだ。
次回 第十二地区長 炎星 ニルヴァード キール